映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ユダヤ人を救った動物園」etc.

12月超繁忙期のため、ボチボチ更新!のお知らせ 2017.12.12

お知らせ「映画通信シネマッシモ」管理人の映画ライター・渡まち子です。
いつも当ブログを訪問していただき、ありがとうございます。

例年通り(?)、12月の超繁忙期を迎えて修羅場中の私です。今年はなぜか、15日締め切りが多くて、今週が一番ヤバいです (T△T)  毎年、12月23日(土・祝)が締め切りのことが多いんだけど、WHY??謎が深まる… (・・;)

…ということで、ほぼ毎日更新しているシネマッシモの映画レビューは、12月23日(土・祝)までの間は、“ボチボチ更新”状態になりますので、ご了承ください。

平日はサボりますが、週末は頑張って更新します。12月23日には、年内の締め切りは、すべて終わっている(はず)なので、それまで何卒ご容赦を m(__)m

気が向いたら、平日もたまーーに何か記事を書くかも?
とりあえず、ボチボチ更新のお知らせでした (;^_^A


スター・ウォーズ ぬいぐるみ S 最後のジェダイ ポーグ 高さ約16cm

← これが欲しい…と真面目に悩む今日この頃。
多忙すぎて現実逃避中(笑)


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ルージュの手紙

Sage femme (Original Motion Picture Soundtrack)
パリ郊外で暮らす助産婦のクレールは、女手一つで息子を育て、真面目に生きてきた。そんなクレールの元に、30年前にふいに姿を消した血のつながらない母親ベアトリスから突然連絡が入る。クレールはベアトリスの失踪後に、父が自殺したことから奔放に生きるベアトリスを許すことができなかった。だが末期ガンを患い、すべてを失って戻ってきたベアトリスを、クレールは放っておくことが出来ない。仕方なく、彼女につきあうちに、今まで知らなかったや古い秘密や思いが明らかになり、性格も生き方も正反対の二人は次第に距離を縮めていく…。

対照的な母と娘が再会し絆を育むヒューマンドラマ「ルージュの手紙」。仏映画界を代表する大女優、カトリーヌ・ドヌーヴとカトリーヌ・フロが初共演する人間ドラマだが、真逆の二人が反発しながら次第に溝を埋めていくストーリーは、まるでバディ・ムービーのようだ。助産婦として堅実に生きてきたクレールは、仕事に誇りは持っているが人生を振り返るヒマもない真面目人間。一方、血のつながらない母ベアトリスは、お酒とギャンブルに目がなく、身勝手で自由奔放。対照的な二人を見た目で表すのが、クレールの“ダザい”コートと、ベアトリスの“肉食系”ヒョウ柄の服だ。水と油のような二人が、触れ合うことで、互いの中に自分にない資質を見出していく様が、繊細に描かれる。

猫のように自由な母親が、堅物の娘に人生の喜びを教えるという展開は、よくある母娘もののパターンではあるが、いかにもフランス映画らしいのは、個を大切にしていることだ。ベアトリスもクレールも、互いに歩み寄ることで、本来自分の中にあった“才能”に気付く。ベアトリスは他者への思いやりを、クレールは自分を解放することを学び、自分の中に小さな変化を起こしていくのだ。めんどくさいが、やっぱり愛おしい関係。それが母と娘なのである。二人の偉大なカトリーヌの影に隠れがちだが、クレールを愛するシモンを演じるオリヴィエ・グルメがいい味を出している。男も女も一人では生きていけず、誰かと関わり合って存在しているのだと教えてくれる作品だった。、
【65点】
(原題「SAGE FEMME」)
(フランス/マルタン・プロヴォ監督/カトリーヌ・ドヌーヴ、カトリーヌ・フロ、オリヴィエ・グルメ、他)
(女性映画度:★★★★★)
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新世紀、パリ・オペラ座



フランスが誇る芸術の殿堂、パリ・オペラ座。オペラ、バレエにおいて世界トップレベルの伝統を維持してきたが、時代の波は容赦なく押し寄せる。数百年以上守ってきた歴史の継承か、あるいは新しい時代をけん引するリーダーシップか。華々しいステージだけでなく、厳しいリハーサル、キャストの降板や職員のストライキなど、次々に起こるトラブルも含めて、カメラは、パリ・オペラ座の舞台裏に迫っていく…。

世界最高峰のオペラ、バレエ団を誇る総合芸術の殿堂パリ・オペラ座の舞台裏を追ったドキュメンタリー「新世紀、パリ・オペラ座」。オペラ座を扱った記録映画は人気で、過去にいくつも作られた。近年では、フレデリック・ワイズマン監督の「パリ・オペラ座のすべて」が記憶に新しい。

本作は、バレエよりもオペラに重点を置いている作りだが、ステージで脚光を浴びるバレエダンサーやオペラ歌手だけを追うのではなく、苦悩する経営陣や、子どもたちが参加する弦楽クラスの様子など、オペラ座の実態を幅広く描き、興味深い内容に仕上がっている。ナタリー・ポートマンの夫として知られるバンジャマン・ミルピエから元エトワールのオレリー・デュポンへの芸術監督交代の内幕があるかと思えば、新作オペラのステージに巨大な牛を登場させるユーモラスなエピソードも。とりわけ、印象的なのは、ロシアの田舎で生まれ育った若手バリトン歌手ミハイル・ティモシェンコの存在だ。新しい才能を発掘する若手育成プログラム出身の彼は、オーディションに受かり、喜び、とまどい、時に失敗しながら、映画の中で、確実に成長していく。彼の歩みに寄り添うことで、本作がより身近に感じられるはずだ。変化を受け入れる革新性と、オペラ座に求められているものは何か?と常に自問するストイックな姿勢。そんな芸術の殿堂の息吹を感じることができるドキュメンタリーだ。
【60点】
(原題「L'OPERA/THE PARIS OPERA」)
(フランス/ジャン=ステファヌ・ブロン監督/ステファン・リスナー、バンジャマン・ミルピエ、オレリー・デュポン、他)
(芸術愛度:★★★★☆)
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DESTINY 鎌倉ものがたり

映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」オリジナル・サウンドトラック
鎌倉に住むミステリー作家・一色正和のもとに、年若い妻・亜紀子が嫁いでくる。鎌倉は不思議な場所で、人間と、幽霊、妖怪、死神などが仲良く暮らしていた。そんなある日、亜紀子が不慮の事故で亡くなってしまうが、彼女の死を受け入れられない正和は、亜紀子の魂を取り戻すために黄泉の国へと向かうことに。そこで正和は亜紀子を連れ去った魔物たちと出会い、何とか愛する妻を取り戻そうと奮闘するが…。

人と人ならざるものが同居する不思議な場所・鎌倉を舞台に一組の夫婦の愛の物語を描くファンタジー「DESTINY 鎌倉ものがたり」。原作は「三丁目の夕日」と並ぶ西岸良平氏のベストセラー漫画で、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴監督がメガホンを取っている。犯罪研究や心霊捜査にも通じている主人公・一色は、作家活動の傍ら、鎌倉署の捜査にも協力し怪事件を解決したりしている。何千年も昔から妖気が溜りに溜まっていろいろな怪奇現象が起こる鎌倉は、魔界や黄泉の国の間で、生者と死者の思いが交錯する場所。映画前半は、鎌倉ビギナーの亜紀子の目を通して、不思議スポット・鎌倉での一色夫妻の暮らしぶりが描かれる。

死んだ妻を探して黄泉の国へ…というのは、まるでギリシャ神話のオルフェウスのよう。ミステリー作家・一色は、竪琴こそ弾かないが、魔物から妻を取り戻すべく、アクション全開だ。後半は、ちっとも暗くない黄泉の国を舞台に大冒険…という展開なのだが、前半のほのぼのとした日常描写と、後半のファンタジーがどうもしっくりこない。別々の2本の映画ならきっとより深く描けただろうに…と思うが、不思議な鎌倉が架け橋になって、虚と実をつないでいるということだろう。「千と千尋の神隠し」を思わせる黄泉の国のビジュアルは、精緻に作り込まれていて素晴らしく、さすがはVFXの使い手・山崎貴監督だ。「ALWAYS」組の俳優たちが多く出演し、安定の上手さを見せるが、死神の安藤サクラと貧乏神の田中泯の“神様演技”が意外性があって、物語の上でも、いいアクセントになっている。何度生まれ変わってもやっぱり二人は結ばれる。見終われば、壮大なラブ・ストーリーだったが、レトロ・モダンなファンタジーとして楽しんでもらいたい作品だ。
【65点】
(原題「DESTINY 鎌倉ものがたり」)
(日本/山崎貴監督/堺雅人、高畑充希、堤真一、他)
(レトロ度:★★★★☆)
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オリエント急行殺人事件

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
ヨーロッパ各地を結ぶ豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人の富豪ラチェットが刺殺される事件が起こる。偶然、この列車に乗り合わせていた世界的名探偵エルキュール・ポアロは、大雪で立ち往生し密室となった列車の、一等車両の乗客に話を聞いていくが、乗客たちには全員アリバイがあった。未亡人、家庭教師、宣教師、公爵夫人、教授、医者、セールスマン…。目的地以外共通点がないように見えた乗客たちだったが、やがて過去に起きた悲劇的な事件との関連性が浮かび上がる…。

アガサ・クリスティの名作ミステリーを豪華キャストで映画化した「オリエント急行殺人事件」。原作は1934年に初版された傑作推理小説。シドニー・ルメット監督によってオールスターキャストで映画化された1974年の映画もまた、名作ミステリーとして名高い。灰色の脳細胞を持つ名探偵ポアロが難事件に挑むストーリーは、基本的には同じだが、ケネス・ブラナー監督は、自らが演じるポアロも含めて、現代的な解釈を施している。訳ありの乗客たちを演じるのは、ほとんどが主役級の俳優だ。犯人を知っていても、結末が分かっていても、十分に楽しめるのは、彼らの演技合戦が素晴らしいからに他ならない。まるで古典芸能を見ているような豊かな気分になる。意外なキャスティングとしては、ダンサーのセルゲイ・ポルーニン。出演時間は少ないが、強烈なインパクトを残してくれた。

贅沢なオリエント急行の列車の中はもちろん豪華で見応えがあるが、今回のポアロは、大雪で立ち往生する列車の外でお茶を飲んだり、列車の屋根の上を走ったり、とにかく“外に出る”。シネスコ映像による広大な風景は、過去作にはなかった魅力だ。この世には善と悪しか存在しないというのがポアロの持論だが、この殺人事件のあまりにも悲しい真相は、ポアロに、真実が持つ別の側面を認めさせる。名探偵もまた事件によって学び、成長しているのだ。舞台で鍛え上げたケネス・ブラナーの存在感は抜群で、神経質でこだわり派、鋭い観察眼と分析力に加え、語学力や幅広い教養も併せ持つポアロを、巨大なヒゲと軽妙なセリフで演じて、ハマリ役である。どうやら次はナイルへ向かう様子。シリーズ化が楽しみになった。
【75点】
(原題「MURDER ON THE ORIENT EXPRESS」)
(アメリカ/ケネス・ブラナー監督/ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、他)
(豪華キャスト度:★★★★☆)
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猫が教えてくれたこと

Kedi (Original Motion Picture Soundtrack)
トルコ、イスタンブール。ヨーロッパとアジアの文化が交錯するこの古都は、猫の街として知られている。そこでは住人たちが野良猫に食料や寝床を与え、共存してきた歴史があった。カメラは、イスタンブールで人々に愛されながら、自由きままに暮らす7匹の猫たちと、猫との出会いに癒され、猫に深い愛情を注ぐ人間たちとの優しい関係を追う…。

トルコの大都市イスタンブールに暮らす野良猫と人間との幸福な関係を描くドキュメンタリー「猫が教えてくれたこと」。登場するのは、生まれも育ちも性格も異なる7匹の猫たちだ。市場の人気ものや、撫でられるのが大好きな甘えん坊、気性が荒いメス猫や、礼儀正しくグルメな紳士猫など、どの猫も個性豊かだ。アップを多用した猫たちの表情やしぐさの可愛らしさは破壊級で、猫好きなら思わずにっこりしてしまうはず。だが、米国で外国語ドキュメンタリー映画として史上第3位の大ヒットを記録したというこの作品は、単なる癒し系映画ではないのである。

猫たちを通して見えてくるのは、東西文化の要として繁栄した古都イスタンブールに生きる人々の多様性と寛容な心だ。「猫は人間を神ではないと分かっていて、人への感謝も忘れない」「動物を愛せない人は人間も愛せない」などの深い名言も飛び出す本作からは、人間と動物、自然と人工がごくナチュラルに同居し、街全体で猫を大切にしている空気が伝わってくる。地上10cmの猫目線カメラの映像は生き生きとして素晴らしく、悩みや苦しみを抱えながら懸命に生きる市井の人々の暮らしぶりも温かいまなざしですくい取っている。そこには、自分とは違う他者の存在を認め合い、互いを尊重することの大切さがしっかりと描かれているのだ。凡百の動物映画は一線を画す猫映画の名作である。
【75点】
(原題「KEDI」)
(トルコ/チェイダ・トルン監督/(出演猫)サリ、デニス、ベンギュ、ガムシズ、サイコパス、デュマン、アスラン・パーチャシ、他)
(猫愛度:★★★★★)
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永遠のジャンゴ

Django
1943年、第二次世界大戦でナチス支配下にあったフランス。ジプシー出身の天才ジャズ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、絶大な人気を誇っていた。一方、ナチスによるジプシー迫害が激化し、各地でジプシー狩りが起きていた。ジャンゴの才能に惚れこんだナチス官僚がドイツ公演の話を持ち込むが、ジャンゴの愛人で独軍の動向に通じたルイーズは、家族全員でのスイス逃亡を促す。スイス国境の町に身を潜めたジャンゴだが、ナチス官僚が集う晩餐会での演奏が命じられる…。

不世出の天才ジャズ・ミュージシャン、ジャンゴ・ラインハルトの壮絶な生き様を描くドラマ「永遠のジャンゴ」。ベルギー生まれのジャンゴ・ラインハルトは、ロマ音楽とスウィング・ジャズを融合させたジプシー・スウィング(マヌーシュ・スウィング)の創始者で、世界中のミュージシャンに影響を与えた偉大なギタリストだ。本作ではそんなジャンゴの超絶技巧による音楽がたっぷり楽しめるが、いわゆる音楽映画でも伝記映画でもない。これはジャンゴ・ラインハルトという天才が、ジプシーを迫害し、ジャズを堕落した音楽として禁止したナチスと、いかに戦って生き抜いたかを描く、知られざる苦悩と葛藤の物語なのだ。

ナチスのユダヤ人迫害は誰もが知る暴挙だが、その裏側で、ジプシーや同性愛者などの迫害も行っていた史実は、ユダヤ人迫害ほどは有名ではない。ジャンゴは、最初は「国と国の戦争など、自分たちには関係ない。俺たちミュージシャンは演奏するだけだ」とうそぶいている。だが仲間が殺され、自分もプロパガンダに利用されようとするなど、事の重大さを実感すると、理不尽に迫害されるジプシーの悲しみと怒りを強く感じ、政治意識とも無縁ではいられなくなるのだ。純粋に音楽だけに生きることが許されなかった困難な時代の哀しみを、ジャンゴの華やかでいながら哀愁を帯びたギターのメロディが体現している。ジプシーを軽蔑するナチス将校がジャンゴを嘲るように「音楽を知っているか?」と尋ねるが、その時のジャンゴの答えがいい。「音楽は知らない。音楽が俺を知っている」。ジャンゴ・ラインハルトが単なるギターの天才ではなく、ギターの英雄と呼ばれる理由がよく分かる。
【65点】
(原題「DJANGO」)
(フランス/エチエンヌ・コマール監督/レダ・カテブ、セシル・ドゥ・フランス、ビンバン・メルスタイン、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)
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プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード

プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード【2枚組】
1787年、幼い息子を病で亡くし失意のどん底にいた作曲家モーツァルトは、陰鬱なウィーンを離れ、名士たちからの誘いに乗り、新作の作曲のためにプラハを訪れる。プラハではオペラ「フィガロの結婚」が大評判で、モーツァルトは友人宅に滞在し、「フィガロの結婚」のリハーサルと新作オペラの作曲に励むことに。そこで彼は若く美しいオペラ歌手スザンナと出会い、互いに惹かれあう。一方、女好きで傲慢なサロカ男爵も、スザンナを狙っていた…。

モーツァルトがプラハで「ドン・ジョヴァンニ」を初演したという史実に着想を得た愛憎劇「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」。天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生誕260年を記念して製作された作品だ。モーツァルトを描いた作品といえばアカデミー賞を受賞した傑作「アマデウス」がすぐに思い浮かぶが、そこではオペラ「ドン・ジョヴァンニ」は父の呪縛の象徴とされていた。本作では、このオペラ誕生の裏側には、モーツァルト自身を巻き込んだ愛や嫉妬がからむ三角関係があったという、新たな解釈で描かれている。

モーツァルトを演じるのは「ダンケルク」にも出演していた若手俳優のアナイリン・バーナード。まだ初々しさが残る天才が、思いがけず恋に落ちる様を繊細に演じている。生誕260年記念にしては少々地味な作品という印象がぬぐえないが、モーツァルトがプラハの街をとても愛したのは事実らしい。実際、この街は“百塔の都”と呼ばれる美しい古都で、このプラハでの全編ロケが本作に歴史ものらしい重厚感を与え、魅力あふれる作品にしている。もちろんモーツァルトの名曲がたっぷり楽しめるのも嬉しい。
【55点】
(原題「INTERLUDE IN PRAGUE」)
(英・チェコ/ジョン・スティーヴンソン監督/アナイリン・バーナード、モーフィッド・クラーク、ジェームズ・ピュアフォイ、他)
(新解釈度:★★★★★)
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ムーミン谷とウィンターワンダーランド



木の葉が静かに舞い落ちる秋。ムーミン谷に住むムーミン一家では、春までの長い眠りに備えて、ママはジャムを作り、パパはキノコを採り、食べ物を蓄えるのに、大忙し。家中を片付けてやっと眠りにつくが、ある日、ヘムレンさんがやってきてムーミン一家にこう言った。「クリスマスが来るぞ!」。クリスマスさんというお客様が来るの?それならおもてなししなくちゃ!ムーミン一家は大はりきり。好奇心旺盛のムーミントロールは、初めて目にする冬景色にビックリ。やがて、ムーミンは、数々の驚きと出会うことになる…。

フィンランドの作家トーベ・ヤンソンが生み出したキャラクター、ムーミンをパペットアニメで描く劇場版の最新作「ムーミン谷とウィンターワンダーランド」。クリスマスをテーマにした心温まる物語は、原作者ヤンソンもお気に入りだったそうだ。本作は、1978年から1982年にポーランドのスタジオで制作されたオリジナルシリーズが、フィンランドで高度な技術によってデジタルリマスター化されたものである。ムーミン一家が冬は冬眠するということを実は初めて知ったが、冬を知らないムーミンが、初めて見る冬景色にワクワクし、クリスマスさんを探す冒険をし、さまざまな冬の魔法を体験するストーリーは、見ているこちらまで心が躍る。美しい雪の銀世界の幻想的なビジュアルがいかにも北欧らしく、見るものをファンタジックな別世界へと連れて行ってくれるかのようだ。

クリスマスさんをおもてなしするプロセスでは、ムーミン一家をはじめ、ムーミン谷に住むたくさんのキャラクターが登場し、にぎやかだ。彼らには、一人よがりだったり、おっちょこちょいだったり、ちょっと無神経だったりと、たくさんの欠点があるのだが、作り手はそんな彼らに、純朴な性格のムーミントロールを通して、あたたかいまなざしを注いでいる。やわらかな質感が伝わってくるようなパペット(人形)の愛らしさ、雪景色の美しさ、そして驚きと喜びに満ちたストーリー。見終われば、きっと心がほっこりし、幸せな気分を味わえるはずだ。ナレーションを務めるのは、神田沙也加。柔らかく澄んだ声が、作品の世界観にフィットしていた。
【60点】
(原題「MUUMIEN JOULU/MOOMINS AND THE WINTER WONDERLAND」)
(フィンランド、ポーランド/ヤクプ・ヴロンスキ、イーラ・カーペラン 監督/(声)宮沢りえ、森川智之、朴路美、ナレーション:神田沙也加 他)
(ピュア度:★★★★★)
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探偵はBARにいる3

探偵はBARにいる3 (ハヤカワ文庫JA)
アジア最北の歓楽街・北海道・札幌、ススキノ。この街を知り尽くす探偵は、相棒の高田の後輩から行方不明になった女子大生・麗子を探してほしいとの依頼を受ける。軽い気持ちで引き受け、調査を進めていくと、彼らは怪しげなモデル事務所の美人オーナー・マリにたどり着く。マリの後ろには、札幌経済界で頭角を現している北城グループの社長であり、裏社会で暗躍する冷酷非道な北城という黒幕がいた。謎に包まれたマリに翻弄されるうちに、探偵たちはマリの巧妙な罠に落ち、さらに大きな事件に巻き込まれていく…。

大泉洋と松田龍平が凸凹コンビに扮する人気シリーズの劇場版第3弾「探偵はBARにいる3」。行きつけのバーを根城にする軽妙な探偵と、武闘派でぶっきらぼうな相棒・高田の名コンビぶりは、このシリーズの最大の魅力だ。さらに札幌・ススキノを舞台とした、ちょっと大人の“ご当地映画”としても魅力がある。今回も、旧知のヤクザや新聞記者ら、おなじみのメンバーが登場。加えて本作のキーパーソン、北川景子扮するマリはお約束の訳ありの美女だ。しかもマリには、命懸けの思いがある。悲しい過去を背負う謎めいた美女マリからの、ある依頼が、どんなにヤバいものであっても、人情派の探偵がこれを断るわけはない。かくして探偵と高田は、覚醒剤がからむ危険な事件に巻き込まれていく。

アクションや暴力シーンはあっても、全体のトーンはハードボイルド風味のコメディーというのが、このシリーズの持ち味だ。監督は橋本一からNHK出身の吉田照幸に交代したが、いい意味でのユルさが引き継がれているので、安心感がある。同じコンビ、同じ街。でも今回は、探偵と高田の“別れ”という切ない要素も。噛み合わないようでいて、信頼関係で結ばれている探偵と高田の男同士の友情に憧れる人も多いのではないか。冬の北海道、猥雑なススキノにこだわり、日ハムの栗山監督まで登場するこの第3弾、4年ぶりだが、安定の娯楽作だった。探偵の少し寂しげな背中が、いつもながら愛おしい。
【65点】
(原題「探偵はBARにいる3」)
(日本/吉田照幸監督/大泉洋、松田龍平、北川景子、他)
(最後の事件度:★★★☆☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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