映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「シン・ゴジラ」「ターザン」「ヒマラヤ」etc.

ターザン:REBORN

Legend of Tarzan - O.S.T.
大都会ロンドンで美しい妻ジェーンと共に裕福に暮らす英国貴族のジョン。彼はコンゴで、生まれて間もなく国の反乱に巻き込まれ、ジャングルで動物たちに育てられ“ターザン”と呼ばれていた過去があった。政府からも一目置かれる実業家のジョンだが、外交のため故郷へ戻ることに。しかしそれは罠で、故郷は侵略され、ジェーンはさらわれてしまう。ジョンはかつての野性を呼び覚まし、愛する妻と故郷を取り戻すため闘うことを決意する…。

米国人作家のエドガー・ライス・バローズによる冒険小説ターザン・シリーズは何度も映画化されてきたが、元祖ヒーローであるターザンを新たな解釈で描くのが「ターザン:REBORN」だ。ジャングルの中をツタにつかまりながら“ア〜、アア〜!”と雄たけびをあげる野人のイメージが定着しているが、本作の冒頭、ターザンは、気品あふれる美しい英国貴族として登場する。ターザンことジョンは、ベルギー政府のある秘密から罠にかかるのだが、戻ったジャングルには昔なじみの動物や“兄弟”がいて、彼らとの向き合い方すべてに自然へのリスペクトが感じられる。イケメンかつマッチョなアレキサンダー・スカルスガルドがターザンに扮し、愛するものを守りぬくヒーローを好演しているが、本作で注目すべきなのはマーゴット・ロビー演じる妻ジェーンの描き方だ。かつてはターザンに守られ救い出される美女というお飾り的な存在だったが、本作のジェーンは違う。悪者を相手にタンカを切り、仲間を守ろうと川に飛び込んで奮闘する。夫ジョンとも対等で、時には夫をやり込めるジェーンは頼もしくも微笑ましい、今どきの女性キャラだ。動物たちはすべてCGだが、まるで本物と見紛う素晴らしい出来で、アクションもスタイリッシュでスピーディー。アメコミヒーロー全盛の今、一見古臭いと思われるターザンは、生まれ直した。文明社会から野生へと戻ることで取り戻す大切なものを描く手法もまた「REBORN」なのだ。
【75点】
(原題「THE LEGEND OF TARZAN」)
(アメリカ/デヴィッド・イェーツ監督/アレキサンダー・スカルスガルド、マーゴット・ロビー、サミュエル・L・ジャクソン、他)
(元祖ヒーロー度:★★★★★)
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ゴジラ映画に思うこと

ひとりごと7月29日(金)の「シン・ゴジラ」の公開を前にして、世の中はゴジラ一色!ケーブルテレビでは過去のゴジラ映画を特集し、美術館でのゴジラ展や、各種イベントなどもにぎやかに開催されている。改めてその人気ぶりに驚くばかりだ。

そもそもゴジラって何?という映画ファンも多いと思うので、さわりだけ解説しておくと、ゴジラは、架空の怪獣。海底に潜んでいた怪獣ゴジラは、度重なる水爆実験によって目を覚まし、日本に現れて破壊の限りを尽くすというのが物語の大筋だ。1954年の第1作「ゴジラ」は、日本映画屈指の名作とされている。古いモノクロ映画で、現代の高度なCGを見慣れた目にはミニチュアによる撮影は稚拙に思えても、特撮という特異なジャンルの傑作であることは間違いない。

ビキニ環礁での核実験、第五福竜丸の被爆事件など、世界での核の脅威を怪獣という形で視覚化したことが、まずは特筆だ。劇中に登場する、死を覚悟した母親が子どもに「お父さんのところに行くのよ」というせりふは、戦争で命を落とした人々の記憶がまだしっかりと焼き付いている世相を表している。空襲、原爆を経験した日本人は、圧倒的な脅威の前では都市など簡単に破壊されてしまうことを知っているのだ。現実世界で味わった戦争の恐怖が、一見荒唐無稽に思えるゴジラ映画には色濃く反映されている。

そうした本多猪四郎監督の演出と共に、特撮監督・円谷英二や作曲家・伊福部昭など、才能ある人々の仕事ぶりも評価が高い。その後、日本映画界では、多くのゴジラシリーズや怪獣ものが作られたが、やはりこの第1作に勝るものはないだろう。ハリウッドでもゴジラは映画化されたが、首をかしげたくなるような珍作もあれば、2014年のギャレス・エドワーズ監督による力作も。いずれにしても、ゴジラの世界規模での人気を裏付けている。

クジラのように巨大で、ゴリラのように恐ろしいもの。それがゴジラだ。時代によって恐怖の対象は変わってくる。今、私たちが最も恐れるべきものは何だろう。改めて考えてみるためにも、圧倒的な人気を誇るゴジラ映画の原点を知るためにも、本多猪四郎版1954年の「ゴジラ」にぜひ出会ってほしい。



(出演:宝田明、志村喬、河内桃子、他)
(1954年/日本/本多猪四郎監督/原題「ゴジラ」)


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海すずめ

海すずめ オリジナルサウンドトラック
小説家としてデビューしたものの、2冊目が書けずにスランプに陥った赤松雀は、故郷の愛媛県宇和島市に戻って、自転車で図書を運ぶ市立図書館自転車課で働くことになる。ある時、宇和島伊達400年祭の武者行列に使う、姫の着物の刺繍模様復元の資料として必要な御家伝来の本の行方をめぐる騒ぎが起きる。さらに自転車課の廃止の動きが浮上。雀は、資料となる本探しと、自転車課廃止を阻止するために奔走することになるが…。

宇和島伊達400年記念作品として製作された青春ドラマ「海すずめ」。いわゆるご当地映画で、愛媛県宇和島市の魅力を存分に伝えながら、何事にも中途半端だったヒロインが成長していくプロセスを描く物語だ。市立図書館の自転車課という設定が何よりユニーク。俗称、お届け図書館の自転車課の仕事は、本を届けることはもちろんだが、一人暮らしの高齢者の見守りや、地域、異世代の交流を目的としている。かつては宇和島市の図書館では自転車による移動図書館が実施されていたらしい(2002年に廃止)。ご当地映画の場合、地域の暮らしや歴史、祭りや行事を盛り込むという約束もこなしながら、あくまでもさわやかにストーリーを仕上げるのがお約束だ。その点、本作は自転車の疾走感と共に、美しい風景が流れていき、かなり効果的に感じられる。自転車課のヒロインと同僚役の若手俳優たちの演技はぎこちないが、内藤剛志、吉行和子ら、ベテラン俳優たちがいい味を出してカバーしている。空襲で全焼した伊達図書館や、伊達400年祭の武者行列といった、興味深いエピソードが盛り込まれて、歴史好きにはおすすめだ。何でも愛媛県は自転車で町おこしを目指していて、それに対する意見はさまざまあるそう。それでも、クライマックスの見事な打ち掛けの美や、主人公が再び前を向き、彼女の行動が自転車課に新しい風を呼び込むことなど、いい意味での“ご都合主義”の後味は悪くない。自転車課。ほんとにあったらすてきなのに…と思う人も多いはずだ。
【55点】
(原題「海すずめ」)
(日本/大森研一監督/武田梨奈、小林豊、内藤剛志、他)
(さわやか度:★★★★☆)
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HiGH&LOW THE MOVIE

HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM(CD2枚組+DVD+スマプラ)
街のとある一帯を支配した最強のグループ「ムゲン」は、唯一屈しなかった「雨宮兄弟」と激しい抗争を繰り広げた末に、解散。雨宮兄弟も姿を消す。その後、一帯で頭角を現した5つのチームの頭文字をとって、街は「SWORD地区」と呼ばれていた。微妙な均衡を保ちながら勢力争いを展開するその場所に、ある男が戻ってきたことで、不穏な空気が漂い始める…。

EXILEや三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE らが所属するLDHと日本テレビがタッグを組み、ドラマやライブツアーなどが連動するプロジェクト「HiGH&LOW」の映画版「HiGH&LOW THE MOVIE」。物語は、とある一帯の支配をめぐって争う5つの不良グループの抗争を激しいアクションで描く男のドラマだ。EXILEと三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEありきの作品なので、映画としての体裁よりも、ダンス・パフォーマンス集団らしい、舞踏のようなアクションを魅せるためにほとんどの時間を割いている。山王街二代目喧嘩屋「山王連合会」、誘惑の白き悪魔「WHITE RASCALS」、漆黒の凶悪高校「鬼邪高」、無慈悲なる街の亡霊「RUDE BOYS」、復讐の壊し屋一家「達磨一家」。「SWORD地区」だけでもこれだけのグループがあり、さらに「ムゲン」「雨宮兄弟」etc.と登場人物があまりに多いので、途中から覚えることを放棄してしまった。物語は、男たちのプライドを賭けた抗争というのが大枠だが、回想シーンがあまりに多すぎる。映画で初めて「HiGH&LOW」に接する人たちに対する配慮なのかもしれないが、ストーリーの流れが悪く、興味が削がれてしまった。出演者たちは音楽とダンスが専門なので、演技力にはもとから期待していないが、その中で、窪田正孝、林遣都の二人の“本職”の役者の演技が光っていた。ファン向けのお祭り騒ぎの映画と割り切るべきだが、大金をかけた上質なミュージックビデオと思えば、かなり楽しめる。
【50点】
(原題「HiGH&LOW THE MOVIE」)
(日本/久保茂昭監督/EXILE、窪田正孝、林遣都、他)
(パフォーマンス度:★★★★☆)
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ONE PIECE FILM GOLD

ONE PIECE FILM GOLD オフィシャルムービーガイド BACKSTAGE PASS (集英社ムック)
海賊王を目指して新世界を旅するルフィと麦わらの一味の仲間たちは、世界最大のエンターテインメントシティである政府公認の独立国家、グラン・テゾーロを訪れる。有名な海賊たちや大富豪が集まるその華麗な様子に圧倒されるルフィたちだったが、そこは世界政府すら手を出すことのできない“絶対聖域”だった。そんなグラン・テゾーロをばく大な金の力で支配し、世界政府をも操るのが黄金帝ギルド・テゾーロ。彼は、底知れぬ野望を抱き、新世界の勢力図を塗り替えようとしていた…。

大人気アニメシリーズ「ONE PIECE」の劇場版第13弾「ONE PIECE FILM GOLD」。黄金の独立国家グラン・テゾーロの支配者ギルド・テゾーロの陰謀にルフィたち麦わらの一味が立ち向かう。おなじみのメンバーが繰り広げる冒険と戦いが描かれるが、今回はカジノが舞台ということもあって、どこか「オーシャンズ11」シリーズを連想させる。ワンピースシリーズはいつもオープニングには並々ならぬこだわりを見せてくれるが、今回はなんと12分にも及ぶ華麗なショーが用意され、音と映像のコラボが圧巻だ。ストーリー的には、謎の歌姫カリーナとナミの意外な関係が物語のカギとなる。金を操るゴルゴルの実の超能力を駆使し、非情なルールでグラン・テゾーロを支配する巨悪に対し、ルフィたちが立ち向かう理由は、真の自由を守るためだ。ただ、本作、映像は華麗なのだが、キャラが多すぎて、少々もたついているのが惜しい。バトルシーンも前作「Z」に比べてちょっと物足りなく感じてしまう。それでも、主題歌にロックユニット「GLIM SPANKY」を抜擢するなど、エンタテインメントとしてはシリーズ屈指だ。それにしても、大人のファンも多いとはいえ、ファミリー映画のONE PIECEがついに2時間超え!ますます長尺になっていくのでは…とちょっと心配ではある。
【55点】
(原題「ONE PIECE FILM GOLD」)
(日本/宮元宏彰監督/(声)田中真弓、岡村明美、、他)
(華麗度:★★★★☆)
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パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト



スペイン南部、アンダルシアに生まれたパコ・デ・ルシアは、7歳でギターを手にし、父と兄の手ほどきで才能を開花させる。兄と共に活動していたパコは、12歳にしてプロデビューし、やがて舞踊家ホセ・グレコのアメリカ公演に参加する。天才歌手カマロン・デ・ラ・イスラと出会い、フラメンコの枠を超え、多くのギタリストと共演。新たなアルバム作り、世界ツアーと積極的に活動する。2014年にメキシコで急逝したパコの栄光と苦難の軌跡を、彼の素晴らしい音楽と共に、ゆかりの人々へのインタビュー、音楽に対する完璧主義を貫いたパコ本人の肉声を交えて紐解いていく…。

2014年に66歳で急逝した、スペインが誇る天才ギタリスト、パコ・デ・ルシアの功績に迫る音楽ドキュメンタリー「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」。パコの息子のクーロ・サンチェスが初監督を務めている。フラメンコやダンサーに関するドキュメンタリーは多く見ているが、ギタリストを取り扱った記録映画は、私にとっては新鮮だ。だが、パコ・デ・ルシア(本名フランシスコ・サンチェス・ゴメス)の超絶技巧のギター演奏の素晴らしさに触れたとたん、圧倒され、あっと言う間に魅了されてしまった。パコ・デ・ルシアとは、いわゆる愛称で、ポルトガル人の母親ルシアの名をとって“ルシアの息子パコ”という意味らしい。何しろパコは早熟の天才にして、徹底した完璧主義者。音楽に対しては、自分にも他人にもすさまじく厳しい。そのストイックな姿勢は昔ながらの職人のようだが、やはりこの人は天才ミュージシャン。しかも、かなり革新的な人だ。フラメンコの世界は伝統を重んじるが、パコはその伝統の枠から果敢に逸脱していく。それを批判する人も多い中、苦悩や葛藤もあったと思うが、サンタナやチック・コリアらとの共演から即興演奏に目覚め、やがて誰もが認める世界屈指のギタリストになっていく。一方で、パコの人生は孤独なもので、自ら、あまりにも音楽に対してのめりこむために、他人と暮らすのは無理なのだと語っている。この人は孤高のギタリストで、生涯をかけて音楽に人生を捧げた人なのだ。フラメンコとそれに関わる音楽の歴史には、長く続いたフランコ独裁政権の影響も色濃いのだが、映画は政治色は抑えて、あくまでもパコの音楽性を前面に押し出した作りだ。何しろ、作品中に流れる音楽を聴いているだけでも至福の音楽体験。名演奏に酔いしれてほしい。
【60点】
(原題「PACO DE LUCIA A JOURNEY」
(スペイン/クーロ・サンチェス監督/パコ・デ・ルシア、チック・コリア、カルロス・サンタナ、他)
(孤高度:★★★★☆)
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シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ



チェコ出身の映像作家アンドレア・クルコヴァは、第三子を妊娠中に妊娠糖尿病と診断される。不安にかられ、砂糖と健康の因果関係を調べ始めた彼女は、生活から砂糖を取り除く困難、砂糖業界の真実などを取材していく。一方で、家族の協力を得て、砂糖の危険性を訴える活動を始めるが…。

砂糖と健康の因果関係を追求したドキュメンタリー「シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ」。少し前にやはり砂糖の弊害を記録した「あまくない砂糖の話」という、監督自らが実験台になって検証するセルフ・ドキュメンタリーがあったが、本作は、妊娠した女性ならではの視点で問題に切り込み、家族と共に砂糖の真実を解き明かすというスタイルだ。共通しているのは、砂糖業界の多国籍企業の健康を度外視した利潤追求の姿勢や、中毒状態になった消費者が砂糖を取り除いた生活に切り替えることの難しさだ。私は本作で、角砂糖発祥の地がチェコだということを初めて知ったが、チェコでは製糖業が盛んで、ごちそうやお祝い事にスイーツは欠かせない。監督の親世代の意識を変えることはかなり難しそうだが、精製された砂糖と同じくらいおいしい食べ物を“砂糖抜きで”作ればいいのだと気づいた監督の家族の食生活は、むしろスタイリッシュで現代の健康志向の波にのっているように思える。それでも、大企業と医療関係者や科学者までもが結託した業界の闇や、糖尿病の患者、政治家らへのインタビューを聞いていると、監督一家の活動は、巨人に素手で立ち向かう小さな子どもの闘いにも感じられた。砂糖を摂取するメリットもあるはずで、本作に、その点の指摘がまったくないのはバランスを欠いているのだが、毎日口に入れる食べ物に関する驚きの真実に、今一度自分のライフスタイルを見直すきっかけになる作品だ。タイトルのシュガー・ブルースとは、1922年にレオナ・ウィリアムズという女性歌手によって歌われた楽曲(初録音は1920年のクライド・マッコイによるもの)。禁酒法時代にアルコールに代わって砂糖を常用した人々が、砂糖を止めたいのに抜けられないという中毒症状を歌った歌だ。うーん、根深い問題である。
【55点】
(原題「SUGAR BLUES」)
(チェコ/アンドレア・クルコヴァ監督/アンドレア・クルコヴァ、キャシー・ドルジン、アデルベルト・ネリセン、他)
(健康志向度:★★★★☆)
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ロスト・バケーション



医学生のナンシーは、休暇で秘境のビーチを訪れる。だが、サーフィンを楽しんでいる最中に、突然の衝撃を受けて足に大怪我を追ってしまう。何とか岩場までたどり着くが、岩場の周囲では血の匂いに興奮した獰猛な人食いザメが旋回していた。周囲に誰もおらず、助けを呼ぶこともできない絶望的な状況で、何とか生き延びる術を探すナンシーだったが、満潮で岩場が沈むまで残された時間はわずかだった…。

誰もいない海の岩場に取り残されたヒロインが危険な人食いサメに狙われながらサバイバルするパニック・サスペンス「ロスト・バケーション」。大ヒット作「ジョーズ」以来、サメ映画は常に作られているが、本作ではヒロインがたった一人で戦うこと、すぐそこに岸が見えているのにたどり着けないというもどかしい状況など、個性的な設定とサバイバルの方法に創意工夫があり、上映時間90分の間、緊張感が途切れることがまったくない。亡き母に教えてもらった秘境のビーチで、将来や進路に悩む場面もチラリと描かれるが、やはり本作は、美女が鮫とガチで戦う構図にこそ魅力がある。主演のブレイク・ライブラリーのビキニ姿はセクシーだが、むしろほぼ全編一人芝居で熱演する演技力に注目してほしい。岩場が満潮で沈むまでの時間が刻々と迫る切迫感、ナンシーが医学生という設定など、演出もなかなか巧みだ。まさかピアスにあんな使い道があるなんて。お気楽なサーファーや、酔っ払い、近くを通る船などが、ことごとくヒロインのSOSを見逃してしまう中、何とか海中に浮かぶブイまでたどり着くナンシー。その後は、文字通り、火事場のバカ力…、いや、アメリカ娘らしい強気の戦法でサメと真向勝負する。極限状況であればあるほど、体力と知力、何より、生きてやる!という気力がモノを言うのだ。共に負傷したカモメとの“友情”が、いい味を出していた。なかなか拾いモノの小品である。
【70点】
(原題「THE SHALLOWS」)
(アメリカ/ジャウマ・コレット=セラ監督/ブレイク・ライヴリー、オスカル・ハエナダ、他)
(サバイバル度:★★★★★)
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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

Trumbo
第2次世界大戦後、アメリカでは共産主義排斥活動“赤狩り”が猛威を奮っていた。その理不尽な弾圧は、ハリウッドにも影響を及ぼし、売れっ子脚本家ダルトン・トランボは、下院非米活動委員会への協力を拒んだことで投獄されてしまう。出所後、愛する家族のもとへ戻ったものの、ハリウッドでのキャリアを絶たれた彼に、もはや仕事はなかった。それでも決して弾圧に屈しないトランボは、ひそかに脚本を執筆し、友人に託した「ローマの休日」や、偽名で執筆した「黒い牡牛」でアカデミー賞を受賞。やがてトランボに賛同する映画人が現れ、彼は力強く再起への道を歩み始める…。

冷戦の影響によるハリウッドの赤狩りと闘った名脚本家ダルトン・トランボの半生を描く映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」。本作は、ハリウッド・テンの中でも有名なトランボの伝記映画だが、赤狩りと闘った偉人というより、夫、父親としての側面を強調しながら、決して声高ではなく、天才脚本家の反骨を描いている。ワーカホリックで、かなりの変人だったトランボは、家族に強引に役割を分担させるなどワンマンな一面も。そんな彼を時に励まし時に諫めたのが賢妻のクレオだった。劇中には、実名でハリウッドスターや映画人が多く登場するが、ヒステリックな赤狩りの象徴的人物で、人気ゴシップ・コラムニストのヘッダ・ホッパーを、ヘレン・ミレンがさすがの演技力で怪演している。個人的には、同じ怪演ならは、B級映画専門のキング・ブラザース社のフランク・キングを演じたジョン・グッドマンが醸し出す、無骨だが映画を愛する映画屋魂にシビれた。無論、劇中に描かれるエピソードは、すべてが真実ではないだろう。だがこの映画は、異なる意見や思想を弾圧する不寛容、裏切りや密告から生じる憎悪を、もう二度と許してはいけないとのメッセージを鮮明に発している。当時のニュース映像と劇映画のドラマを巧みに組み合わせた演出も見事だ。トランボを演じるブライアン・クランストンのいぶし銀の演技の真骨頂は、ラストの慈愛に満ちたスピーチに現れている。弾圧の被害者だった怒りや自分を売った人々への憎しみではなく、赦しに満ちたトランボは、アメリカの暗部である赤狩りを客観的な目で描くこの映画にふさわしい人物像だ。大人の映画ファンにすすめたい秀作である。
【80点】
(原題「TRUMBO」)
(アメリカ/ジェイ・ローチ監督/ブライアン・クランストン、ダイアン・レイン、エル・ファニング、他)
(反骨度:★★★★☆)
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ラスト・タンゴ

「ラスト・タンゴ」オリジナル・サウンドトラック
アルゼンチンタンゴの名ダンサー、マリア・ニエベスとファン・カルロス・コペスの二人は、それぞれ14歳、17歳の頃に出会って以来、50年近くペアを組み、一緒に踊ってきた。長い時間の中で、愛し合うこともあれば、憎み合うこともあった二人だが、タンゴへの情熱だけは変わらい。世界的なタンゴダンサーとしての二人の愛憎の歴史を、本人たちへのインタビュー、過去と現在の映像、そして現役のダンサーたちによる再現ドラマ(ダンス)で描き、タンゴの魅力とタンゴに捧げた人生を浮き彫りにしていく…。

アルゼンチンタンゴを世界的に広めた伝説的なダンスペア、マリア・ニエベスとフアン・カルロス・コペスのコンビにスポットを当てたドキュメンタリー「ラスト・タンゴ」。80歳を超えてなお、踊り続ける彼らのタンゴへの愛情と情熱は、タンゴを踊るというより、タンゴを生きると表現したくなる。二人が、タンゴの魅力を世界中に広めた功績は計り知れない。1997年にコンビを解消した二人の最後の公演は、くしくも日本公演だったことは初めて知った。若い頃の愛に満ちたダンスはとても甘美。一方、技術的には円熟していてもすでに心が離れてしまっていたコンビ解消直前のダンスは、表情も殺伐としていて目さえ合わせない。マリアを選ばず、別の女性と極秘結婚したフアン。その“裏切り”に耐えたマリアにとって、ペアを組むにはあまりにも複雑な心境だっただろう。タンゴに人生を捧げ尽したと表現したくなるのは、やはり、ずっと独身で踊り続け、私情を封印してプロに徹した孤高のダンサー、マリアの方だ。顔や手には深いシワが刻まれても、80歳を超えたマリアの体形はスレンダーなままで、特に足のフォルムの美しさは目をみはる。青年時代、壮年時代とそれぞれのマリアとファンを再現ドラマ(ダンス)で演じるダンサーの踊りも見事だ。特に二人が愛し合っていた頃に見た映画「雨に唄えば」を彷彿とさせる石畳でのダンスには引きこまれる。愛と憎しみが同居するタンゴという芸術に人生そのものをみる思いがした。音楽や舞踏を描く記録映画の名手であるヴィム・ヴェンダースが制作総指揮を務めている。
【60点】
(原題「OUR LAST TANGO/UN TANGO MAS」)
(独・アルゼンチン/ヘルマン・クラル監督/マリア・ニエベス、フアン・カルロス・コペス、他)
(孤高度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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