映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ミュータント・ニンジャ・タートルズ」「君の名は。」「後妻業の女」etc.

ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影(シャドウズ)

Teenage Mutant Ninja Turtles: Out Of The Shadows [DVD] [2016] by Megan Fox
4人組のカメ忍者、レオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロの4兄弟からなるタートルズは、宿敵シュレッダーが、マッドサイエンティストのストックマン博士と、マヌケな子分ビーバップとロックステディの協力で脱獄したことを知る。TVレポーターのエイプリル、新たに仲間となったNY市警のケイシーと共に、シュレッダーの悪事を阻止しようと立ち向かうが、彼らの前に異次元から現れた新たな敵、悪の帝王クランゲの世界征服の野望も加わる。さらに固い絆で結ばれていたタートルズに、分裂の危機が訪れるが…。

カメで忍者の4人組タートルズの活躍を描いて大ヒットを記録した人気SFアクションシリーズの第2弾「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影(シャドウズ)」。タイトルにわざわざニンジャを入れてくれた親切心(?)はさておき、影(シャドウズ)というのは、彼らが人前には姿を見せず、素顔を隠してNYの街を守っているヒーローであることを意味する。リーダーで責任感が強いレオナルド、メカに強いドナテロ、熱血漢の暴れん坊ラファエロ、ムードメーカーでやんちゃなミケランジェロの4兄弟はそれぞれ個性的で、チームを組むにはバラバラすぎる性格なのだが、本作では、兄弟のヒーロー観にも温度差があり、あくまでも影に徹して戦うべきだと感がるものがいる一方で、正体を世間に公開し、普通の人のように暮らしたいと願うものもいて、このことから、4兄弟の絆に危機が訪れる。一方で、宿敵シュレッダーとの戦いや悪の帝王クランゲの野望などもからんで、物語はあきれるほど飛躍していき、最後はトンデモないことに。タートルズたちはカーアクションのみならずスカイアクションまで披露。ブラジルやNYを舞台に大暴れしてみせるサービス精神は、いかにもマイケル・ベイ印だ。原作に登場するキャラクターを登場させ、原作ファンへの気配りも忘れない。おバカな設定やベタな笑い、荒唐無稽なヒーローぶりは百も承知だが、「普通の人のような暮らし」を切望した彼らが下す決断は爽快だ。見終わって何も残らないが、そのことがかえって清々しい。
【55点】
(原題「TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES Out OF The SHADOWS」)
(アメリカ/デイヴ・グリーン監督/ミーガン・フォックス、スティーヴン・アメル、ローラ・リニー、他)
(エンタメ度:★★★★★)
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ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>|映画情報のぴあ映画生活

ケンとカズ



高校からの腐れ縁のケンとカズは、郊外の自動車修理工場で働きながら、先輩ヤクザで元締めの藤堂の下、覚醒剤の密売をしていた。ケンは恋人の早紀が妊娠したことから、子どものために人生をやり直そうと考えている。一方、カズも認知症の母親の問題を抱えている。言えない秘密を抱えた二人の溝は確実に広がっていた。ある時、カズは密売ルートを増やすため、敵対グループと手を組もうと画策。反対するケンだったが、暴走するカズはケンを離そうとせず、さらに元締めヤクザに目をつけられ、二人は次第に追いつめられていく…。

第28回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞した青春犯罪ドラマ「ケンとカズ」。激しい暴力と青春の苦みが混在する作風は、初期の北野武映画を思わせる。裏社会で覚醒剤密売に手を染める若者という、共感が難しい主人公たちだが、彼らのヒリヒリするような生き様は、緊張感にあふれていて目が離せなくなる。せりふや説明もほとんどなく、そっけない風景の中、決して幸せにはなれない若者たちがもがき続ける96分は、見ているこちらまで息苦しくなった。ケンとカズをそれぞれ演じるカトウシンスケと毎熊克哉の二人は、ほぼ無名の役者だが、アップを多用した映像にしっかり耐える面構えがいい。監督の小路紘史はこれが長編デビューの新人だそう。絶望や死と隣り合わせの希望のない日常、その中にふと紛れ込む穏やかな瞬間のまぶしさを、乾いた映像で活写してみせた。暴力、犯罪、裏切り。最底辺で生きる最低の若者たちがみせる生の息吹はこんなにも切ないのだ。意表をつきながら鮮やかな幕切れを演出したラストが心に残る。
【70点】
(原題「ケンとカズ」)
(日本/小路紘史監督/カトウシンスケ、毎熊克哉、飯島珠奈、他)
(ノワール度:★★★★★)
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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ



歴史教師アンヌは、貧困層が暮らすパリ郊外のレオン・ブルム高校に赴任する。そこは、様々な人種の生徒たちが集められた落ちこぼれクラス。生真面目だが情熱にあふれたアンヌが、歴史の楽しさ、学ぶことの大切さを教えようとしても、生徒たちは問題ばかり起こしていた。ある時、アンヌは全国歴史コンクールへの参加を生徒たちに提案する。当初彼らは“アウシュヴィッツ”という難しいテーマに反発するが、強制収容所の生存者を授業に招いたことから、彼らの意識は変わっていく…。

落ちこぼれクラスの生徒たちが情熱あふれる歴史教師と共に全国歴史コンクールを目指すヒューマン・ドラマ「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」。多民族国家フランスの教育現場を描いた作品といえば、ドキュメンタリー映画「パリ20区、僕たちのクラス」がすぐに思い浮かぶ。本作は実話がベースになっているが、あくまでも劇映画で、問題児ばかりのクラスを一人の教師が変えていく様は、フランス版の金八先生といったところだ。人種も宗教も家庭環境も違う子どもたちは、生意気で自己主張が強く、口を開けば屁理屈ばかり。どうせ自分なんか…という諦念もしみついている。ユダヤ系の子もいるのに、いきなりアウシュビッツなのか?!と最初は首をかしげたくなったが、ヨーロッパではホロコーストは絶対に忘れてはならない負の記憶だ。今までアンヌ先生に反発ばかりしていた生徒たちが、強制収容所の大量虐殺を奇跡的に逃れた生存者が語る壮絶な体験を聞くと、その日を境に変わり始める。アウシュビッツの生存者の言葉とは、それほど強いインパクトを持つメッセージなのだ。だが、日本でも原爆の記憶が薄れ、戦争体験者の高齢化が叫ばれるのと同じように、ヨーロッパでもホロコーストの記憶が薄れている現実には、考えさせられてしまう。それでも歴史の重みを知った生徒たちが「自分たちが語り継ぐ」と自覚したことは、大きな希望だ。本作は、当時18歳だったアハメッド・ドゥラメ(生徒役で出演している)が自身の体験を基に、マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール監督と脚本を共同執筆して作り上げた。受験中心の勉強とは対極にあるこんな教育は、確かに困難で、実際には、移民国家、多民族国家のフランスならではの複雑な問題もあるはず。いわゆる“いい話”にまとまっているのは単純すぎるようにも思うが、それでも生徒と教師が共に目指した“共存共栄”の実話は、小さいが忘れられない輝きを放っていた。「受け継ぐ者たちへ」という副題がそれをよく表している。
【60点】
(原題「LES HERITIERS」)
(フランス/マリー・カスティーユ・マンシヨン・シャール監督/アリアンヌ・アスカリッド、アーメド・ドラメ、ノエミ・メルラン、他)
(継承度:★★★★★)
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ニュースの真相



2004年のアメリカでは、ジョージ・W・ブッシュ大統領が再選を目指していた。米国最大のネットワーク、CBSの敏腕プロデューサーのメアリー・メイプスは、ベテランの名司会者ダン・ラザーと共に、ブッシュの軍歴詐欺疑惑のスクープを報道し、たちまち大反響を巻き起こす。だが、後に証拠は偽造されたものだと保守派のブロガーが指摘したことから、メアリーやダンら番組スタッフは、世間から猛烈なバッシングを受けることになる…。

2004年、アメリカで一大センセーションを巻き起こした、ブッシュ大統領の軍歴詐欺疑惑をめぐる「ラザーゲート事件」のスクープと、その報道の裏側を描く社会派ドラマ「ニュースの真相」。CBSの看板番組のプロデューサーだったメアリー・メイプスの自伝ベースにしているが、真相は今も闇の中だ。日本ではあまり大きく報道されなかった「ラザーゲート事件」は“21世紀最大のメディア不祥事”と言われた実在の事件。実際、アメリカではこの報道は捏造ということで定着しているらしく、映画化は、いまさら感満載だそうだ。だが、メイプスサイドにたって描いた本作を見ると、大手メディアと政権の結託や利益至上主義のテレビ報道の実態が浮かび上がってくる。隠ぺいされた不祥事を暴くというと、オスカーを取った「スポットライト」が思い浮かぶが、じっくりと取材をし裏をとる時間が許された新聞と違い、本作のTV番組は、常に時間に追われ、大切な部分はCM放送のために容赦なくカット。あげくのはてに証拠の捏造ばかりが話題になって、肝心のブッシュの軍歴詐欺疑惑の話はいつのまにかうやむやになってしまうという皮肉な展開だ。ハリウッド屈指の名女優ケイト・ブランシェットがメアリーを熱演するが、ダン役のロバート・レッドフォード(あぁ、こんなに老けて…)もいい味を出している。メアリーが事件を追う背景には、家族の問題があったり、共倒れに近いダンは戦友のようでありながら、擬似父娘的な関係。社会派映画ながら、家族ドラマとしての味わいも加味されている。アメリカのジャーナリズムの苦い失敗を描いた映画だが、ラストに一筋の希望の光がみえたのが救いだった。
【65点】
(原題「TRUTH」)
(米・豪/ジェームズ・ヴァンダービルト監督/ケイト・ブランシェット、ロバート・レッドフォード、エリザベス・モス、他)
(苦み度:★★★★☆)
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ダーティー・コップ



ラスベガス。中年のストーンと若手のウォーターズの、うだつのあがらない2人の警官は、押収物の横流しで小金を稼いでいた。ある時、ストーンはドラッグの売人が多額の保釈金で即時釈放されていることに気付く。不審に思って出所を探ると、マフィアの隠し金庫の存在にたどり着く。ストーンはしぶるウォーターズを説き伏せ、大金強奪の計画を立てる。ドイツから工具を取り寄せ厳重な金庫を大胆な方法で破る奇策は、誰も殺さず、誰にも知られない金庫破りの計画のはずだった。しかし計画にのめりこむストーンは次第に狂気じみていく…。

汚職警官の大金強奪計画の顛末をえがく犯罪ドラマ「ダーティー・コップ」。ケチな小金稼ぎにせいを出す冴えない警官たちの金庫破りの計画は、最初から中年警官ストーンが主導権を握り、若手のウォーターズは、いつしか巻き込まれて手を引けなくなるという構図である。オスカーを取って以来、どうも作品選びに疑問符がつくニコラス・ケイジだが、本作でも薄気味悪いまでの怪演で、イッてしまっている汚職警官を熱演。そんなケイジと、最初から計画に乗り気でない相棒役イライジャ・ウッドの、不安とあきらめが混じり合う表情の対比がいい。友人で相棒、上司と部下でもある関係のこの二人、いつどこでどんな風に壊れてしまうのかと、金庫破りよりよほどそちらの方がハラハラしてしまった。警察腐敗は何度も映画になっている手垢のついたネタなのだが、二人の運命と金庫の中身、その後の展開には、唐突で意外な結末が待っていて、悪事の成れの果ての皮肉が効いている。名前さえ与えられない女性キャラが実は事件の鍵を握るのだが、演じているのは人気歌手のスカイ・フェレイラ。監督のベンジャミンとアレックスのブリューワー兄弟は、MTVなどで実績を積み、本作が長編映画デビューだそう。物語は典型的なB級犯罪ものながら、どこかPVのようなスタイリッシュな映像が記憶に残った。
【55点】
(原題「THE TRUST」)
(アメリカ/ベンジャミン・ブリューワー、アレックス・ブリューワー監督/ニコラス・ケイジ、イライジャ・ウッド、スカイ・フェレイラ、他)
(狂気度:★★★☆☆)
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健さん



2014年に他界した、日本が誇る名優・高倉健。生前は限られたインタビューしか受けなかったため、その素顔はほとんど知られていない。本作では、日本だけでなく海外でも活躍した高倉健とゆかりの人物の証言、身近な人々の言葉、家族が語る秘話を紹介。さらに貴重な映像を通して、日本映画界の希代のスター、高倉健の人生哲学と映画美学を明らかにしていく…。

ドキュメンタリー映画「健さん」の案内人は、中国映画「単騎、千里を走る。」で高倉健を案内したチューリンだ。日本、そして海外の俳優、監督たちの証言が数多く登場する。「ブラックレイン」で共演したマイケル・ダグラスは最初はまったく知らなかった健さんの強いプロ意識や演技に感激し、マーティン・スコセッシやジョン・ウーなどの監督たちもまた健さんと彼の映画に敬意を抱いている。中国では「君よ憤怒の河を渉れ」の大ヒットぶりから健さんの人気は知っていたが、韓国の俳優もまた健さんをリスペクトしていたとは。高倉健という俳優は、アジア映画の顔でもあったのだ。だがCMで有名な「不器用な男」とは少し違う、人間性も見えてくるのが面白い。実妹が語る家族しか知りえない秘話や、かつて結婚していた江利チエミとの甘い私生活などからは、まるで少年のような健さんが目に浮かんでくる。最大の見所は、40年以上、健さんの付き人を務めた西村泰治さんが語るエピソードの数々だ。ほとんどが本作で初めて知ることばかりで、大スターの健さんがいかに温かい人柄だったかがにじんで魅力を感じる。高倉健、本名、小田剛一。改めてその存在感の大きさを感じてしまう。高倉健の軌跡をたどることは、1960年代からの日本映画と日本の近代史をたどる旅路なのだ。60年代プログラム・ピクチャーの時代の映画愛、70年代の政治の季節だからこそ際立つ“古風なタイプ”の任侠精神。「漠然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい」。この言葉が胸に残る。
【70点】
(原題「健さん」)
(日本/日比遊一監督/高倉健、マイケル・ダグラス、ジョン・ウー、他)
(男気度:★★★★☆)
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青空エール

青空エール映画化スペシャル (SHUEISHA Girls Remix)
吹奏楽部に憧れていた小野つばさは、名門・白翔高校に入学する。しかしトランペット初心者のつばさは吹奏楽部のレベルの高い練習についていけなかった。内気な性格で、何度もくじけそうになるつばさを勇気づけたのは野球部の山田大介。二人は互いに励まし合い、甲子園を目標に頑張ろうと約束をかわす。1年生の夏、野球部が地区予選で敗れ、立ち尽くす大介を見たつばさは、思わず大介のためにスタンドでトランぺットを吹き、謹慎処分を受けてしまう。つばさは、いつしか大介への恋心を募らせていたのだが…。

河原和音による人気コミックを映画化した「青空エール」は、吹奏楽部所属の女子高生と野球部の男子高生が互いに励まし合い惹かれあいながら甲子園を目指す姿を描く青春映画だ。一緒に甲子園を目指す…という設定では「タッチ」がすぐに思い浮かぶが、野球とブラスバンドという距離感を持った連帯感は本作独特のものである。主役を務める土屋太鳳、竹内涼真の二人の演技は、正直、硬さが目立ってぎこちないのだが、その分、“一生懸命”が際立った。吹奏楽部と野球部、それぞれの物語を描くので、どうしても話が長くなってしまうのは難点。だが吹奏楽部の目指す場所は、コンクールよりもむしろスタンドでの応援で、誰かを勇気づけるということを主眼に置いているのがいい。監督の三木孝浩は「僕等がいた」「アオハライド」など、青春恋愛映画を得意とするため、10代の高校生たちの不安や希望を、少しにじんだような明るい色彩と、抜けるような青空の対比で的確に演出。気恥ずかしいほどストレートな青春映画に仕上がっている。挫折しながらも夢を目指すそれぞれの青春と、互いを思いやる“両片思い”の恋が、まぶしいほどひたむきだ。
【60点】
(原題「青空エール」)
(日本/三木孝浩監督/土屋太鳳、竹内涼真、葉山奨之、他)
(ひたむき度:★★★★★)

ゴーストバスターズ

Ost: Ghostbusters
コロンビア大学の素粒子物理学博士のエリンは、過去に発表した幽霊研究本のせいで大学をクビになる。本の共同執筆者で科学者の旧友アビーを訪ねると、なぜか一緒に幽霊退治をするハメに。やがて二人は、武器の専門家で工学者のジリアン、NYの街を知り尽くすパティとともに、幽霊退治を行う会社・ゴーストバスターズを起業し、NYに現れたゴーストの退治を始める。だが、何者かの陰謀によってNYの地下に潜んでいたゴーストたちが大量に現れ、NYのみならず世界は絶体絶命の危機にさらされる…。

80年代に一世を風靡した大人気コメディーのリブート版「ゴーストバスターズ」。幽霊退治を行うゴーストバスターズの活躍という大筋は同じだが、メンバーを女性に変更したのが最大の見所だ。実はこの映画、主人公たちを女性にしたという理由で、オリジナルの熱狂的ファンから大ブーイングを受けていたのだが、蓋を開けてみると、フツーに、正しく、面白い。そもそも女性にしたというだけで文句を言う方が的外れというものだ。演じている役者も実力あるコメディー俳優で、オリジナルへのリスペクトもちゃんとある。さらには仲たがいしていた親友同士が友情を取り戻すというテッパンのストーリーで構成された、危なげない作りの作品なのだ。21世紀のリブートだからといって、過剰にハイテクには走っておらず、あのマーク、あの音楽、あのファッションで、りりしく幽霊退治を行うのが痛快。これならば旧作ファンも、今回初めてゴーストバスターズに触れるファンも一緒に楽しめるだろう。意外な掘り出し物は、オタク系の武器発明家ジリアンを演じるケイト・マッキノンのぶっ飛んだ演技だ。さらにはイケメンだが頭がヨワイ観賞用男子に扮したクリス・ヘムズワースのおバカっぷりもいい。リケジョ(理系女子)の痛快な活躍と、ワクワクするガジェット、あくまでもライト感覚のストーリーと、夏にぴったりの娯楽作に仕上がっている。エンドロールの映像、その後のワンシーンも楽しいので、最後まで席を立たずに見てほしい。
【70点】
(原題「GHOSTBUSTERS」)
(アメリカ/ポール・フェイグ監督/クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、他)
(女子力度:★★★★★)
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ストリート・オーケストラ



バイオリニストのラエルチは、オーケストラの選考に落ちてしまい、生活に困窮したため不本意ながらスラム街の学校で音楽教師を始める。しかし教室は屋根もなく、生徒は、意欲的なサムエル以外は、皆、やる気もなく問題児ばかりだった。それでも、ラエルチが、楽譜の読み方などの基礎を根気よく教えると、生徒たちは音楽の楽しさを実感するようになり、めきめきと腕を上げる。やがてラエルチと生徒たちの間に信頼関係が生まれるが、校長から次の演奏会で最高のパフォーマンスをしなければ学校の存続は難しいと告げられる…。

挫折したバイオリニストと劣悪な環境で暮らす子供たちが音楽を通じて心を通わせる、実話をもとにしたブラジル映画「ストリート・オーケストラ」。バイオリンを通じて教師と生徒が交流する実話といえば「ミュージック・オブ・ハート」がすぐに思い浮かぶが、本作の舞台は、世界でも指折りの治安の悪さを誇るブラジルのスラム地区だ。音楽への情熱よりも生きることに必死な状況は、きれいごとだけでは乗り切れない。劣悪な教育環境、先が見えない貧困、蔓延する犯罪。しかもこの映画は、実際にスラムでロケ撮影を行っているというから、映像からは危険な真実味がにじんでいる。こんな環境でバイオリンなんてやってる余裕があるのだろうか?と本気で心配してしまうが、ラエルチ先生の見事なバイオリン演奏が襲ってきたギャングを黙らせたり、ギャングの恐ろしさを知る生徒たちがそのことを知って音楽の力を実感したり…と、犯罪と音楽が荒々しく同居している様子には、ブラジルという国の懐の深さを感じてしまうのだ。才能あふれるサムエルと、実はサムエルに勝るとも劣らぬ才能を持つ問題児のVRが、スラムを見下ろしながら演奏するシーンは、心に残る。だが、演奏会を目指して頑張るラエルチと生徒たちには、思いがけない運命が。悲劇を乗り越えての演奏会は感動的だ。映画は、エリオポリスという巨大なファヴェーラ(スラム)で生まれた交響楽団の誕生物語をモデルにしたという。物語の細部は甘く、生徒たちが抱える問題の行く末もはっきりとは描かれないなど、ストーリーは少々“雑”。それでも、クラシックだけでなく、ブラジルのポップスやラップ、サンバなど、ジャンルを飛び越えた音楽の共存が、本作のリアルな魅力となって伝わってきた。
【60点】
(原題「THE VIOLIN TEACHER/TUDO QUE APRENDEMOS JUNTOS」)
(ブラジル/セルジオ・マシャード監督/ラザロ・ハーモス、カイケ・ジェズース、エウジオ・ヴィエイラ、他)
(希望度:★★★★☆)
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栄光のランナー/1936ベルリン



アメリカの貧しい家庭に生まれ育った黒人青年ジェシー・オーエンスは、陸上選手として類まれな才能を発揮してオハイオ州立大学に進学する。そこで出会ったコーチのスナイダーと共に、オリンピックを目指してトレーニングに励むジェシーだった。アメリカ国内での人種差別に耐えながらも、妻ルースの支えもあり、ついに1936年のベルリンオリンピックの代表選手に選ばれる。だが当時のアメリカはナチスへの反発から五輪参加ボイコットの動きが高まっていた。さらに黒人であるジェシーには、人種差別政策を進めるナチス政権下のオリンピックに参加することへの疑問や不安もあった…。

1936年のベルリンオリンピックで、4個の金メダル獲得という偉業を成し遂げたアメリカの陸上選手ジェシー・オーウェンスの知られざる実話を映画化した「栄光のランナー/1936ベルリン」。オリンピックにはさまざまな逸話があるが、ナチス政権下のベルリン五輪で、アーリア人種の優位性を唱えたヒトラーを怒らせ、人種を超えてヒーローになったアスリートの実話はひときわ輝いている。だが差別が横行していた時代、敵はナチスの蛮行だけではなく、母国アメリカで受けた人種差別もまた、耐え難いものだった。それを乗り越えての栄光の軌跡は、文字通り、波乱万丈である。ジェシーを支えたのは3人の人物。白人ながらジェシーの才能を評価し、精神面でも経済面でもジェシーをサポートしたコーチのラリー・スナイダー。献身的に夫を支えた妻のルース。それから映画では後半に登場し、初めてのオリンピックにとまどうジェシーを助け、後にジェシーと友情を育んだドイツ人ライバル選手のルッツ・ロングだ。映画なのですべてが真実とは思わないが、卑劣な人種差別の時代の中でも黒人のジェシーを支えた人物がいたことは希望と言っていい。栄光を手に帰国したジェシーを待つのは、相変わらずの差別意識だったことの苦みが、黒人の地位が向上する道のりの険しさを物語っていた。私はジェシー・オーエンスの半生をこの作品で初めて知った。リオデジャネイロ・オリンピックでどんなドラマが生まれるのかは分からないが、決して綺麗ごとだけではない五輪の歴史の中で戦ったオーエンスのような人物の不屈の精神が、現在のオリンピックの礎なのだと思う。
【65点】
(原題「RACE」)
(米・独・カナダ/スティーヴン・ホプキンス監督/ステファン・ジェームズ、ジェイソン・サダイキス、ジェレミー・アイアンズ、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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