映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ワイルド・スピード ICEBREAKE」「無限の住人」「帝一の国」etc.

バーフバリ 伝説誕生

Baahubali (Malayalam) DVD by Rana, Ramya Krishnan, Kichaa Sudeep, Sathyaraj Prabhas
無数の兵士から滝へと追い詰められた老女が自分の命とひきかえに守った赤ん坊は、滝の下に住む村人に救われる。シヴドゥと名付けられ、たくましい青年に成長した彼は、外の世界に憧れ、巨大な滝を上るが、そこで運命的に出会った美貌の女戦士アヴァンティカに恋をする。彼女の一族が暴君バラーラデーヴァが君臨する王国と戦い続けていることを知ったシヴドゥは、戦士となって王国に乗り込むが、そこには王国に25年もの間囚われている実の母がいた。そして自分こそがこの国の王子バーフバリであることを知る…。

インドの伝説の戦士バーフバリの活躍を描くスペクタクル・アクション「バーフバリ 伝説誕生」。インド映画の興収記録を塗り替えたという評判のエンタテインメントは、ハエを主人公にした快作「マッキー」のS・S・ラージャマウリ監督によるアクション大作だ。数奇な運命に導かれた孤児が、実は自分は王子だと知り、蛮族に略奪された王国を取り戻すため、戦いに身を投じるというのが大筋。堂々のR15指定作品なので、首や腕が飛び、血しぶきが舞うなど、戦闘シーンはかなり激しい。セピア色のトーンの画面は、旧約聖書のモーゼを描いた「エクソダス:神と王」や、ギリシャ神話を題材にした「インモータルズ」を思い起こさせるものだ。神話的世界観の英雄伝説を描くのに、CGやスローモーションを多用して、迫力と荘厳さを演出している。だが、そこはやはりインド映画。突如、極彩色の画面に切り替わり、歌とダンスが挿入されたり、コミカルなシーンがひょっこり現れるなど、インド映画らしさをきっちりと踏襲しているのが嬉しい。主人公が一人二役を演じるのもお約束だ。バーフバリは、ヒーローとして覚醒したら、勧善懲悪に向かって迷いなしのフルスロットル。ハリウッドのアメコミ・ヒーローのように、うじうじ悩んだりしないのが潔い。そしてもちろん美女とのロマンスも。ヒロイン役のタマンナーは“ミルク・ビューティー”と呼ばれる人気女優で、ナチュラルな美貌が売りの美女だ。天女が舞い踊るシーンは、まるで夢のような異世界へと誘ってくれる。それにしてもこの波乱万丈、荒唐無稽な物語が“たったの2時間18分”とは、インド映画も随分と洗練されたものだ。昔だったらゆうに4時間はかかるシロモノである。ちなみに本作は本国インドでの大ヒットをうけて続編も待機中(ただし、現時点では続編の日本公開は未定)。英雄伝説は止まらない。
【60点】
(原題「BAAHUBALI: THE BEGINNING」)
(インド/S・S・ラージャマウリ監督/プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、タマンナー、他)
(スケール度:★★★★☆)
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パナヒ監督の挑戦は続く

ひとりごとイランの名匠ジャファル・パナヒ監督による快作「人生タクシー」が公開中です。2015年のベルリン映画祭で審査員長のダーレン・アロノフスキー監督は「この作品は映画へのラブレターだ」と絶賛しています。内容の面白さもさることながら、ジャファル・パナヒ監督が、イラン政府から20年間の映画製作禁止を命じられながら、その映画愛と反骨精神で映画を作り続けている事実にビックリします。

反体制的な創作活動(政府を批判する内容の作風、大統領選挙で改革派を支持etc.)が原因で、政府から「20年間映画を作ってはならない」との命令を受けたパナヒ監督は、最初は自宅軟禁状態だったようです。ここで普通は映画作りをあきらめるところですが、パナヒ監督は違いました。2011年の「これは映画ではない」(←このタイトルが最高!)は、自宅に軟禁された自分自身を素材にしたドキュメンタリー。そしてこの映画の映像の入ったUSBメモリーを、お菓子の箱に隠してカンヌ映画祭に応募したというからスゴイです。このエピソードの真偽は不明なのですが(監督だけが真実を知っている!)、これこそ映画にしてほしいと思ってしまいます。

その後も、あの手この手で“映画じゃないからいいでしょ?”と言わんばかりに、作品を作り続けているのですから、もうあきれるやら、可笑しいやら、尊敬するやら。いや、ホントにそのひらめきに頭が下がります。

創意工夫とユーモアに満ち溢れた良作「人生タクシー」を見ていると、才能がある映画人に限って言えば、ある種の規制があると、それがいい方向に作用する場合が確かにあると感じます。何が幸いするかわからないアート製作って、ほんとに“ナマモノ”なんだなぁ…とも思ったり。

それはさておき、映画は、なかなか見ることができないイラン社会の一般市民の日常生活が垣間見えて、実に興味深いです。タクシーの止め方とか、相乗りもフツーにOKとか、強気でしたたかなの乗客との会話とか、ほんとに見ていて飽きません。分かりやすくて派手なハリウッド大作もいいけれど、時にはこんなユニークな映画にも触れてほしい。難しい政治的メッセージはありません、表面的には(笑)。穏やかでコミカルで楽しい「人生タクシー」は、ベルリン国際映画祭の最高賞である金熊賞を受賞しています。映画を撮るのがダメなら、映画じゃないのように撮る。「そして人生は続く」ように、そして映画も続くのです。


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人生タクシー



イランの首都テヘラン。ジャファル・パナヒ監督が運転する1台のタクシーに、さまざまな乗客が乗り込んでくる。死刑制度について議論する女性教師と路上強盗、海賊版DVDを売って一儲けを企むビデオ業者、ある女性は夫が交通事故に遭ったと泣き叫び、金魚鉢を抱えた老女2人は何やら急いでいる。さらに、映画の題材に悩む小学生の姪っ子まで。個性豊かなな乗客たちが繰り広げる人生模様から、知られざるイラン社会の“今”が見えてくる…。

ジャファル・パナヒ監督がタクシー運転手に扮してテヘランに住む人々の人生模様を切り取る異色のドキュメンタリー風ドラマ「人生タクシー」。アッバス・キアロスタミ監督の愛弟子のジャファル・パナヒ監督は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界三大映画祭を制覇したイランの名匠だ。だがパナヒは、2010年に、反体制的活動を理由に“20年の映画製作禁止令”を言い渡されている。つまり母国イランで映画を作っちゃダメ!と法的に言われてしまっているのだ。もちろん勝手に出国するのも禁止である。だがパナヒはそんな圧力には屈しない。自らタクシーを運転し、ダッシュボードに置かれた監視カメラで撮影した映像を通して、厳しい情報統制下にあるイラン社会を映し出した本作には、ドキュメンタリー風でありながら、かなり綿密な演出が感じられる。タクシーには、さまざまな境遇の人々が乗り込んでくるが、その会話はどれも軽やかでユーモラス、同時に鋭く深いもので、飽きさせない。特に監督の実の姪で、小学生の少女が“国内で上映可能な映画”を撮ろうと頭を悩ませるエピソードは秀逸だ。少女らしい無邪気さと大人顔負けの聡明さを併せ持つこのタフな少女が、カメラに映るものの裏と表をしっかりと体現し、汚い現実を覆い隠してしまうイラン映画の情報統制を鮮やかに皮肉ってみせる。それにしてもタクシーというのは実に映画的なモチーフだ。「ナイト・オン・ザ・プラネット」では社会の縮図を、「タクシードライバー」では都会の孤独を、「月はどっちに出ている」では方向音痴のタクシードライバーの恋模様を描いた。一定の空間(狭い車内)に現れては消えていく乗客と常にそこにいる運転手という構図は、人生そのもののように感じてしまう。一時期、自宅に軟禁されていたパナヒの日常の詳細は分からないが、映画製作禁止令をものともせず、理不尽な圧力への怒りを映画愛に昇華し、驚くべき方法で秀作映画を作っては届けてくれる。監督にはただ一言、“ありがとう”と言いたい。
【75点】
(原題「TAXI」)
(イラン/ジャファル・パナヒ監督/ジャファル・パナヒ、他)
(風刺度:★★★★★)
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ターシャ・テューダー 静かな水の物語

ターシャ・テューダー 静かな水の物語 オリジナルサウンドトラック
2008年に92歳で亡くなったアメリカの絵本作家ターシャ・テューダーは、4人の子供を育てあげた後、50代で念願の一人暮らしを始める。山奥に建てた18世紀風のコテージでの生活は、現代に生きる多くの人々を魅了した。生前のターシャ本人の映像やインタビューをはじめ、息子のセス・テューダーらも登場し、ターシャの愛したシンプルライフを語っていく…。

絵本作家ターシャ・テューダーの生誕100年を記念し、自然に寄り添うシンプルライフを営んだ彼女の生き方に迫るドキュメンタリー「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」。日本でもファンが多いターシャは、絵本作家、人形作家、料理家、園芸家、アンティーク収集家と、多才な人として知られるが、そのライフスタイルから“スローライフの母”と呼ばれた女性だ。バーモント州の自然豊かな山奥のコテージに建てた18世紀風の家で、大好きなものに囲まれて暮らしたターシャだが、その人生はなかなか波乱万丈である。ボストンの裕福な名家に生まれたが、両親は離婚。華やかな社交界よりも農業に興味があり、同じく農業に関心があった夫トマスと結婚するが、いつしか農業に興味を失った夫とは後に離婚する。絵本作家を志した当初は、NYの出版社を必死に回ってもなかなかチャンスに恵まれないが、ターシャはあきらめなかった。劇中、夫は優しい人だったけど生活力がなかったとの言葉があるように、経済的にも一家を支えていたのはターシャだったのだ。俗世間から離れた癒しのスローライフを手に入れるまでは、努力と忍耐で、懸命に世俗を生き抜いたきたのだと分かる。それにしても彼女の暮らしぶりは、ユニークだ。ターシャには、電気やガス、テクノロジーに頼らない19世紀の農村の暮らしこそ理想という揺るぎない信念があって、頑なにそれを貫いている。衣食住はもちろん、ロウソクから手作りするその暮らしは、自分にとって最適な、ゆっくりとしたペースを保つことこそが人生を豊かにする秘訣だと教えてくれる。そしてユーモアや好奇心を失わないことの大切さも。コーギー犬を相棒にした静かな一人暮らし、ガーデニング、絵本の創作活動などを続けたターシャの美意識が隅々まで感じられ、松谷光絵監督との信頼関係がうかがえる作品に仕上がった。劇中に挿入されるアニメーションも味があってとてもいい。
【60点】
(原題「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」)
(日本/松谷光絵監督/ターシャ・テューダー、セス・テューダー、ウィンズロー・テューダー、他)
(スローライフのススメ度:★★★★★)
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ReLIFE リライフ

ReLIFEオフィシャル・フォトブック
27歳の海崎新太は、就職した会社を退職して以来、ニート生活を送っている。ある事件をきっかけに人と関わることに臆病になってしまった彼は、ある日、リライフ研究所の夜明了と出会い、1年限定で研究所が行う社会復帰実験の被験者になることに。外見だけを若返らせて1年間高校生活を送るというその実験で、再び高校生活を送る新太は、最初はとまどうが、仲間と出会い少しずつ変化していった。やがて成績優秀だがコミュニケーションが苦手な千鶴に惹かれていく。だが、実際には自分は彼女より10歳も年上、実験が終わる1年後には関わった人々の記憶から消えてしまうため、思いを伝えらずに葛藤する…。

ニートの青年が2度目の高校生活を送る青春ファンタジー「ReLIFE リライフ」。原作は、スマホ・アプリで読めるマンガ・ノベルサービスで大人気の夜宵草の人気コミックだ。27歳でニートという負け組の青年が突如容姿だけ若返り、高校生活を送る…という展開は「セブンティーン・アゲイン」を思い出す。本作で、主人公を奇妙な実験に誘うリライフ研究所の目的は、生きる意欲を失った人間を社会復帰させること。もともと新太は、面倒見のいい明るい性格だったのだが、就職先でのいびつな人間関係を味わって、他者と関わることに怯えてしまうようになった。青春学園ものなので、夏祭りや学園祭、旅行や卒業式などの1年の行事に沿って物語が進んでいくが、恋や友情の素晴らしさを再体験した新太が、ひたむきに“今”を生きる若者たちに感化され、変わっていくという展開は予想通りで驚きはないし、27歳から17歳ではわずか10年しか差がないので、メリハリも希薄だ。一種のタイムリープものだが、自分の過去に戻るわけではなく、現在関わっている人間と出会うわけでもない(リライフ研究所の夜明はお目付け役なので例外)、まったく新しい環境に身を置くという設定では、なぜ今の自分がどん底の人生を送ることになったのかを学べるのだろうか??と首をかしげてしまう。それでも「頑張ることをあきらめない」を思い出すストーリーは、悪くないし、ラストを映画オリジナルにしたのは工夫が感じられる。売れっ子の中川大志をはじめ、高校生を演じるのが自然な年齢の若手俳優が勢ぞろいしているのが見所だが、中でもちょっと風変わりな女子高生を演じる平祐奈が、いい味を出していた。
【55点】
(原題「ReLIFE リライフ」)
(日本/古澤健監督/中川大志、平祐奈、高杉真宙、他)
(前向き度:★★★★☆)
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試写室だより 4月上旬

試写室だより昨日、4月14日、熊本で発生した地震から1年を迎えました。落ち着きを取り戻した地区や観光客が戻ってきている地域がある一方で、仮設住宅や道路整備など、復興への道がまだ遠い場所も。1日も早い復興を願うと同時に、亡くなった方々のご冥福を改めて祈ります。

最近見た主な映画は以下。

「スプリット」「ローガン」「パーソナル・ショッパー」「残像」
「ピーチガール」「家族はつらいよ2」「美しい星」「TAP」「花戦さ」などなど。

ランキング(興行成績)ですが、いや〜「SING/シング」、めっぽう強いですね〜。確かに楽しくて出来がいい映画だけど、4週連続1位とは w(゚o゚)w 私も、もう一度見たいので劇場に足を運ぼうかしらん…。あ、でも4/15はやっぱり「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」(劇場版第21作)が一番賑わいそう♪


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グレートウォール

Great Wall
世界中を旅する傭兵ウィリアムは、仲間と共に火薬を求めてシルクロードへと赴く。砂漠地帯で馬賊の襲撃をかわして身を潜めていた彼らは、謎の獣に襲われる。多くの仲間を失いながら馬で駆け抜けた彼らの前に巨大な城壁“万里の長城”が現れた。長城防衛の命を受ける禁軍に降伏したウィリアムと相棒のトバールは、戦略を司る軍師ワン、女性司令官リン隊長らから、ウィリアムを襲った獣の正体は2000年前から60年に一度現れ、幾度となく中国を襲ってきた伝説の怪物、饕餮(とうてつ)であり、万里の長城はその獣を防ぐために築かれたことを知らされる…。

遠い昔の中国を舞台に万里の長城に秘められた伝説に迫るファンタジー・アクション「グレートウォール」。人類史上、最大の建造物・万里の長城には数々の謎や伝説がある。本作はその伝説のひとつを壮大なスケールで映像化した中国と米・ハリウッドの合作映画である。超大作の割には、アメリカでの興収はさんざんで、先のアカデミー賞でも司会者が友人のマット・デイモンをこの映画のことでいじり倒していたのが記憶に新しい。それはさておき、荒唐無稽なファンタジーだと割り切ってみると、意外にも楽しめる。金や名声のために働いてきたウィリアムが、自己犠牲の精神で命がけで戦う禁軍の戦士たちの影響で正義に目覚める…というストーリーはありがちで、ドラマとしての深みはほとんど感じられない。だがそれを補うのは、ビジュアルの美しさと迫力だ。長城を守る精鋭部隊は、役割毎に、色分けされ、石弓、空中戦などアクロバティックな戦いを繰り広げる。中でもバンジージャンプのような動きで獣と闘う美女軍団のアクションには目を見張った。そしてそこには西欧社会が渇望する最先端の武器である火薬もあって、圧倒的な破壊力を見せつけるという派手な見せ場も用意されている。知将の軍師ワン、女司令官リンら、際立つ登場人物もいるが、全体的には、個は埋没し、獣も人間も集団としてのイメージしか残らない。すべての人民が犠牲的精神で国家につくすという中国らしい考え方の是非は別問題として、伝説という名前の自由奔放なイマジネーションが爆発するスペクタクル巨編に仕上がった。名匠チャン・イーモウのハリウッド進出作だが、今後、彼はこの路線なのだろうか?? 道を踏み外してほしくない…と心配しつつ見守りたい。
【60点】
(原題「THE GREAT WALL」)
(中国・米/チャン・イーモウ監督/マット・デイモン、ペドロ・パスカル、ウィレム・デフォー、他)
(荒唐無稽度:★★★★★)
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ブルーハーツが聴こえる



恋人の浮気を知って葛藤する女性を描く「ハンマー(48億のブルース)」。宇宙で護送船での危機に遭遇する囚人たちを描く「人にやさしく」。亡くなった少女を救うためタイムリープを繰り返す男が主人公の「ラブレター」。鍵っ子の少年の心情を描く「少年の詩」。最愛の女性を失くした男の物語「ジョウネツノバラ」。福島の元原発作業員の心の揺れを描く「1001のバイオリン」。

1995年に解散した伝説のバンド、THE BLUE HEARTS 結成30周年を記念したオムニバスドラマ「ブルーハーツが聴こえる」。6話はそれぞれ別の監督によるもので、音楽、歌詞とリンクしながら、異なる趣の物語が紡がれる。分かりやすいもの、ぶっ飛んだもの、実験的な作品…と、好き嫌いも含めて、それぞれに異なる感想を持つと思うが、改めて感じるのは「リンダリンダ」や「TRAIN-TRAIN」などの名曲を生んだ THE BLUE HEARTS の音楽が、今も色あせないという事実だ。リアルタイムのファンはもちろん、THE BLUE HEARTSのことを知らない世代にも、彼らのメロディーは心に響くだろう。「ハンマー(48億のブルース)」はテンポもよく、切ないユーモアがあって楽しめる作品に仕上がった。SFが多いのは少し意外な気も。そんな中「1001のバイオリン」は、元福島原発の作業員が、新しい環境になじめず苦悩する姿を描き、今も続く東日本大震災の被害者の心の問題を切り取っている。前に進むことが必要と分かっていても、そうできない者がいることを責めることはできない。探していた愛犬の鳴き声が遠くに聞こえ、どんな場所にいようとも生きていかねばならないのだとの思いが伝わり、切ない余韻を残していた。監督、キャストともに、豪華なメンバーが揃っている本作。6話オムニバスというのは、正直、難しいスタイルだったと思うが、音楽と映像のコラボレーションという意味で、興味深い作品となっている。
【60点】
(原題「ブルーハーツが聴こえる」)
(日本/飯塚健,下山天,井口昇,清水崇,工藤伸一,李相日監督/尾野真千子、市原隼人、豊川悦司、他)
(豪華キャスト度:★★★★☆)
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午後8時の訪問者

ベルギーの小都市。小さな診療所で熱心に働く若い女医ジェニーは、ある日、診療時間を過ぎた午後8時に鳴ったベルに応じなかった。翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が発見される。診療所の監視カメラに写っていたその少女は、助けを求めていた。少女は誰なのか。なぜ死んだのか。あの時、ドアを開けていれば…と罪の意識にかられたジェニーは、少女のことを調べ始めるが、死の謎を探るうちに、意外な真実が浮かび上がってくる…。

時間外に診療所に来た少女の助けに応じなかったことで彼女の死に責任を感じる女医の葛藤を描くヒューマン・サスペンス「午後8時の訪問者」。カンヌ映画祭の常連であるダルデンヌ兄弟監督は、しばしば社会の底辺で生きる人々が抱える、貧困、差別、犯罪、移民問題などを題材にしてきた。それらの矛盾した実態を淡々と描くことで、社会問題が浮かび上がるのが作風の特徴だが、決して政治的なメッセージを声高に叫ぶことない。本作でもしかり。亡くなった少女の死に責任を感じるヒロインのジェニーは、自分がドアを開けて応じていれば、彼女の命を救えたかもしれないと考える。それは医者という職業柄もあるが、何よりもジェニーが誠実な人物だからだ。アフリカ系のその少女は不法滞在の娼婦で、いわば誰からも顧みられない存在だ。だが、ジェニーは、せめて彼女の名前を調べて故郷の家族に連絡したいと願って事件を調べ、時に危険な領域にまで入り込んでいく。なぜ少女は殺されたのか、犯人は誰か、という謎解きのスタイルで進んでいくことで、本作は今までの作品に比べてぐっと娯楽性が高まっていて飽きさせない。ジェニーの患者である少年ブライアンの嘘や、彼の両親の思惑、娼婦だった少女の背後にある闇組織などの存在が明らかになり、事件は意外な結末へ。償いの旅をするジェニー自身にも、医者として、人間として、心の変化が訪れるストーリーが秀逸だ。ヒロインを演じる仏の人気女優アデル・エネルの、繊細で寂しげな、それでいて強い意志を感じる表情が忘れがたい。
【75点】
(原題「LA FILLE INCONNUE/THE UNKNOWN GIRL」)
(ベルギー、フランス/ジャン=ピエール、リュック・ダルデンヌ兄弟監督/アデル・エネル、オリヴィエ・ボノー、ジェレミー・レニエ、他)
(ミステリアス度:★★★★☆)
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「T2」前に「トレインスポッティング」で予習を!

ひとりごと「T2 トレインスポッティング」が公開されるに当たり、久しぶりに「トレインスポッティング」を再見しました。
ウン、やっぱり面白い!

「トレインスポッティング」は、1996年製作のイギリス映画。スタイリッシュな映像と音楽で90年代を代表する青春映画のヒット作となりました。

トレインスポッティング [Blu-ray]
ユアン・マクレガー
角川書店
2011-11-25




それにしても、ユアン・マクレガーが若い!まさかこのジャンキーを演じたスキンヘッドの若者が、ハリウッド超大作「スター・ウォーズ」でオビ・ワン・ケノービを演じることになろうとは、夢にも思いませんでした。マクレガーは、イギリスでもハリウッドでもコンスタントに映画出演し、今や演技派として英国を代表する俳優です(ちなみに、もうすぐ公開の「美女と野獣」にも出演してます)。

そして今やオスカー監督のダニー・ボイル監督の感性の豊かさと鋭さに、改めて敬服です。90年代という、何だか輪郭がはっきりしない(?)時代の空気を、こんなにもポップに切り取った作品はなかなかお目にかかれません。オレンジ色を印象的に使ったメインポスターもおしゃれでした。映画関係だけでなく、女性誌も含めた雑誌で特集が沢山組まれ、サントラも大ヒットしましたっけ。

トレインスポッティング
サントラ
EMIミュージック・ジャパン
1996-05-22

←イギー・ポップ、ニュー・オーダー、アンダーワールドと聴きどころ満載


物語はといえば、不況にあえぐスコットランド・エジンバラでウダウダしているジャンキーの若者たちの日常生活を描くもの。彼らは、ヘロイン中毒、アルコール中毒、喧嘩中毒…と、もうどうしようもない奴らばかりで、犯罪といっても窃盗、詐欺、万引きといった小悪党レベル。ドラッグ断ちを決意し、何とかまっとうに生きていこうとしても、仲間と状況と運命(?)がそれを許さない。ハチャメチャな彼らの日常の中には、死という悲しみや刹那的な愛があって…。そんな彼らが選ぶ未来とは? といった内容です。英国の映画というと、何らかの形で階級闘争が必ず盛り込まれていますが、本作は、決してしめっぽくも説教臭くもないところが何よりも秀逸。社会の底辺で生きる若者たちの、陽気で悲惨という矛盾だらけの青春模様と、現実と幻覚の間にあるほとばしる生命力を、疾走感あふれる映像で活写しています。

初めてみたときはただファッショナブルな青春映画という印象しかなかったけれど、改めてみると、決してそれだけではありません。自分の未来は自分で選ぶ。たとえそれがどんな選択でも、それは自分が決めたこと。このテーマは今見ても普遍的でブレてません。

「T2  トレインスポッティング」は、単体で見ても楽しめる作品ですが、やはりここは前作「トレインスポッティング」を予習してから見てほしい。名作です、是非!


トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)
アーヴィン・ウェルシュ
早川書房
2015-08-21

←原作はこちら。ブッカー賞を受賞してます。


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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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