映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャッキー」「ムーンライト」「はじまりへの旅」etc.

アシュラ

Asura : The City Of Madness O.S.T
アンナム市の市長パク・ソンべは、立場を利用して、利権と成功のために悪の限りを尽くす悪徳市長。汚職刑事のハン・ドギョンは、そんな市長の悪事のもみ消し役を担っている。一方、市長逮捕に執念を燃やす検事のキム・チャインは、弱みを握ったドギョンを利用して市長の悪事を暴こうと画策。検事と市長の双方から追い詰められたドギョンは、窮地に陥っていく…。

登場人物全員が悪人という韓国発のノワール・バイオレンス「アシュラ」。舞台は韓国の架空の都市。主な登場人事物は、私利私欲に溺れる悪徳市長、正義を捨てた汚職刑事、市長逮捕のためならどんな悪事も厭わない検事の3人だが、脇役すらも全員悪人で、誰もが善悪の見境を失くしている。刑事のハン・ドギョンが市長の後始末と汚職に染まるのは、余命僅かな妻の治療費のためという理由があるが、ズルズルと悪事を続ける彼のモラルはすでに麻痺してしまっているのだろう。この地獄絵図のような物語の中では、妻のためなどという、もっともらしい言い訳も、ささやかな善も、あっという間に泥沼に飲み込まれていくのだ。ひとつの悪事が次なる悪事を生むこの物語、まさに悪の底なし沼で、一度足を踏み入れると抜けだすことは不可能なのである。笑う、泣く、怒る、愛するなど、すべてが過剰なのが韓国映画の大きな特徴だが、本作の暴力描写はとりわけすさまじい。ボコボコに殴られ、流血し、自分も他人も傷つけるバイオレンス描写の連打は、見ていてグッタリと疲れてしまった。主人公を演じるチョン・ウソンの表情が、物語が進むにつれて、焦燥し、歪み、狂気を帯びていくのが見所だ。壮絶すぎる本作だが、落ち着いて考えると、市長、刑事、検事と、皆、公務員。トンデモない!と思いたいが、現在の韓国の政治混迷を見ていると、この修羅の世界もまんざら絵空事ではないということか。
【65点】
(原題「ASURA: THE CITY OF MADNESS」)
(韓国/キム・ソンス監督/ファン・ジョンミン、チョン・ウソン、クァク・ドウォン、他)
(バイオレンス度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
アシュラ|映画情報のぴあ映画生活

しゃぼん玉

しゃぼん玉 (新潮文庫)
伊豆見は、親に捨てられ愛情を知らないまま、自暴自棄になって通り魔となる。老人や女性を襲って強盗を重ねて逃避行中の彼は、宮崎県の山深い村に足を踏み入れる。ケガをした老婆スマをなりゆきで助けたのがきっかけで、彼女の家に居候することに。最初は金を奪って逃げるつもりだったが、スマや、村人たちとの交流の中で、伊豆見の心に変化が生まれる…。

親の愛を知らずに犯罪を重ねて生きてきた若者の心の再生を描く人間ドラマ「しゃぼん玉」。原作は人気作家・乃南アサの小説だ。すさんだ人生を送ってきた若者が、素朴な村とそこに住む人々の優しさに触れて、変化していくストーリーは、一見平凡なようだが、何と言っても、物語の舞台となっている宮崎県椎葉村の風景が素晴らしく、こんな場所ならば心の再生もあるだろうと納得してしまう。この地域は、日本三大秘境と呼ばれていて、椎葉村周辺には多くの神話が伝わり、平家の落人伝説も残る民俗学発祥の地だそう。なるほどその風情は、どこか外界から切り離された隠れ里のようだ。そんな場所に迷い込んだ主人公の伊豆見は、犯罪を重ねる粗暴と、悲しみを内包する繊細が同居する青年である。彼は、天然な老婆スマと暮らし、厳しくも愛情深いじいちゃんを手伝ううちに、自然と共に生きる規則正しい暮らしを身に着け、浄化されていくのだ。10年ぶりに村に戻ってきた女性の過去、道を踏み外した息子を持つスマの寂しさなど、時には厳しい現実もあるが、それでも村人はどこまでも素朴であたたかい。すさんだ都会と純朴な田舎という対比は、ステレオタイプではあるが、伊豆見の再生には、椎葉村の澄んだ空気が必要だったのだ。ラスト、再び村を目指す主人公の未来を応援したくなる。「日本昔ばなし」の声でおなじみのベテラン女優・市原悦子はもちろん、主人公を演じる林遣都も好演だった。
【60点】
(原題「しゃぼん玉」)
(日本/東伸児監督/林遣都、藤井美菜、市原悦子、他)
(再生度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
しゃぼん玉|映画情報のぴあ映画生活

マン・ダウン 戦士の約束

アメリカ軍海兵隊員ガブリエルは、故郷に妻ナタリーと幼い息子ジョナサンをおいて、アフガニスタンの戦場へ赴く。妻子との再会だけを心の支えに過酷な任務をやり遂げたガブリエルは、ようやく帰還することに。だが、戻ってみると故郷は荒廃し住民たちの姿もなかった。驚いたガブリエルは、一緒に帰還した友人デビンと共に、妻子の行方を探すが…。

アフガニスタンからの帰還兵が荒廃した故郷をさ迷う異色の戦争映画「マン・ダウン 戦士の約束」。戦争などの過酷な体験によって精神が崩壊するPTSD(心的外傷後ストレス障害)は、米映画以外でも映画化されているが、とりわけ米軍帰還兵のPTSDは深刻である。近年では、実在の人物を扱った秀作「アメリカン・スナイパー」が記憶に新しい。「マイ・ブラザー」(デンマーク映画「ある愛の風景」のハリウッドリメイク)、「告発のとき」、少し古いが「タクシードライバー」なども思い浮かぶ。本作は、主人公ガブリエルがたどってきた現実と妄想が混濁しているのがユニークだ。そのすさんだ心象風景によって、観客はPTSDという病の恐ろしさを擬似体験する。一種のミステリー仕立てになっているので、詳細は明かさないが、親しい人の裏切りと戦場での理不尽な現実によって心を破壊されたガブリエルを待つ運命が、あまりにも哀しい。少々メロドラマに傾くのが気になるが、国家が国民を戦場へ送り込んだあげく人間性を破壊する大罪を、ディストピアのような映像が何よりも雄弁に物語っている。主人公を演じるシャイア・ラブーフは、最近ではもっぱらゴシップばかりが話題になっていたが、久しぶりの熱演だった。帰還兵の5人に1人がPTSD。20万人がホームレスで苦しんでいる。1日に約22人の人間が自殺を図る。ラストに流れるこれらのテロップに心が痛む。
【60点】
(原題「MAN DOWN」)
(アメリカ/ディート・モンティエル監督/シャイア・ラブーフ、ケイト・マーラ、ジェイ・コートニー、他)
(不条理度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
マン・ダウン 戦士の約束|映画情報のぴあ映画生活

ハルチカ

映画「ハルチカ」 オリジナル・サウンドトラック
気が優しい美少年のハルタと負けん気が強いチカは幼馴染。引っ越しで離れ離れになっていたが、高校入学を機に再会する。チカはフルートを購入して憧れていた吹奏楽部に入部しようと張り切っていたが、部は過去のある事件が原因で廃部寸前だった。あきらめきれないチカは、ホルン経験者のハルタを巻き込んで、部員集めに奔走。ワケ有りのメンバーばかりだが、なんとか人数が集まり、廃部を免れる。吹奏楽部はコンクール出場を目指して猛練習を始めるが、フルート初心者のチカは皆のレベルについていけず、一方ハルタはホルンを続けることに悩んでいた。やがてそれぞれの不満が噴出し、皆の心がバラバラになってしまう…。

幼馴染のハルタとチカが吹奏楽部に入部し、さまざまな困難にぶつかりながら成長していく青春映画「ハルチカ」。原作はテレビアニメ化もされた初野晴の小説なのだが、青春ミステリーという位置付けらしい。どうりで、吹奏楽部に関わるさまざまな人物の秘密や隠された事情が、主にハルタの“名推理”によって解決していくという流れになっている。まぁ、その推理というのがあまりにあっさりと言い当てるので、拍子抜けしてしまうのだが。映画では、ミステリー要素は薄い上に、ハルタとチカの恋愛事情も原作からは改変してある。お約束の壁ドン(正確に言うと窓ドン)も用意されてはいるが、恋愛要素もまた極めて薄い。となると残りは、廃部寸前の吹奏楽部の立て直しとコンクールを目指す音楽映画という路線だが、こちらは、フルート初心者のチカが吹奏楽部を廃部から救い、立て直すという設定がそもそも甘い。猛練習の末に出場したコンクールを経て、ラストの学校内での“感動の演出”が、これまたありえないもので、さすがにそれはない…と心の中でつぶやいてしまった。仲間との絆というメッセージは悪くないのだが…。せめて、音楽によって救われたというチカの思いをもっと強調してほしかった。W主演の佐藤勝利と橋本環奈の二人は、美少年と美少女コンビだけあって、顔のアップがてんこもりで、ファンサービスは抜かりない。何から何までご都合主義のストーリーに苦笑してしまうが、劇中に演奏される音楽の清々しさが救いだった。
【45点】
(原題「ハルチカ」)
(日本/市井昌秀監督/佐藤勝利、橋本環奈、恒松祐里、他)
(恋愛度:★☆☆☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ハルチカ|映画情報のぴあ映画生活

お嬢さん

The Handmaiden
日本の統治下にあった1930年代の朝鮮半島。詐欺師たちに育てられた孤児の少女スッキは、伯爵と呼ばれる詐欺師から、世間から隔絶された大邸宅で暮らす日本人の富豪令嬢・秀子のメイドという仕事を依頼される。実は伯爵は、スッキの力を借りて秀子を誘惑し、日本で結婚した後、秀子を精神病院に入れて全財産を奪うという計画を立てていた。スッキは秀子の信頼を得て、計画は順調に進むかに思えたが、スッキは孤独で美しい秀子お嬢様に惹かれ、秀子もまた献身的なスッキに心を開き、いつしか二人は身も心も激しく愛し合うようになる…。

韓国人の詐欺師が企てる日本の華族令嬢の財産強奪計画とその顛末を描く、エロティック・サスペンス「お嬢さん」。原作はサラ・ウォーターズの小説「荊の城」だが、舞台をヴィクトリア朝ロンドンから、1930年代の日本統治下の朝鮮半島に置き換えている。物語は3部構成になっていて、それぞれ3つの視点が用意されているストーリーは驚きの連続だ。パク・チャヌクお得意のエロスとバイオレンスが登場するが、特筆すべきは、日本人にしか味わえない怪しげな“日本と日本語”の可笑しみだ。秀子お嬢様が住む大邸宅は、和洋折衷型の豪邸で、その地下には支配的な叔父・上月が膨大な官能小説の蔵書を収集した秘密の空間がある。そこで美女や幼い少女に、大声で卑猥な言葉の文学を朗読させ、男たちが興奮するという悪趣味に絶句するが、それがエロティックというより笑いを誘うものなのがミソ。しかもこだわり抜いた美術は耽美主義の極みなのだ。変態とアートを平気で同居させるのがパク・チャヌクらしい。こんな奇妙な世界の中では、淫靡な言葉の連打もBGMに聞こえてしまいそうだ。日本人という設定なのに、たどたどしすぎる日本語は微苦笑を誘うが、それも二転三転する騙し合いと、主演女優2人の大胆過ぎるラブシーンの熱演ぶりを見れば、すぐに気にならなくなる。とはいえ、せめて秀子お嬢様の役は、日本人女優に演じてほしかったのが本音だ。言葉の問題ではなく、こんな挑戦的な役だってこなせる!という心意気の問題として。登場時間は少ないが、名女優ムン・ソリの存在感も忘れがたい。富豪令嬢、詐欺師、孤児の少女、それぞれの思惑は、欲望と純愛が入り混じった復讐劇へと昇華していく。最後に残るのは、女たちのしたたかさと、男たちの愚かさだ。145分の長尺だが、摩訶不思議な世界にどっぷり浸る、得がたい映像体験である。
【70点】
(原題「THE HANDMAIDEN」)
(韓国/パク・チャヌク監督/キム・ミニ、キム・タエリ、ハ・ジョンウ、他)
(摩訶不思議度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
お嬢さん|映画情報のぴあ映画生活

アサシン クリード

Ost: Assassin's Creed
謎めいた施設に連れてこられた、記憶をなくした死刑囚カラム・リンチは、遺伝子操作装置のアニムスにより、DNAに眠る祖先の記憶を追体験させられる。カラムの祖先は、ルネサンス期のスペインでテンプル騎士団に立ち向かった伝説のアサシン(暗殺者)教団の一員で、禁じられた秘宝“エデンの果実”のありかを知る、歴史上最後の人物だった。カラムは、遺伝子を研究し暴力を廃絶しようとする博士のソフィアらが開発したアニムスを使って、現在と過去を行き来し歴史に隠された謎に取り組むうちに、アサシンとして覚醒していく…。

世界的なヒットを記録した大人気アクション・ゲームを映画化した「アサシン クリード」。物語は、現代と1491年のスペインを行き来しながら、進んでいく。ざっくりとした世界観は、人間の自由意志を守ろうとするアサシン教団VS自由を制限することで人類を支配しようとするテンプル騎士団という構図のようだ。勝負の行方を握るのが、禁じられた秘宝“エデンの果実”とそれに秘められた真実というわけである。中世ヨーロッパの入り組んだ街を、アクロバティックな動きで駆け巡る疾走感と、高い尖塔から飛び降りる垂直落下の感覚が、今までにないアクションのテイストで見ていて面白い。アクションはパルクールを取り入れた躍動的なもので、スタントの頑張りには目を見張る。アルハンブラ宮殿や古い建物が残るマルタ島でロケされた映像も見所だ。だが、砂埃の広場や、薄暗い路地を縦横無尽にかけめぐるアサシンたちはフードを被っている上に、闇の中で戦うという設定上、人物の表情が読みにくいのが難点。加えて、アクション・ゲームの映画化に、マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤールの「マクベス」夫妻コンビというキャスティングにも首をかしげる。物語は、まったく自覚がなかったカラムが突如としてアサシンとして覚醒するなど謎が多いのだが、この穴だらけ、かつ不親切なストーリーは、どうやら三部作の第一章ということが原因らしい。ともあれ、ラストも含めて、もやもやとした印象だけが残ってしまった。
【55点】
(原題「ASSASSIN'S CREED」)
(アメリカ/ジャスティン・カーゼル監督/マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズ、他)
(不完全燃焼度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
アサシン クリード|映画情報のぴあ映画生活

ラビング 愛という名前のふたり

Loving (Blu-ray + DVD + Digital HD)
1958年、米バージニア州では異人種間の結婚が禁じられていた。白人男性のリチャードと黒人女性のミルドレッドは、ミルドレッドの妊娠を機に法的に認められているワシントンD.C.で結婚した後、故郷バージニアに戻って暮らし始める。だが、ラビング夫婦は、突如不当に逮捕されてしまう。離婚するか、故郷を離れるかの選択を迫られた二人は一度はバージニアを離れるが、生まれ故郷で愛を貫いて暮らすため、わずかな希望を託してある行動に出る…。

20世紀半ばの米国で、異人種間の結婚を禁じる法律を変えるきっかけとなった白人と黒人の夫婦の実話を映画化した「ラビング 愛という名前のふたり」。レンガ職人のリチャードは寡黙で不器用だが、子どもの頃から一緒にいることが自然だったミルドレッドを深く愛している。黙々とレンガを積む勤勉なその姿が何よりも実直な彼の性格を雄弁に語っている。一方、美しいミルドレッドは控えめながら芯が強い。愛するもののためならば思い切った行動に出る勇気がある。そんなラビング夫妻だが、彼らは、いたって普通の人々なのである。特別な思想はなく、感情を露わにすることも少ない。ただ愛する人と一緒にいたいという素朴な願いが、やがて大きな社会的変貌のうねりを生んでいったのは、非常に興味深く示唆に富む点だ。人間としての自然な感情に、歴史が味方したと言えるだろう。演じるジョエル・エドガートン、ルース・ネッガの二人は、少ないせりふの中、表情やしぐさだけで夫婦の葛藤や深い愛情を表現していて、素晴らしい。結果的に歴史を変えた一組の夫婦の偉業を、声高なメッセージではなく、シンプルで繊細なラブストーリーとして描いたジェフ・ニコルズ監督の手腕も冴えた。公民権運動はまだ産声をあげたばかりの時代に生きたラビング夫妻は、差別や不寛容が蔓延する現代においては、灯のような存在である。英雄でも活動家でもない男女の愛が歴史を変えた。このことに誰もが感動を覚えるだろう。タイトルは、リチャードとミルドレッド夫妻の姓だが、それが“ラビング(愛)”であることが、映画を見終わった後、深い余韻となって心に残る秀作だ。
【80点】
(原題「LOVING」)
(アメリカ/ジェフ・ニコルズ監督/ジョエル・エドガートン、ルース・ネッガ、マートン・ソーカス、他)
(シンプル度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ラビング 愛という名前のふたり|映画情報のぴあ映画生活

ホワイト・バレット

ホワイト・バレット [DVD]
警官隊との銃撃戦で頭部に銃弾を受けた強盗団のメンバーのチョンが、救急病院に搬送されてくる。チャン警部は強盗団一味の情報を聞き出そうとし、女医のトンは緊急手術の準備をするが、チョンはなぜか手術を拒む。緊迫する時間が流れる中、チャン警部は一味につながる電話番号を聞き出すことに成功。医師のトンもなんとか手術の同意を得るが、その裏では、チョンが仲間と連絡をとって彼らの裏をかこうと画策していた。同時にチョン奪還を狙う強盗団一味が病院に迫っていた…。

救急病院を舞台に、強盗、警察、医師の3人が緊迫の心理戦を繰り広げるサスペンス・アクション「ホワイト・バレット」。香港映画界の鬼才ジョニー・トー監督らしいノワール・アクションだが、今回は病院内という限定された空間を舞台にした密室劇風で、医療ノワールとでも呼びたい内容だ。強盗団の一員のチョンは頭がキレるタイプで、手術を拒むのも人権を持ち出してくるインテリ。頭部を撃たれながら裏でさまざまな駆け引きを繰り広げ、油断ならない。警部のチャンはそんな彼から何とか強盗団の情報を聞き出そうとやっきになっているが、一方で、部下がチョンの頭部を撃ってしまったことを何とかもみ消そうと考えている。女医のトンは、外科医としての腕はいいが、過去の自分と折り合いをつけられず、心に傷を抱えている。そんなワケありの3人が病院内で繰り広げる会話劇は、舞台のような緊張感がある。サスペンスなので、詳細は明かせないが、クライマックスに怒涛の銃撃戦をもってくるなど、ジョニー・トー印全開だ。名作「戦艦ポチョムキン」ばりの“オデッサの階段”が登場するが、それが小さくて可愛らしく、微苦笑を誘う。上映時間はわずか88分。原題の「三人行」は、論語の“三人行へば、必ず我が師あり”からとられている。3人いれば必ず自分の師となる人がいる。いい場合は手本に、悪い場合はその悪い点を改めよ、という意味らしい。何だか説教臭いが、映画はまったくそんなことはなく、エンタメ・アクションとして濃密な時間を味わえる。
【70点】
(原題「THREE/三人行」)
(香港・中国/ジョニー・トー監督/ルイス・クー、ヴィッキー・チャオ、ウォレス・チョン、他)
(心理戦度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ホワイト・バレット|映画情報のぴあ映画生活

クリミナル 2人の記憶を持つ男

Soundtrack
CIAロンドン支局のエージェント、ビリーが、国際秩序崩壊を狙うテロリストを追う任務中に命を落とす。ビリーはアメリカ軍の核ミサイルを遠隔で操作することが可能な天才ハッカー、ダッチマンの居場所を唯一知る人物だった。ダッチマンと接触することを企てるテロリストより早くダッチマンを探し、世界の危機を救う。そのためは、禁断の脳移植手術によってビリーの記憶を他人の脳に移植しなければならない。移植の対象に選ばれたのは、凶悪犯の死刑囚ジェリコだった。記憶が失われるまでのタイムリミットは48時間。ジェリコは凶悪犯の自分と、CIAエージェントのビリーの2つの人格に引き裂かれながら、テロリストとの壮絶な闘いに巻き込まれていく…。

殉死したCIAエージェントの記憶を脳に移植された死刑囚が、テロリストを追うスパイ・アクション「クリミナル 2人の記憶を持つ男」。記憶をモチーフにした映画は数多くあるが、本作は脳移植によって2つの人格がせめぎあい、さらに記憶が失われる48時間以内にテロを阻止するという、タイムリミット・サスペンスだ。人間らしい感情が欠落しているという条件ゆえに、他人の記憶を埋め込まれる死刑囚ジェリコを演じるのがケヴィン・コスナーだ。悪役を演じてもどこか“イイ人”を感じさせるコスナーだけに、1人の人間の中に善と悪が同居するという難役でも、善の部分が徐々に際立って共感を得るキャラクターに仕上がっている。事件解決のため、時に非情な手段に出るロンドン支局長とは対照的に、実験段階だった脳移植手術を強引にやらされる医師は、まだ未完成の施術に悩みながら、ジェリコを気遣う優しさがある。それぞれをゲイリー・オルドマン、トミー・リー・ジョーンズという名優たちが演じているのも贅沢だ。実際この地味な作品は、意外なほど豪華キャストが顔を揃えていて、ちょっと驚いてしまう。脳と記憶の移植というのはあくまでSFのレベルだが、善悪はおろか、感受性も心さえも持ち合わせていないジェリコが、人間性に目覚めていく展開は、現代のフランケンシュタインのようでもある。スパイアクションとしては少々物足りないし、ラストはご都合主義にも思えるが、人とは呼べなかった人間が、魂を獲得する心の旅路としてみれば、なかなか味わい深い。
【60点】
(原題「CRIMINAL」)
(米・英/アリエル・ヴロメン監督/ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、他)
(スパイもの度:★★☆☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
クリミナル 2人の記憶を持つ男|映画情報のぴあ映画生活

試写室だより 2月下旬

試写室だより2月も今日でおしまい。暖かかったり、寒くなったりと安定しない気候でしたが、確実に春は近づいています (*^.^*) 

最近見た主な映画は以下。

「ライオン」「ムーンライト」「グレートウォール」「キングコング」「哭声」
「3月のライオン」「ひるね姫」「サクラダ リセット」などなど。

オスカー決定の余韻がまだ残ってますが、決定後の原稿執筆に追われてます(涙)。
昼間、速報も出しましたが、何と言っても“作品賞を間違える”という超・ウルトラ・ド級のハプニングに絶句。そういえば、オスカーノミネートでも、一瞬とはいえ、間違った情報(ノミネートされてない人の名前)を公式webサイトにUPしてしまうという失態がありましたっけ。…なんだか後味が悪いセレモニーになってしまいました。映画はどれも素晴らしかったというのに…!救いだったのは、「ラ・ラ・ランド」も「ムーンライト」も、両方の関係者が、互いをリスペクトして、大人の対応で乗り切ってくれたことです。とりあえず、主催者側には猛省を促したいです(--;)


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
震災には負けない!
リンクシェア・ジャパン 東北地方太平洋沖地震 義援金プロジェクト

犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』

icon icon
おすすめ情報
おすすめ情報

twitterやってます!
おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
いいね!もよろしく♪
Facebookをご利用の皆さん、このブログが気に入ったら、ぜひ「いいね!」ボタンをポチッと押してください。 渡まち子の励みになります!
タグクラウド
  • ライブドアブログ