映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ラ・ラ・ランド」「トリプルX 再起動」「彼らが本気で編むときは、」etc.

キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち



戦が絶えない朝鮮王朝時代。天才的な頭脳とずばぬけた度胸を持つ詐欺師キム・ソンダルと詐欺師仲間のチームは、権力者から金品を奪い、国中のお尋ね者となっていた。そんなある日、朝鮮一高価なタバコを狙ってまさかの裏切りに遭う。窮地に陥った彼らは、その背後にある、民を清へ売り飛ばす最高権力者の悪行を知ることに。ソンダルらは、持ち主のいない大河を売るという、国家をも巻き込む前代未聞の計画に挑んでいく…。

韓国の説話に登場する伝説の詐欺師の活躍を新解釈で描く痛快時代劇「キム・ソンダル 大河を売った詐欺師たち」。韓国の説話に登場する伝説的な詐欺師キム・ソンダルは、韓国では誰もが知る有名な人物で、経験豊かな年老いた詐欺師として知られている。そんな人物を本作では、若く、美しく、時にコミカル、時にセクシーという楽しくも新しい解釈で描き、胸のすく痛快活劇に仕上げている。キャラのメリハリも効いていて、天才詐欺師のキム・ソンダルとチームを組むのは、口が達者なボウォン、占い師のユン菩薩、無垢な青年ギョニという面々だ。巨悪に対し命がけで挑む若き詐欺師チームの友情物語としても良くできている。詐欺そのものは決して褒められた行為ではないが、名作「スティング」を例に出すまでもなく、悪人を騙してしまうストーリーには、思わず胸がすく。痛快な騙しのテクニックは、ぜひ映画を見て確かめてほしい。子役から活躍している若き実力派ユ・スンホ(「おばあちゃんの家」の名子役は、すっかりイケメンになりました!)は安定の演技だし、K-POP人気グループ、EXOのシウミンが詐欺師チームのマスコット的な役で初々しい映画初出演を果たしている。勢いがいい青春映画のようなノリだが、詐欺の細部まで実はきちんと脚本が練られているので、見終わっての爽快感をたっぷり味わえるはずだ。
【65点】
(原題「SEONDAL: THE MAN WHO SELLS THE RIVER」)
(韓国/パク・デミン監督/ユ・スンホ、チョ・ジェヒョン、コ・チャンソク、他)
(爽快度:★★★★★)
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未来を花束にして

Suffragette [Blu-ray]
1912年、ロンドン。夫と幼い息子と3人で生活しているモードは、夫とともに洗濯工場で働いていた。低賃金、長時間労働、劣悪な職場環境に耐えながら黙々と仕事をこなすモードだったが、ある日、女性参政権を求める活動家の行動を目撃、さらに友人の代わりに公聴会に参加したことをきっかけに、自分の生き方に疑問を持つようになる。活動のリーダーの演説を聞き、デモにも参加するようになったモードは運動にのめり込んでいくが、彼女の活動を快く思わない夫から家を追い出され息子と引き離されることに。さらに仕事をクビになり、警察にも目をつけられてしまう。それでもモードは、これまでと違う生き方を目指して社会を変える闘いに身を投じていく…。

20世紀初頭の英国で女性参政権を求めて立ち上がった女性たちの生き様を実話をもとに描く「未来を花束にして」。主人公モードはごく平凡な主婦である。友人の代理で急きょ公聴会で話すことになるモードは、権利を声高に訴えるのではなく、7歳から過酷で劣悪な労働に従事してきたことを淡々と話した。自分自身の人生と置かれた環境を自分の言葉で話したことが、彼女の中で変化のきっかけとなるのが、非常にリアルで興味深い。「もっと別の生き方があるのではないのか」という素朴な疑問が、女性参政権獲得という大きなうねりを生む震源となったのだ。警察に目をつけられた彼女たち活動家は酷い拷問を受け、警察のスパイになれと脅される。もちろん挫折や犠牲もあるが、それでも彼女たちは、活動の象徴である薄紫の花を身に着けて戦った。その姿は、何とりりしく、美しいことか。21世紀の現在、女性の指導者が生まれる国もあれば、道半ばの国もある。参政権や職場の待遇など、今、私たちが当たり前のように享受している権利は“たくさんの名もなき花たち”が種をまいてくれたおかげなのだと改めて知った。原題の「サフラジェット」とは、女性の参政権を求める過激な活動家の蔑称として当時のイギリスのマスコミが作り上げた造語だそう。映画には実在の人物も登場するが、歴史上の偉人ではなく、特別な思想も教養も、財産もない、搾取される側の弱い女性を主人公にしたことで、共感する部分が大きくなった。今から100年以上前、女性たちが行動を起こした、階級を超えた結束と運動は、現代も続く、さまざまな差別への勇気ある挑戦なのだ。女性はもちろん男性にも見てほしい映画である。
【65点】
(原題「SUFFRAGETTE」)
(イギリス/サラ・ガヴロン監督/キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム=カーター、メリル・ストリープ、他)
(女性映画度:★★★★☆)
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君と100回目の恋

映画「君と100回目の恋」オリジナルサウンドトラック(初回生産限定盤)(DVD付)(ステッカー付)
大学生の葵海は、誕生日の7月27日に、ライブの帰りに事故に遭ってしまう。だが、目覚めるとそこは大学の教室で、日付は事故に遭う1週間前だった。混乱する葵海の前に、幼なじみの陸が現れ、自分は時間を遡ることができ、何度もタイムリープして葵海を救っていたと告げる。お互いに胸に抱いていた恋心を伝えられなかった二人は、この出来事を機に1年前に戻る。周囲がうらやむほどの理想的なカップルとして幸せな日々を過ごすが、再び7月27日が近づいてくる…。

悲しい運命を変えようと何度も時間も遡る青年の一途な愛の行方を描く純愛ラブ・ストーリー「君と100回目の恋」。陸は、不思議なレコードを使って、何度も何度もタイムリープを繰り返し事故に遭う葵海を救おうとする。陸が、何でもお見通しという態度で、いつも落ち着いて周囲にアドバイスするのは、次に起こる出来事を知っているからなのだ。その力を使って愛する人を救おうと懸命な陸の一途さには確かに打たれる。愛する葵海のいない未来なんて、自分にとっては意味がないと思いつめる陸には、実はある秘密が。全身全霊で自分を守ってくれる、そんな恋人を待ち望む人にはグッとくるストーリーに違いない。本作のW主演はmiwaと坂口健太郎。10代を中心に圧倒的に支持されるシンガーソングライターのmiwaの音楽が最大の見所(聴所)となっている。当然、タイムリープやタイムスリップものにつきものの矛盾はあるが、それはこの際、目をつぶろう。それにしても、純愛映画とは、もはやSFレベルでしか成立しなくなったのだろうか?? いささか心配になった。
【50点】
(原題「君と100回目の恋」)
(日本/月川翔監督/miwa、坂口健太郎、竜星涼、他)
(一途度:★★★★☆)
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ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
周囲になじめず、孤独な少年ジェイクは、唯一の理解者だった祖父が亡くなり途方にくれる。謎めいた死をとげた祖父の遺言に従って小さな島を訪れたジェイクは、異世界への入り口と森の奥に立つ古い屋敷を見つける。そこには、不思議な能力を持った奇妙な子どもたちが、彼らの母親代わりで厳格なミス・ペレグリンと共に暮していた。ひたすら同じ1日を繰り返す彼らの日常に驚くジェイクだったが、空中浮遊する少女エマに恋をする。やがて自分にも備わった特別な力に目覚めたジェイクは、自らの役割を知ることに。だが子どもたちの能力を利用し、世界を支配しようとする邪悪な敵バロンが迫っていた…。

奇妙な子どもたちが暮らす島を訪れた少年が、世界の危機を救うために冒険を繰り広げる「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」。原作はランサム・リグスによるティーン向けファンタジー小説「ハヤブサが守る家」だ。ひと言で表現するならば、ティム・バートン印の「X-MEN」。ただ、異能者たちの悲しみや特殊能力という設定は同じでも、それが幼い子どもたちで、人目を避けて生きるために、70年前の安全な1日を繰り返しているというところが本作の個性であり、哀しみでもある。同じ毎日を生きる単調な平和は、個性的な人間の居場所がない現実世界の生きづらさを表しているのだろう。それでもずっと屋敷に留まるのではなく、敵を迎え討ち、対峙しなければならない時がやってくる。それを教えるのが、自らも特殊な能力を持つことを知った主人公ジェイクなのだ。初期の頃からバートン監督は、異形のものたちの悲しみを描いてきた。その意味で、本作はいかにもバートンらしいダーク・ファンタジーだ。ノスタルジックな冒険譚にして不思議なラブ・ロマンスだが、宿敵バロンと対峙するクライマックスのバトルから、最終盤にジェイクがたどる冒険までがあまりに駆け足で詰め込みすぎなのが、ちょっと惜しい。だが多様性が危険視される昨今、この奇想天外なファンタジーは不思議なほど現代に響くメッセージがあり、同時代性を帯びている。りりしく美しい“戦うメリー・ポピンズ”ミス・ペレグリンを演じるエヴァ・グリーンが抜群にハマッていた。
【70点】
(原題「MISS PEREGRINE'S HOME FOR PECULIAR CHILDREN」)
(アメリカ/ティム・バートン監督/エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン、他)
(ダーク・ファンタジー度:★★★★☆)
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恋妻家宮本

「恋妻家宮本」オリジナル・サウンドトラック
子どもが独立し、結婚25年目にして夫婦二人だけの生活になったことで困惑する宮本夫妻。中学教師の夫・陽平は、ある日、妻・美代子側の記入欄がきっちりと記載された離婚届を見つけてしまう。激しく動揺するが妻に問いただす勇気もなかった。悶々としていた陽平は、趣味の料理教室の仲間や学校の教え子と関わる中で、家族や夫婦の在り方を見つめ直すことになる。そんな中、突然、美代子が家を飛び出してしまう…。

子どもが独り立ちした熟年夫婦の危機をコミカルに描く「恋妻家宮本」。原作は重松清の小説「ファミレス」だ。主人公の夫婦は、ファミレスでの合コンで知り合うが、ファミレスはことあるごとに象徴的に登場する。ちなみに夫の陽平は優柔不断な性格で、ファミレスに行くと、メニューが多すぎて、自分が食べたいものを注文することができないダメ人間だ。中学教師だが、生徒からも軽く見られている。それでも陽平は、自分は決して悪い人間ではないし、浮気もせず、勤勉に働き、給料もきっちりと妻に渡す真面目な人生を送ってきたので、夫婦には何の問題もないと安心していたのだ。そこでみつけた離婚届は、彼にとっては爆弾級の驚きだったに違いない。料理教室の仲間や、生徒たちなど、それぞれ個性的なのだが、映画全体は、ぼんやりとした印象だ。だがその“ぼんやりした感じ”は欠点ではなく、本作の個性である。ストーリーの重要なモチーフとして、吉田拓郎の「今日までそして明日から」が登場するが、その歌詞こそが、夫婦の、引いては、ごく平凡な市井の人々の生き様を表してる。“時には、誰かの力を借り、時には誰かに裏切られ。明日からもこうして生きていく”。シニア向けの作品だが、迷える大人の背中を押してくれるような小品だ。
【50点】
(原題「恋妻家宮本」)
(日本/遊川和彦監督/阿部寛、天海祐希、菅野美穂、他)
(とまどい度:★★★★☆)
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破門 ふたりのヤクビョーガミ

破門 (角川文庫)
建設現場で暴力団対策の仕事、いわゆるサバキをしている建設コンサルタントの二宮は、仕事を通じて、二蝶会の強面ヤクザ・桑原と知り合って以来、何かとトラブルに巻き込まれている。ある時、二宮はうさんくさい映画プロデューサーの小清水がもってきた映画出資の話を二蝶会に紹介するが、小清水が大金を持って消えてしまう。出資詐欺師の小清水を追って、桑原と二宮は奔走するが…。

腐れ縁のヤクザと建設コンサルタントが、詐欺師を追いながら、次から次へとトラブルに巻き込まれていく様を描く「破門 ふたりのヤクビョーガミ」。原作は、黒川博行の直木賞受賞作で、原作小説の5作目を映画化している。キレたら手がつけられないインテリやくざの桑原と、サバキというグレーな仕事で何とか食いつないでいる、ぐうたらで貧乏性の建設コンサルタントの二宮は、互いを自分にとっての疫病神と思いながらも不思議な腐れ縁で結ばれている凸凹コンビだ。原作ファンやTVドラマファンにとってはおなじみのストーリーなのだろうが、なぜ初の映画化で第5作なのだろうか?二人の出会いを描くところから始めるべきなのではないのか??との疑問がよぎるのは私だけではないはずだ。まぁ、企画、その他の大人の事情があったであろう、そのことはひとまず脇に置いておく。全編がコミカルな大阪弁でテンポがいいのが本作の最大の魅力だ。キャストのほとんどが関西出身というだけあて、違和感がないところは、同じ黒川原作の映画化「後妻業の女」によく似ている。出資詐欺に遭い大金を持ち逃げされる、大組織のヤクザの組とトラブルに発展してしまう、など、状況は絶体絶命ながら、それを大阪弁で描くと、なんだか漫才を見ているよう。佐々木蔵之介、横山裕共に好演だが、何と言っても群を抜いて上手いのは、ベテランの橋爪功だ。うさん臭くて、嘘つきで、懲りない性格の映画プロデューサーをひょうひょうと演じていて、最高である。どんな手を使ってでも資金を集めて映画を作るそのド根性。これもまた映画愛!なのだ。
【60点】
(原題「破門 ふたりのヤクビョーガミ」)
(日本/小林聖太郎監督/佐々木蔵之介、横山裕、北川景子、他)
(腐れ縁度:★★★★☆)
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試写室だより 1月下旬

試写室だより気温に変化がありすぎた1月も今日で終わり。もう、寒かったり、暑かったりで、身体が気温についていけない…と全身でグチッております。…が!そのわりには、インフルエンザの予防接種が効いてるのか、風邪もひかずに元気で過ごしてます(^o^)/ ノロウィルスも流行してるし、体調管理には気を付けましょ〜!

最近見た主な映画は以下。

「アサシン・クリード」「素晴らしきかな、人生」「ラビング」
「愚行録」「彼らが本気で編むときは、」などなど。

アカデミー賞のノミネート発表で、公式サイトがノミネートされてない人の名前を掲載するという大失態があったようですね(汗)。一瞬のことだったらしいですが、該当する人々は傷ついたはず。猛省を促したいです (--;)


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キセキ あの日のソビト

キセキ ―あの日のソビト― (朝日文庫)
厳格な父の反対を押し切って音楽の道を選び、家を飛び出した兄のジン。一方、弟のヒデは父の期待に応え歯科大を目指して勉強していた。ジンのバンドのメジャーデビューが決まるが、商業主義的な音楽業界に失望し、ついに挫折してしまう。そんな時、ヒデと仲間たちの音楽を聞き、その才能を見抜いたジンは、弟ヒデに音楽の夢を託すことを決める。だが歯科医を目指しながら音楽もやりたいということを父に言い出せない。兄弟は、前代未聞の顔出しなしのCDデビューを思いつく…。

異色の4人組音楽グループGReeeeNとその代表曲の誕生秘話を描く「キセキ あの日のソビト」。名曲「キセキ」は誰もが一度は耳にしたことがある大ヒット曲。前向きで説得力のある歌詞と親しみやすいメロディーで多くの人々に愛されている名曲だ。ファンにはおなじみの誕生秘話なのだろうが、私などは、曲は知っていても、どれもが初めて知るエピソードばかりで、なかなか楽しめた。兄弟を演じるのは松坂桃李と菅田将暉という旬の若手人気俳優たちで、二人の演技が繊細で、スッと物語に入り込める。本作はこの二人ありきの作品といっても過言ではない。それにしても兄弟の父親は厳しい。イマドキこんなにも恐ろしい父親がいるだろうか?と首をかしげるが、その分、子どもたちをやさしく見守る母親の天然ぶりがほほえましく、いいバランスになっている。父親に、音楽をやるという決意を告げるシーンは緊張感があり、兄への、あるいは弟への複雑な感情がからむ兄弟げんかのシーンもまたリアルだった。ただ、派手なクライマックスが用意されているわけではないので、映画としては少し盛り上がりに欠ける印象も。それでもすべてを乗り越えて音楽の道へと進むと決めた彼らの凛とした表情が映り、名曲「キセキ」が流れる時、改めて、この曲の素晴らしさが伝わってくる。
【60点】
(原題「キセキ あの日のソビト」)
(日本/兼重淳監督/松坂桃李、菅田将暉、忽那汐里、他)
(さわやか度:★★★★☆)
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マグニフィセント・セブン

「マグニフィセント・セブン」オリジナル・サウンドトラック
ローズ・クリークの町の人々は、冷酷非道な実業家ボーグに支配され、絶望的な日々を送っていた。ボーグに夫を殺されたエマは、なけなしの金で賞金稼ぎのサムを雇う。サムは、ギャンブラーのジョシュをはじめ、スナイパー、暗殺者、流れ者など、腕に覚えのあるものを集める。集まった7人は最初は金で雇われた寄せ集め集団だったが、やがて町を守るための正義の戦いに身を投じるうちに、目的は金だけではなくなっていく…。

黒澤明監督の傑作「七人の侍」と、それをリメイクした秀作「荒野の七人」を原案とした西部劇「マグニフィセント・セブン」。腕の立つ7人の強者たちが町を守るという大筋は同じだが、オリジナルに敬意を払いつつも、随所に現代的な設定が施されている。7人を雇うのは勝気な未亡人で、彼女は「望むのは正義。復讐はその手段」ときっぱりと言い切る気丈な女性だ。リーダー的存在のサムは黒人で、集められるメンバーの人種も多様である。何といってもアクションがド派手だ。圧倒的な人数の敵に対し、拳銃、ナイフ、弓矢はもちろん、創意工夫を施した武器と戦法で応戦。ハリウッド映画名物の大爆発もちゃんと用意されている。だが、アクションの比重が増えた分、人間ドラマはやや薄味になった。村人(本作では町だが…)との交流や恋愛要素はあっさりとカットされているので、一人一人の背景が見えないのは少々残念。それでもアントワーン・フークア監督は、最後に変化球を用意している。凄腕の賞金稼ぎのサムには意外な思惑が。ここで、映画は「七人の侍」からセルジオ・レオーネ監督の「ウエスタン」へと一気に傾く。黒澤映画「用心棒」との因縁があるレオーネ。「ウエスタン」と「荒野の七人」の両方に出演したC.ブロンソン。無名時代、ブロンソン主演の「狼よさらば」にチョイ役で出ていたデンゼル・ワシントン。そして、デンゼル演じるサムが仕事を引き受けボーグを狙う本当の理由。すべてがつながっていて、映画の不思議な連鎖を感じてしまった。マグニフィセント(気高い、崇高な)とは少し違う色合いを帯びるので、複雑な余韻が残るのだが、ラストに鳴り響く「荒野の七人」のテーマソングを聞けば、そんなモヤモヤは一気に吹っ飛んでしまうはず。デンゼル・ワシントンとイーサン・ホークの「トレーニング・デイ」コンビや、いい意味での軽さがあるクリス・プラットは好演だし、イ・ビョンホンも存在感をきちんと示している。西部劇初心者にもおすすめのスター映画に仕上がった。
【65点】
(原題「THE MAGNIFICENT SEVEN」)
(アメリカ/アントワーン・フークア監督/デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、他)
(リスペクト度:★★★★☆)
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ドクター・ストレンジ

Ost: Doctor Strange
天才脳外科医のスティーヴン・ストレンジは、プライドの高さと傲慢な性格が玉にキズだが、容姿、知性に恵まれ、地位と名誉と富を手に入れて完璧な人生を送っていた。だが、ある日、交通事故に遭い、神の手と崇拝された両手の機能を失ってしまう。外科医としてのキャリアを絶たれた彼は、高額な治療を繰り返すが、ついに財産を使い果たしてしまう。最後の望みをかけて頼ったのは、どんな傷も治せる神秘の力を操るという指導者エンシェント・ワン。そこで未知なる世界を体験したストレンジは、失った栄光を取り戻すため、想像を絶する厳しい修行に励むことになる…。

マーベル・コミックから生まれた元天才外科医にして魔術師のヒーローの誕生を描く「ドクター・ストレンジ」。「アベンジャーズ」を例に出すまでもなく、アメコミ・ヒーロー映画はとかく、破壊のスケールを競う傾向にあるが、本作は、少しテイストが異なる。何しろ、ドクター・ストレンジの“主戦場”は、精神世界なのだ。ビルや道がぐにゃりと曲がり、立っている場所の天地や左右がくるりと入れ替わる。時にはサイケデリックな色彩世界やだまし絵のような光景も現れる。めまいがしそうな映像世界は秀作「インセプション」を連想させるが、本作は、夢の世界ではなく、自らの意識下が影響するインナースペースなのだ。奇抜な映像に目を奪われがちだが、ドラマパートもしっかりしていて秀逸だ。挫折したストレンジの再生物語として、目に見える物質世界しか信じなかった人間が、豊かな精神世界を知る心の旅として、説得力がある物語になっている。傲慢な天才を演じるカンパーバッチが実にハマッていて、アメコミもの初挑戦ながら、今後はアベンジャースの中でも存在感を示してくれそうだ。東洋の魔術、敵との対峙のスタンス、清濁併せ持つ登場人物と、このヒーロー映画には、今までにない新しさを感じるだろう。ドクター・ストレンジ誕生を描く本作から、活躍の場を広げていくであろう今後が楽しみでしかたない。
【75点】
(原題「DOCTOR STRANGE」)
(アメリカ/スコット・デリクソン監督/ベネディクト・カンバーバッチ、レイチェル・マクアダムス、ティルダ・スウィントン、他)
(異色ヒーロー度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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