映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「ベイビードライバー」etc.

カーズ/クロスロード

カーズ/クロスロード オリジナル・サウンドトラック
真っ赤なボディのスポーツカー、マックィーンは、これまで数々のレースで優勝し華々しく活躍してきたが、ベテランとなった今は、最新型のレーサーに勝てず苦戦を仕入れらている。焦ったマックィーンは無理なレース運びで大きなクラッシュ事故を起こしてしまう。運にも世間からも見放され、自信も喪失、引退という言葉が脳裏にちらついていた。引退か、再起か。人生の岐路にたたされたマックィーンは決断を迫られるが…。

車を主人公にした大人気アニメーションシリーズの第3弾「カーズ/クロスロード」。クロスロードとは、人生の岐路の意味で、華やかで天才的なスター・レーサーであるライトニング・マックィーンが、ベテランとなり引退を考えて苦悩するが、新たな相棒やかつての仲間の助けで再生していく姿を描く。ディズニーのアニメーションはいつも物語が秀逸で、現代社会をしっかり照射しているが、今回はズバリ“老い”だ。アニメの主要ターゲットである子どもたちが知るはずもない、人生のやるせなさを描いて、完全に大人モードである。

過去の栄光、世代交代、自らの体力、技術、モチベーションの低下…。直面する問題は山積みで、主人公のマックィーンは文字通り、人生の岐路(クロスロード)に立たされる。マックィーンは、果たしてどんな道を選ぶだろうか。終盤の驚きの展開は、おそらく大方の予想を裏切るものだ。しかも、それが実に心地よい。マックィーンの相棒となるトレーナーで、イエローのボディがキュートな新キャラ、クルーズ・ラミレスとのやりとりが楽しくも感動的だ。レースシーンの迫力や雄大な自然描写、表情豊かな車たちの魅力は健在である。映像は緻密、キャラクターは個性的、メッセージは深い。やっぱりこのシリーズは秀作揃いだと再認識した。日本語版のエンドソングは奥田民生が歌う「エンジン」。“夢の続きに行ってみよう”と、軽やかに歌いあげる。そう、“明日も目の前に道は続いている”のだ。この映画に励まされる大人はきっと多いだろう。
【80点】
(原題「CARS 3」)
(アメリカ/ブライアン・フィー監督/出演(声)オーウェン・ウィルソン、他)
(大人向け度:★★★★★)
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試写室だより 7月上旬

試写室だより九州北部豪雨災害で被害に遭われた方々、お見舞い申し上げます。
また、現在も、東海地方や東北地方で、豪雨被害の情報も。今も天候が不安定な上に、猛暑による熱中症の心配もあります。くれぐれも体調管理に気を付けて過ごしてください。皆さまの無事をお祈りしています!

最近見た主な映画は以下。

「エル」「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」「エイリアン コヴェナント」
「ドリーム」「ベイビー・ドライバー」「ダイバージェント FINAL」
「東京喰種」「トリガール!」「三度目の殺人」などなど。

10月に公開予定の「ブレードランナー 2049」に備えて、久しぶりに旧作を引っ張り出して再見しました。予習なのか、復習なのか、微妙なところですが(笑)、映画はやっぱり面白い。名作です〜!

この作品には、オリジナル劇場版、インターナショナル劇場版/完全版、ディレクターズカット/最終版、と種類が多々あってややこしいんですが、リドリー・スコット監督が納得しているのはディレクターズカット版とのこと。

「ブレードランナー 2049」は、今最も注目されてる俊英監督で「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手掛けます。く〜っ、楽しみですね〜(≧∇≦)

製作時の苦労話などを含めたドキュメンタリー「デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー」もおすすめです。
このドキュメンタリーが収録されているのがこちら↓

ブレードランナー メモリアル・エディション (初回限定生産/3枚組) [Blu-ray]
ハリソン・フォード
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-11-03



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銀魂

実写版 映画『銀魂』 オリジナル・サウンドトラック
江戸時代末期。宇宙からやってきた天人(あまんと)台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代でも侍魂を忘れずにいる坂田銀時は、ひょんなことから出会った新八、神楽と共に、何でも屋の万事屋を営んでいる。そんな時、江戸の町では、謎の辻斬りが出没。やがて事件を巡り、新八の姉の妙や攘夷志士の生き残り・桂小太郎、江戸の治安を守る特殊警察・真選組らを巻き込みながら、予想もしない騒動が起こり始める…。

パラレルワルールドの江戸を舞台に、普段は無類の怠け者だが、いざとなると仲間のために命がけで戦うヒーロー、坂田銀時の活躍を描く「銀魂」。原作は空知英秋の大ヒットコミックで、過去に劇場版アニメはあったが、今回は初の実写映画化となる。何でもありの原作の奇想天外テイストに加え、福田雄一監督の持ち味である、ユルいギャグ、ボケとツッコミ、出版社や配給会社をクロスオーバーした、権利ギリギリの他アニメネタまで詰め込んで、まさにお祭り状態だ。物語は、原作の中でも人気が高い「紅桜篇」をベースにしたおなじみのストーリーである。

高層ビルが連立し、エイリアンが闊歩する江戸の町で、ユルく生きる銀時たちが、大金目当てにカブト狩りに興じる冒頭から、ギャグ満載だ。何しろ原作から抜け出したかのような実写版のキャラクター再現率が高いので、ビジュアル的な満足度はかなり高い。いつもはだらしないがキメる時はキメるというギャップが魅力の銀時、終始シリアスな高杉、真面目なのに可笑しい、でも美しい桂など、キャストの配役はかなり成功していると見た。個人的には、着ぐるみ感丸出しのエリザベスのキャラが気に入っている(途中、少しだけセリフもある!)。幕府転覆を企てる高杉率いる鬼兵隊とのバトルのクライマックスは、あえて狙ったのか、CGが白々しすぎて物足りないが、何よりも作り手が楽しんでいるのが伝わってくるのがいい。名付けて、オールスターキャストの銀魂コスプレ大会。お祭り騒ぎを、つい堪能してしまった。
【60点】
(原題「銀魂」)
(日本/福田雄一監督/小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、他)
(キャラ祭り度:★★★★★)
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恐るべし!コッポラ・ファミリー

コラム現在、公開中の「ボンジュール、アン!」は、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の妻、エレノア・コッポラの長編劇映画監督デビュー作。夫のコッポラは言わずと知れた「ゴッドファーザー」シリーズや「地獄の黙示録」、「カンバセーション 盗聴」などで知られる名匠です。最近ではもっぱら製作者として…、というよりむしろ、実業家(ワイン作り)として忙しいみたいで、さっぱり新作映画を作ってませんが(笑)。

妻エレノアは「地獄の黙示録」の狂気の製作現場を記録したドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」を撮り、高い評価を得ていた人ですが、80歳を過ぎて、満を持しての劇場映画の監督デビューとなりました!

コッポラといえば、娘のソフィア・コッポラはすでに監督として、実績も人気も十分な実力派。ちなみに息子のロマン・コッポラも映画監督です。

コッポラの妹のタリア・シャイアは「ゴッドファーザー」(主人公マイケル・コルレオーネの妹コニー役)以外にも「ロッキー」(ロッキーの恋人エイドリアン役)にも出演した女優。父カーマイン・コッポラは作曲家で「地獄の黙示録」の印象的な音楽を手掛けています。甥にはオスカー俳優ニコラス・ケイジや個性派俳優ジェイソン・シュワルマンがいて、もう、ハリウッドの一大ファミリーという感じ。

エレノア・コッポラは、自分の実体験をもとに「ボンジュール、アン!」を作ったそうですが、夫コッポラや家族の多大な支えで完成させたそうです。二世俳優くらいなら沢山いるハリウッドですが、やはりコッポラ・ファミリーの才能は群を抜いています。映画のDNA、確かに受け継がれているんですね。

参考までに、傑作ドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」は、単体ではDVD化されておらず、「地獄の黙示録」のBOX版のみに収納されてます。機会があれば是非!

地獄の黙示録 BOX [Blu-ray]
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KADOKAWA / 角川書店
2017-06-30
地獄の黙示録 3Disc コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray]
マーロン・ブランド/
ジェネオン・ユニバーサル
2011-09-02


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裁き



インド、ムンバイ。ある日、下水清掃員の死体がマンホール内で発見され、間もなく、年老いた民謡歌手カンブレが拘束、逮捕される。容疑は、彼が歌った煽情的な歌が、下水清掃人を自殺へと駆り立てたという自殺ほう助の罪。不条理にも被告人となったカンブレの裁判が始まるが、弁護士、検察官、偽証をする証人たちが法廷で攻防を繰り返し、やがてインドの複雑な社会構造が浮き彫りになっていく…。

インド発の異色の法廷ドラマ「裁き」。1987年、ムンバイ生まれのチャイタニヤ・タームハネー監督は、インド映画新世代の旗手と言われている、若手監督だ。インド映画といえば、極彩色、歌あり踊りありのマサラ・ムービーというイメージが強いが、本作はまったくテイストが異なる。サタジット・レイ監督のような格調高い文芸ものかというと、それとも少し違う。法廷劇だが、熱血の弁護士が無実の被告のために熱弁をふるったり、ハラハラ、ドキドキの真実の追求といったサスペンス要素も少ない。歌によって自殺ほう助の罪を問われるという理不尽な裁判と、被告をとりまく人々の私生活を通して、インドの法制度の矛盾と、インド社会の複雑な問題を浮き彫りにするという、オリジナリティあふれる内容なのだ。

インドでは、宗教、言語、民族、階級など、さまざまな問題が存在し、表面的には廃止されたカースト制度は、今も絶大な影響を持つ。そんな背景を考えながら見ると、本作の主要テーマが、歌手のカンブレは自殺ほう助罪に問われるのか否か、ということよりも、インド社会の、偏見や不寛容、差別といった日常的な現実を描くことこそ本筋なのだと思えてくる。できるだけ公正な裁判を目指す弁護士も、100年も前の法律を持ち出して、裁判そのものをさっさと片付けようとする検察官も、共に私生活では問題を抱えている。他民族国家で長い歴史に培われたインド社会に、現代の人権問題や法制度をぶつけるというバリバリの社会派ドラマでありながら、映画のタッチは乾いたユーモアを感じさせる独特な作風だ。各地の映画祭で高い評価を得たという若き映画作家タームハネー監督の視点の鋭さを感じさせる。カンブレが逮捕される破壊活動を防止する法律に、日本における共謀罪が重なって見える人も少なくないだろう。無論、インドと日本では環境は大きく異なるが、本作で、法制度について改めて考えてみるのもいい。
【70点】
(原題「Court」)
(インド/チャイタニヤ・タームハネー監督/ヴィーラー・サーティダル、ヴィヴェーク・ゴーンバル、ギーターンジャリ・クルカルニー、他)
(混沌度:★★★★★)
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歓びのトスカーナ



イタリア、トスカーナ地方。緑豊かな美しい丘にある精神診療施設ヴィラ・ビオンディには、心に問題を抱えた人々がそれぞれの方法で社会復帰を目指して暮らしている。ベアトリーチェはこの施設の女王様的な存在で、大きな声で人々に指示を与えながら施設内を闊歩していた。ある日、やせ細った身体にたくさんのタゥーを刻んだ若く美しい女性ドナテッラが入所してくる。ルームメートになったベアトリーチェとドナテッラは、ひょんなことから施設を抜け出して旅に出ることに。何もかも正反対の二人だっが、旅の途中で互いの過去や心の傷を知り、絆を深めていく…。

トスカーナの精神診療施設から脱走した2人の女性の破天荒な逃避行を描くヒューマン・ドラマ「歓びのトスカーナ」。舞台は精神診療施設だが、日本でいう精神病院とはずいぶん異なる。自由な空間の中で、農業や手仕事を通して心の病に向き合いながら患者の自立を促すというものだ。最近では、同じくイタリア映画「人生、ここにあり」で、精神病院廃絶を決定したバザリア法成立後の患者の自立を描き、イタリアでの精神医療を生き生きと活写していたのが記憶に新しい。

本作のヒロイン二人は、外見も内面も何から何まで正反対だ。ベアトリーチェは裕福だが虚言癖があり、常にハイテンションで周囲を引っ掻き回す存在。一方、貧しい環境で生きてきたドナテッラは、過去のあるトラウマから自分の殻に閉じこもるローテンションの女性だ。定期的に安定剤等の薬の投与が必要だというのに、行き当たりばったりの逃避行に飛び出した二人の旅は、あぶなっかしいのに、なぜかキラキラしていて、幸せを求める冒険に思えてくる。とはいえ、二人は常に施設の職員から追われる身。けっこうハラハラさせられてしまうのだ。秀作「人間の値打ち」のパオロ・ヴィルズィ監督は、正反対の女性二人の友情物語から、自由に生きる素晴らしさ、過去の悲しみも含めて人生を肯定する勇気を歌い上げる。「テルマ&ルイーズ」を連想する車での逃避行、美しいトスカーナの風景と、ビジュアル的にも見応えがある佳作だ。
【65点】
(原題「LA PAZZA GIOIA/LIKE CRAZY」)
(伊・仏/パオロ・ヴィルズィ監督/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ミカエラ・ラマツォッティ、トンマーゾ・ラーニョ、他)
(友情物語度:★★★★☆)
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ライフ

Life
世界各国から6人の宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)に集結し、火星で採取された地球外生命体の細胞を極秘調査することに。医者のデビッド、検疫官のミランダ、航空エンジニアのローリーらは、脳と筋肉だけで構成された神秘的な生命体の生態に驚愕する。だが、生命維持装置の誤作動から、その生命体は人間を敵とみなし、圧倒的な生命力で宇宙飛行士たちの命を脅かす。6人は逃げ場のない宇宙で追い詰められていくが…。

地球外生命体の恐怖を描くSFホラー「ライフ」。内容は、傑作SF「エイリアン」に激似で、宇宙空間という密室サバイバルという設定は「ゼロ・グラビティ」という風に、既視感はあるものの、それでも映像の面白さや豪華キャストが意外な順番で命を落とす様、ラストのどんでん返しまで、それなりに見所が用意されている。まず火星から採取した地球外生命体のビジュアルだが、最初は何とも愛らしい。柔らかいクリーム色で小さな身体をひらひらさせる様子は、ちょっと“氷の妖精”ことクリオネを思わせる。だが、カルビンと名付けられたこの生命体は、相手が自分に危害を加えると判断するやいなや、すさまじい勢いで反撃・攻撃するのだ。あっという間に進化し成長したカルビンの目的はただひとつ、生き延びること。そのためなら流血、殺人、なんのその!だ。シンプルかつ強烈な、生存という目的のためには手段は選ばない。その意味で「ライフ」というタイトルは的を得ているのだが、この自然ドキュメンタリーのような、平和的な題名に騙されてしまう観客がいるのでは…と心配でならない。PG12指定なので、スプラッタ描写もふんだんに登場する。

地球外生命体との遭遇は、即、脅威! このメッセージにはいろいろと言いたいことはあるが、そもそも勝手に採取して研究しようという、上から目線の人類側にも問題があるのかも。いずれにしても「エイリアン」へのオマージュたっぷりの本作、あっと驚くラストは、ちょっと予想がつくとはいえ、背筋が凍るはずだ。やはり本家の「エイリアン」は偉大なSF作品だったのだと改めて感じさせてくれる1本に仕上がっている。豪華キャストが揃う中、日本人のシステム・エンジニア役の真田広之が、しっかり存在感を示しているのが嬉しい。
【55点】
(原題「LIFE」)
(アメリカ/ダニエル・エスピノーサ監督/ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、他)
(豪華キャスト度:★★★★☆)
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メアリと魔女の花

メアリと魔女の花 オリジナル・サウンドトラック
明るく活発だが、ちょっと不器用でおっちょこちょいの少女メアリは、自分のそんな性格や赤毛にそばかすというルックスを気にして不満を抱えていた。メアリはある日、森で7年に1度しか咲かないという不思議な花“夜間飛行”を見つける。その花はかつて魔女の国から種を盗み出された禁断の花だった。一夜限りの不思議な力を手に入れたメアリは、魔法大学エンドアへの入学を許されるが、メアリがついたひとつの嘘から、大事件に発展してしまう…。

魔女の国から盗み出された不思議な花を巡って少女が冒険を繰り広げるファンタジー・アニメーション「メアリと魔女の花」。原作は英国の女性作家メアリー・スチュアートの児童文学。ジブリ出身のスタッフが立ち上げた新しいアニメ制作スタジオ、スタジオポノックによる第一回長編作品だ。ビジュアルや世界観にジブリのカラーが色濃いので、既視感があるが、それは同時に、安心感でもある。ジブリの影響から離れるというのは容易なことではないということがよくわかるが、その中で、米村監督はヒロインの少女メアリのキャラクターに今までとは違うテイストを埋め込んだ。魔女や魔法をモチーフとしながらも、メアリはどこまでも人間の女の子。欠点や間違いだらけだが、それを含めて人間の存在を肯定し、運命を切り開くのは、魔法の力ではなく、自分自身なのだと高らかに歌い上げる。ただ、すべての魔法を無効にする力もまた魔法であるという点に矛盾を感じないでもない。いずれにしても、特別な力を持つことは、諸刃の剣で、それ相応の覚悟が必要だということだろう。

「私だって変わりたいんだから!」と叫んでいたメアリは、一晩の不思議な冒険で確かに成長した。ただ、これからメアリは、何度も人生の問題に向き合わなければならない。発展途上のメアリの姿に、新しい一歩を踏み出したアニメスタジオ、ポノックが重なって見える。これからどんな独自色を打ち出してくるのか、期待したい。
【60点】
(原題「メアリと魔女の花」)
(日本/米林宏昌監督/(声)杉咲花、神木隆之介、天海祐希、他)
(成長物語度:★★★★☆)
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ボンジュール、アン!

Paris Can Wait
映画プロデューサーとして成功している夫マイケルは、長年連れ添ってきた妻アンに無頓着で、仕事ばかり。いつも寂しい思いをしているアンは、ひょんなことから夫の仕事仲間でフランス人男性ジャックの車に同乗し、カンヌからパリへと向かうことになる。単なる移動のはずが、ジャックは、おいしい食事や、美しい風景などを楽しもうと、半ば強引にアンを連れまわす。最初は困惑していたアンだったが、次第にそのまわり道は彼女の人生を変える、充実したひと時になっていった…。

長年夫を支え、子育ても一段落した女性が、人生の岐路に立ち、パリへの旅を通して自分自身を見つめ直していくヒューマン・ドラマ「ボンジュール、アン!」。監督は、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の妻、ソフィア・コッポラ監督の母の、エレノア・コッポラで、80歳にして長編劇映画監督デビューとなった。デビューといっても監督としては秀作ドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」などを手掛けている実力派である。本作は、何でもエレノア自身の体験に基づいた物語ということで、ヒロインにはエレノア自身が投影されているそうだ。

仕事人間の夫は妻に無頓着、娘も学校を卒業した今「これから私、どうするの?」と自問していたところに、人生を楽しむ達人のフランス男が目の前に現れる。カンヌからパリへのドライブで見る景色は、美しいラベンダー畑など陽光あふれる風景で、食べ物は、料理も食材もワインもおいしそう。映画を発明したリュミエールの研究所や、世界遺産のサント・マドレーヌ大聖堂を訪ねたりと、名所めぐりのロケーションも第一級だ。そんな旅映画、グルメ映画の裏側にあるのは、ちょっぴりやきもきする大人同士の恋物語。互いに分別もあり、人生の悲しみも知っている二人は、少しずつ距離を縮めていく。そのゆったりとした落ち着きや大人の雰囲気が心地よい。アンはジャックに比べて臆病かもしれないが、アンに積極的にアプローチし人生を楽しむジャックのことは嫌いじゃないのだ。はたして目的地パリに着いたアンが出す答えとは?それは映画を見てのお楽しみだ。ダイアン・レインのナチュラルなたたずまいに好感が持てる。
【60点】
(原題「PARIS CAN WAIT」)
(アメリカ/エレノア・コッポラ監督/ダイアン・レイン、アルノー・ヴィアール、アレック・ボールドウィン、他)
(人生讃歌度:★★★★☆)
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ジョン・ウィック:チャプター2

John Wick: Chapter 2 [Blu-ray] [Import]
壮絶なリベンジから5日後。伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、マフィアの頭首である実の姉を殺してその後釜に収まろうと目論むイタリアン・マフィアのサンティーノから、姉殺しの依頼を受ける。ジョンは、一度は断るが、思い出深い自宅を木っ端みじんに破壊され、さらに、かつて殺し屋稼業から足を洗うためにサンティーノとかわした“誓印”に縛られて、やむを得ず引き受けることに。サンティーノの姉の殺害は成功するが、サンティーノは姉殺しの罪をジョンにきせた上、ジョンの首に高額の懸賞金をかけ、世界中の殺し屋にジョンを狙わせる。四面楚歌に陥ったジョンは、NYの独自の情報網と組織を束ねるキングの強力を得て反撃を開始するが…。

伝説の殺し屋の壮絶な復讐を描いてスマッシュ・ヒットを飛ばしたアクション・ムービーの続編「ジョン・ウィック:チャプター2」。前回、亡き愛妻が残してくれた子犬を殺された復讐のために屍の山を築いてみせたジョン・ウィックだが、それだけ妻への愛は深かったわけで、今回は妻との思い出がいっぱいつまった自宅を破壊され、怒り心頭だ。2代目の愛犬の命は守ったが、復讐のスイッチ、オン!である。だが一直線にリベンジというわけにはいかず、一旦は意に沿わない殺しの仕事のために、NYからローマへ。スタイリッシュなイタリアン・スタイルで銃やスーツを整える場面は、数々のガジェットが登場し楽しめる。殺し屋組織コンチネンタルのローマ支部の代表役に、渋いフランコ・ネロを配する気配りもニクい。

前作のヒットを受けて予算も倍増なのだろう、ロケ地やファッションだけでなく、アクションも前作に比べてグッとパワーアップしている。前作ではカンフーと銃撃を組み合わせたガン・フーが新鮮だったが、今回は加えて、ナイ・フー(ナイフ)、カー・フー(車)など、ギャグすれすれのアクションが満載だ。もちろん生身のアクションもあるが、超高級の特別仕様の武器で戦うかと思えば、身近な文房具の鉛筆さえも殺しの道具にする柔軟なスタイルに感心させられる。物語は各段にスケールアップしているが、やっていることは前作とまったく同じ。だが、この“スタイル”こそが孤高の殺し屋ジョン・ウィックなのだ。殺し屋組織を統括するコンチネンタルは、どうやら世界中にある様子。次回は、アジア?それとも南米?いずれにしても続編熱望である。
【65点】
(原題「JOHN WICK : CHAPTER 2」)
(アメリカ/チャド・スタエルスキ監督/キアヌ・リーヴス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン、他)
(スケールアップ度:★★★★★)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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