映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

Mr.&Mrs.スミス

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◆プチレビュー◆
ブラピとアンジーの公私混同演技もまた楽し。こんなに激しい銃撃戦なのに、ご近所は平気なのか?!…と、こういうヤボなことを言うヤツには、お気楽娯楽映画を見る資格はない。

ジョンとジェーンは運命的な出会いを経て電撃結婚。幸せな夫婦生活だが、最近ちょっぴり倦怠期。二人は表面は普通の生活をしているが、実はお互いに裏の顔を隠していて、二人とも凄腕の殺し屋なのだ。だが、そんなスゴい秘密を隠しとおせるわけはない…。

スターがスターらしい役柄を演じ、観客はそれを思う存分楽しむ。ハリウッドに昔から存在する映画のスタイルで本作はまさにそれ。いちいち派手に格好をつけながら、お約束のハッピーエンドへと強引になだれ込む。小難しい映画評論家からは鼻で笑われても大衆はこんな作品が大好きだ。そして映画は大衆のためにある。

小さなヒネリはあるものの、ストーリーはいたって単純明快だ。最初と最後をカウンセリング場面にしたのが上手い。観客は主演二人から秘密を打ち明けられているように感じて、ワクワクするだろう。お互いの正体を知った殺し屋は相手を消さねばならないが、この闘いを夫婦喧嘩の拡大版と解釈しているところがおもしろい。

殴り合い、銃撃、爆発、カーチェイスと何でもありだが、基本は強気のジェーンとひょうひょうとしたジョンのかけあいのおもしろさ。表面はアクション映画だが、中身はロマンチック・ラブコメディなのだ。それをブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーという美男美女が演じるのだから、おもしろくないわけがない。

□2005年 アメリカ映画 原題「Mr.& Mrs. Smith」
□監督:ダグ・リーマン
□出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー、ビンス・ボーン、他

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ハリー・ポッターと炎のゴブレット

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◆プチレビュー◆
おしゃれなフランスチーム、マッチョなブルガリアチームなど、キャラの設定もメリハリがあって楽しい。今回の目玉はもしやハリーの入浴シーン?!マートルに迫られアセる姿はファンには必見だ。

ハリー・ポッターは魔法学校の4年生に。今年は100年ぶりに三大魔法学校対抗試合が行われる。それに伴い、学校の代表選手を選ぶが、立候補した覚えのないハリーの名前がそこにあった。親友ロンとも気まずくなったハリーだったが…。

このシリーズは回を重ねるごとに暗くなる。本作は初めて英国人監督を起用し、全編にイギリスらしさを漂わせ、まるでゴシック・ホラーのようだ。冒頭から大迫力のクィディッチW杯の華麗な映像で魅了し、舞踏会では正装姿を見せるハリー達。そして邪悪な“闇の帝王”が遂に登場する。見せ場の連続で2時間37分はあっという間だ。

第4作は魔法版の青春映画といっていい趣。ハリー、ハーマイオニー、ロンは皆、お年頃で、それぞれの淡い恋が微笑ましい。しかも、恋の行方は結構ややこしいのだ。その分、対抗試合に出場する新キャラの描き方はあっさりとしたものになっていて、もっと活躍してほしいところだが、長尺のシリーズではそうもいかない。

炎のゴブレットに導かれたハリーの運命は、遂に邪悪なヴォルデモート卿の復活へとたどり着く。終盤の展開は極めて悲劇的だ。素晴らしい映像も手伝って映画はいよいよ子供より大人のものへとダークに変貌していく。ハリー・ポッターは、もはや子供ではいられないのだ。

□2005年 アメリカ映画 原題「Harry Potter and the Goblet of Fire」
□監督:マイク・ニューウェル
□出演:ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソン、レイフ・ファインズ、他

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銀河ヒッチハイク・ガイド

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◆プチレビュー◆
名作へのオマージュがたっぷりで、映画好きにはたまらないだろう。「さようなら、今までたくさんのお魚をありがとう」。あぁ、冒頭のイルカの歌が耳にこびりついて離れない…。

太陽系の銀河バイパス建設のため、障害となる地球は、あっさりと爆破されて跡形もなくなる。ひょんなことから地球人最後の生き残りになってしまった平凡な英国青年アーサーは、15年来の友人だが実は異星人だったフォードとともに、大ベストセラーの「銀河ヒッチハイク・ガイド」を片手に広大な宇宙へと冒険の旅に出る…。

アメリカ映画ではあるが、テイストは完全にイギリスのそれだ。皮肉なユーモアと風刺に富んだ内容は、幻のSF小説と呼ばれた同名小説の映画化。全編、ナンセンスな設定だが、不思議と哲学的な内容にも思える。

常識では考えられないキャラクターは、銀河系で最も無責任な大統領や、うつ病を患うロボット、限りなくお役所的で融通が利かないヴォゴン星人など、数え切れない。昔、ロンドンのパーティで知り合ったもののフラれてしまった美女トリシアまで加わって、謎に満ちた「42」の真実を求めて波瀾万丈の旅が続く。

主役級の俳優は、ほとんど無名なのに、脇役はアラン・リックマンやジョン・マルコビッチなど超豪華。全世界が長年の悲願であった小説の映画化だけに、すみずみまで気合が入っている。ものすごく才能がある人たちが、超バカバカしいことに、大真面目に取り組むと、こんな愉快な映画が出来るのだ。大作ぞろいの2005年のSF映画群の中で、ひときわ輝いている1本だと思う。

□2005年 アメリカ映画 原題「THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY」
□監督:ガーズ・ジェニングス
□出演:サム・ロックウェル、モス・デフ、ズーイー・デシャネル、他

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エリザベスタウン

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◆プチレビュー◆
キルスティン・ダンストは目つきが悪く可愛くない女優だが、おせっかいで変わり者のこの役では、とても魅力的。ただ、業務そっちのけで特定の客の世話をやくスチュワーデスというのは、いかがなものか?!

靴デザイナーのドリューは開発プロジェクトに失敗。想像もできない額の負債の責任をとらされ会社を解雇されてしまう。恋人にも去られ、さらに追い討ちをかけるような父の死の知らせ。自殺も覚悟の失意の彼は、小さな田舎町である故郷エリザベスタウンに向かう。そこで彼が出会ったものは…。

キャメロン・クロウ監督の映画は、いつだって音楽センスが抜群だ。それは彼自身が音楽評論家出身であることとも関係するが、何よりも映像に対する美意識が鋭いのだと思う。みずみずしい感覚は彼の最大の持ち味で、本作でも十分に生かされている。

大仰な役が多かったオーランド・ブルームを、挫折して落ち込んだ現代青年として再構築。本作で、この俳優の資質の素晴らしさが見えるはずだ。天然ボケのコメディセンスさえ感じるのは、独特の雰囲気を持つキルスティン・ダンストとの掛け合いの演技で生まれた魅力だと思う。

都会で生活に疲れ、田舎街の故郷で再生する物語は珍しくないし、展開も少々甘いのだが、その語り口が新しい。この映画は一種のロード・ムービーだが、旅が始まるのはラスト30分からという異例のスタイル。だがその旅はすこぶる内容が濃く、素晴らしくも忘れられないものなのだ。

□2005年 アメリカ映画 原題「ELIZABETH TOWN」
□監督:キャメロン・クロウ
□出演:オーランド・ブルーム、キルスティン・ダンスト、スーザン・サランドン、他

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ブラザーズ・グリム

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◆プチレビュー◆
ファンタジーとは本来おぞましいものを内包するものなのだと納得。「赤ずきん」や「白雪姫」などのおなじみのお話がブラックに散りばめられているのがグッドだ。

19世紀、フランス占領下のドイツ。インチキ魔物退治のからくりを見抜かれたグリム兄弟は、代償として森で起きた少女失踪事件の調査を命じられる。イカサマの魔物で賞金を稼ぎ世間を欺いてきた彼らは、本物の怪奇現象に遭遇することになるが…。

何しろ「出来上がった」作品を見せてもらえるだけでも感激だ。テリー・ギリアム監督は「ロスト・イン・ラマンチャ」で映画作りの地獄を味わい、それでも懲りずに映画を作ってくれる。今回は、童話で有名なグリム兄弟が実はペテン師だったという、いかにも彼らしい設定の物語だ。

インチキで魔物を演出していた彼らが本物の「恐ろしいもの」に出会い狼狽するが、その怪現象がどれも素晴らしい。移動しながら人を襲う森の木、実の娘より自分の欲望に忠実な父親はいまは狼の姿。極めつけは500歳の鏡の女王。世界一の美女といっても過言ではないM.ベルッチが、美と醜を使いわけて怪演する様子は必見だ。

幼児期のトラウマから屈折したグリム兄弟は森の魔力に打ち勝つことが出来るのか?現実主義の兄役のマット・デイモンと夢見がちな弟役のヒース・レジャー。本来なら逆の配役が普通だが、あえてミス・キャストにするところがギリアム流。このダーク・ファンタジー、私は大いに楽しんだ。

□2005年 アメリカ映画 原題「The Brothers Grimm」
□監督:テリー・ギリアム
□出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ、他

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ヘイフラワーとキルトシュー

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◆プチレビュー◆
かわいい作品だが、世界中の映画祭で山ほど賞をとっているからすごい。パン生地セラピーの場面が最高。

パパはじゃがいもの研究、ママは家事が全くダメ、5歳の妹キルトシューは超ワガママ。こんな一家の中で7歳になるヘイフラワーはただひとりのしっかりものだ。変人のご近所さんとのつきあいも含めて、彼女の負担は大きい。ヘイフラワーは近づいた自分の小学校入学にそなえてなんとか家族をまとめようとするが…。

常識とは無縁の家族をまとめる唯一の“常識人”ヘイフラワーが、我慢の限界を超えた時、彼女のストライキがはじまる。いい子の彼女の反抗スタイルは、全く口をきかず、自分勝手な行動に出ることだ。ヨーロッパらしいのは、親と子どもがある程度、距離を置いて生活していること。子どもに全てを捧げる日本の親とは違って、自分中心の大人たちが笑える。

北欧は児童文学の宝庫だけあって、子どもを描かせると実に上手い。原作の童話は全10巻からなる超人気シリーズで、ノポラ姉妹によるもの。原作者、監督、主人公と全て女性の感性が息づく作品となっている。耳慣れない不思議な響きのフィンランド語が音楽のようだ。

風変わりな大人たちのキャラも楽しいが、衣装や家具など、小道具が最高にポップで可愛い。さらに、おおらかで美しい自然に癒される。日本人にはなじみが薄いフィンランドだが、ムーミンの国といえばピンときた。カウリスマキだけじゃない。なかなか魅力的な国ではないか。

□2002年 フィンランド映画 原題「Hayflower and Quiltshoe」
□監督:カイサ・ラスティモ
□出演:カトリーナ・タヴィ、ティルダ・キアンレト、アンティ・ヴィルマヴィルタ、他

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ライフ・イズ・ミラクル

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◆プチレビュー◆
クストリッツアの不思議ワールドに突入したら、154分の長さは感じない。サッカー場のエピソードがかなり笑える。音楽はノースモーキング・オーケストラ。

1992年のボスニア。ルカは国境近くの片田舎に住む鉄道技師だ。妻と息子と3人で暮らすのんびりした村での生活が大いに気に入っている。しかしそんなのどかな村にも内戦の嵐がやってきた。息子は戦争に駆り出され、妻は突然、男と家出。ルカは取り残されながらも、どこか開放感を味わう。そんな中、ムスリム人の看護婦のサバーハが捕虜として村にやってきた…。

多くの犠牲を生んだユーゴの激しい内戦も、最初はただのケンカ騒ぎのように思われていたのだろうか。だが、その後の悲劇は世界中が知っている。ムスリム人のサバーハは、戦争で敵の捕虜となったルカの息子と交換する、価値ある人質だ。彼女とルカはやがて恋に落ちるが、愛する女性か、愛する息子かの選択はあまりに酷だ。実際にセルビア人男性の身に起きた、同様の話があるというから、笑えない話である。

まるで二人の守り神のように、多くの動物たちが登場する。家の中で入浴中の熊。ケンカ友達の犬と猫。悲運に見舞われるニワトリ。中でも重要な役目を果たすのは、失恋して絶望しているロバだ。このロバの起こす行動が、ラストに奇跡を生む。

悲しくて、可笑しくて、現実的だが、おどぎ話のような映画。クストリッツアの作品は、常に不思議なおおらかさに満ちている。希望こそ、彼の作り出すミラクルだろうか。ボスニア紛争の地で生まれた彼だからこそ作れる、愛の奇跡の物語だ。

□2004年 フランス・セルビア=モンテネグロ合作映画 英語原題「Life is a miracle」
□監督:エミール・クストリッツア
□出演:スラブコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック、ヴェスナ・トリヴァリッチ、他

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亀も空を飛ぶ

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◆プチレビュー◆
悲惨な中にもうっすらと漂うユーモアがこの監督の作品の魅力。怪しげな英語で大人たちからも頼りにされる主人公が、適当に訳すニュースが笑える。

2003年。イラク北部のクルディスタン村に住む孤児のサテライトは、村の子供たちを集めてアルバイトの元締めをやっている。ある日、村に、赤ん坊を連れた少女アグリンが、両腕がない兄ヘンゴウとともにやってくる。サテライトは彼女に一目惚れするが、アグリンは心を閉ざしていた…。

腕や足のない子供、目が見えない子供がなんと大勢登場するのか。これがイラン・イラク国境地域の真実の姿なのだ。なぜなら、主人公サテライトと仲間たちのアルバイトとは、村に埋められた地雷を除去して売るという極めて危険なもの。アメリカびいきの彼は米国製の地雷にこだわっているが、そんな問題ではないだろうといいたくなる。だが、命がけの作業で得る僅かな代金は、彼等の貴重な現金収入なのだ。

村にやってきた難民兄妹に惹かれるサテライト。兄には予知能力があるという設定がマジカルだが、中東には「孤児は預言者だ」という考え方があるらしい。しかし、彼の見る未来は、あまりにもつらいものばかりだ。どうしても超えられない悲しみを経験してしまった難民兄妹の姿が、目にやきついて離れない。

汚れた文化といいつつ情報は米国に頼るしかない。さらに、戦争を終わらせるためには大国の力が頼りだが、米国の介入に希望がないことも、彼らは知っている。まさに悲劇だ。自身もクルド人であるゴバディ監督は、いつも弱者に視線を向けて映画を作る。戦争の被害者はいつだって子供たち。それでもくったくなく、たくましさを感じる彼らの姿が、物語の唯一の希望だ。

□2004年 イラン・イラク合作映画 英語原題「Turtles can fly」
□監督:バフマン・ゴバディ
□出演:ソラン・エブラヒム、ヒラシュ・ファシル・ラーマン、アワズ・ラティフ、他

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シン・シティ

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◆プチレビュー◆
けれん味たっぷりのバイオレンス・アクション。残酷でエグい場面が多いにもかかわらず、白黒であることと、あまりにシュールなので、残虐性はあまり感じない。

憎しみと裏切りの街、シン・シティ。この街で3人の男がそれぞれ愛する女のために命がけの闘いを挑むことになる。仮出所中のマーヴは、唯一優しくしてくれた高級娼婦ゴールディのために。ドワイトは、娼婦のボスで昔の恋人ゲイルのために。ハーディガン刑事は少女の日からずっと見守ってきたナンシーのために。それぞれの愛はどんな結末を迎えるのか…。

白黒で撮られたスーパー・バイオレンス映画は、ひたすらクール。特にパート・カラーと呼ばれる、一部分だけに色をつけた映像は、現実とかけ離れた劇画の世界に観客を引きずり込む。モノトーンに浮かぶのは、真っ赤なドレス、青い瞳、光で照らされた顔。ハードボイルドな世界観を完璧に活かすため、セリフやカット割はほぼコミックスを忠実に引用。これはもう、動く劇画と呼んでもいい。

3つのエピソードからなる物語は、わずかに重なる部分があるが、基本的に独立したストーリー。個性的で豪華なキャストは、特殊メイクで本人と分からない人もいる。これも原作のイメージを重視した結果だ。男も女もイノセントでは生きられない罪の街。昨今ハリウッドで奨励される家族愛などは、きっぱり断ち切ったストーリーが潔いではないか。

いちいちけれん味たっぷりのこの映画、好き嫌いははっきりと分かれるだろう。この表現はありふれているようだが、今まで見たことがない映像だ。劇場の大画面で見る価値は大いにある。

□2005年 アメリカ映画 原題「SIN CITY」
□監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー、クエンティン・タランティーノ
□出演:ブルース・ウィリス、ジェシカ・アルバ、ミッキー・ローク、他

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運命じゃない人

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◆プチレビュー◆
最高の脚本。ただ、便利屋やまちゃんにも、ラストのオチがあったら嬉しかった気も。エンドロールが始まってから、とびきりのシーンが用意されているので、最後まで見てほしい。

平凡で気弱な宮田は、他人を疑うことなど知らない、絶対的な“いい人”だ。親友で探偵の神田は、そんな彼が心配でたまらない。一見、何の係わりもなさそうな、レストランでナンパした女の子やヤクザの親分。彼等は、宮田の元恋人で女詐欺師のあゆみが大金を持ち逃げしたことで、運命の一夜を共有することになる…。

ひとつの出来事を、複数の人物の視点で描き分ける。別に新しい手法ではないが、この作品は、あまりにも上手い。コメディ、ラブ・ストーリー、サスペンスと様々な色を帯びるのは2000万円強奪の謎。軸になるのは男の純情だ。時間を巻き戻すたびに、パズルのピースがはまっていく。あっという間に、物語に引き込まれてしまった。

主人公の宮田のキャラが何といっても最高だ。周囲にとっては命がけの、怒涛のような時間も、彼には新しい恋がはじまるときめきの瞬間。最高に笑えるのは、彼の周りの人々、とりわけ、親友の神田はボロボロなのに、何も知らない宮田はニコニコしていること。複雑な時間軸のからまりと、メリハリの利いた人物描写が最大の魅力だ。

全てを知っているのは、他ならぬ私たち観客だけ。何気なく通る車や散らかしたファイル、ダンボールの箱の中身の意味を知る側としては、ハラハラ、ニヤニヤ。あぁ、快感。こんな洒落た脚本は久しぶりである。日本映画の未来は明るい。第14回PFFスカラシップ作品。

□2004年 日本映画
□監督:内田けんじ
□出演:中村靖日、霧島れいか、山中聡、他

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