映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャスティス・リーグ」「火花」「ギフテッド」「光」etc.

月の輝く夜に

月の輝く夜に
満月の輝きは人の理性を狂わせる?!婚約したばかりの未亡人ロレッタは、フィアンセの弟と恋に落ちてしまう。家族のつながりが強いイタリア人たちが、月の魔法にかかって騒動を巻き起こすが…。

N.ケイジとシェールのカップルが向かうのはNYのメトロポリタン歌劇場。演目はプッチーニの「ラ・ボエーム」。ドレスアップして鑑賞するオペラは悲劇的なもので、愛し合いながらも別れようとする二人の心にしみる。

大人のユーモアが満載のロマンチック・コメディでありながら、家族の絆も描く秀作。人生を諦めかけていたシェールがオペラ鑑賞のために髪を染め、美しく変身する様がいい。オペラの筋を映画と上手くからませたのも上手い。

(1987年/アメリカ/ノーマン・ジュイソン監督/原題「Moonstruck」)

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ゴッド・ファーザー PartIII

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イタリア系マフィアである、コルレオーネ家の3男マイケルを中心とした一大叙事詩。家族愛が根底に脈々と流れるドラマは、凄惨な場面を美しい映像で描き出す。PartIIIの舞台はNYとイタリア。

マイケルの息子は成長し、マフィアではなくオペラ歌手に。劇中に登場するのはシチリアを舞台にしたオペラで、マスカーニ作曲「カヴァレリア・ルスティカーナ」。暗殺を描くオペラの場面と、映画が見事にシンクロする。

シリーズ完結編である本作では、老境のマイケルの苦悩と、若者達の悲恋、ヴァチカンの陰謀劇など、華麗な物語が展開。ソフィア・コッポラの大根演技が残念ではあるが、ラスト、隠遁し、陽だまりの中で椅子から崩れ落ちる主人公マイケルの姿は、決定的な敗北を意味する。

(1990年/アメリカ/フランシス・フォード・コッポラ監督/原題「THE GODFATHER PARTIII」)
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ティファニーで朝食を

ティファニーで朝食を
NYで気ままに暮らす高級娼婦ホリーは年上の女性のツバメで作家志望の青年ポールと知り合う。ホリーのお気に入りはティファニー宝石店。しかし、ホリーの過去が明らかになり、ポールも自分の人生を見つめ直していく…。

ホリーはアパートで茶色のトラじまのを飼っているが、この猫は名無しで、いつも“キャット”と呼ばれている。名前はなくても、ラストシーンの雨の中で恋の成就に一役かう芸達者なのだ。

オードリーのファッションが見所で、原作はトルーマン・カポーティ。原作とは違うハッピーエンドと、最初のキャスティングはM.モンローだったことが有名だ。ヘンリー・マンシーニの名曲ムーン・リバーが忘れ難い。

(1961年/アメリカ/ブレイク・エドワーズ監督/原題「Breakfast at Tiffany's」)

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ティファニーで朝食を@ぴあ映画生活

スタンド・バイ・ミー

スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション
何かしら家庭に問題を抱える4人の少年達は、強い仲間意識で結ばれていた。ある日、町はずれの森の中に、行方不明になった少年の死体があると聞き、さっそく探しにいくことに。それは4人とって、初めての冒険の旅だった…。

主人公は仲間との旅の途中で、早朝、鹿に遭遇する。線路脇にふいに出てくる1匹の鹿。しばらく見つめあった後、鹿は静かに去っていくが、このことを少年は大切な宝物のように仲間には言わずにおく。

死体探しという題材はいかにもスティーブン・キングらしい。旅の途中で彼らの悩みが語られ、まだ幼い少年たちなりの人生の壁を見る。ベン・E・キングの名曲にのせてさわやかに綴る、懐かしくも切ない物語だ。

(1986年/アメリカ/ロブ・ライナー監督/原題「STAND BY ME」)

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アモーレス・ペロス

アモーレス・ペロス スペシャル・コレクターズ・エディション
メキシコ・シティを舞台に1つの交通事故で結びつく3つの物語を、微妙に交差するオムニバス形式で描く。一見、住む世界が違うかのような人々は、皆、等しく愛に苦しんでいるのだが…。

アモーレス・ぺロスとは直訳すると「犬のような愛」の意味。劇中に沢山登場するたちは、人間たちの分身のようでもある。血まみれの闘犬、閉じ込められた室内犬、捨て犬…。過酷な運命を暗示するのは犬たちだ。

都市の暴力性と運命に翻弄される人間、そしてそれを乗り越えたときに見える希望を、力強く描く。汗や血が匂ってくるような映像も目に焼きつく。完成度の高い脚本が素晴らしい。

(1999年/メキシコ/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督/スペイン語原題「AMORES PERROS」)

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素敵な歌と舟はゆく

素敵な歌と舟はゆく
パリ郊外に住むブルジョア一家。息子のニコラは浮浪者と意気投合。父親は窮屈な生活を嫌い、母親はビジネスに熱中する。それぞれの視点から人生とは何かを考えるが…。

パーティ好きの母親が室内で飼っているペットの鳥はマラブー。マラブーとは大型コウノトリで、その鳥の存在は、なんとも不思議な世界を醸し出している。この世には、現実とは違和感があるものが明らかに存在している。

群像劇の形式をとっている本作。独特のユーモアとゆったりとした流れの作風が心地よい。登場人物の多さに反比例して、セリフは少ない。動物と乗り物が多く登場し、人間は皆寡黙でちょっと寂しそうだ。

(1999年/フランス・スイス・イタリア/オタール・イオセリアーニ監督/仏語原題「Adieu Plancher des vaches!」)

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リストランテの夜

Big Night リストランテの夜(字幕)
イタリア移民の兄弟が経営するレストラン。芸術家肌の兄は、味に対して妥協せず、アメリカ人好みの料理を断固として拒否するが…。

美食で知られる街ボローニャ出身の兄弟が作る料理は、様々な食材を詰めたパスタ包み焼ティンパーノ。名前の由来はティンパニーで、洗面器で作る非常に豪快な郷土料理。もともとは残りものを詰めていたらしい。

店の宣伝のために、なけなしの金をはたいて催す豪華なパーティには、兄弟それぞれの恋模様もからむ。いろいろ意見は違っても、やっぱり強い絆を確かめ合う兄弟の姿がいい。

(1997年/アメリカ/スタンリー・トゥッチ及びキャンベル・スコット共同監督/原題「BIG NIGHT」)

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活きる

活きる 特別版
40年代の中国。賭けに負けて全財産を失った資産家の息子フークイとその妻、そして子供たち。歴史の波に翻弄され、幸せと悲劇が交互に訪れながらも、一家は前向きに生きていく…。

子供たちの大好物は餃子。中国では蒸し餃子が一般的なようで、暮らし振りが貧しくなってからもアルミのお弁当箱に入れて、餃子を食べている。亡くした子供の墓に備えるのも、やはり湯気のたつ餃子だ。

一庶民の家族愛を軸に、現代中国史の流れを的確に描写。夫婦と2人の子供の姿には涙を誘われる。チャン・イーモウ監督の映画の中でも非常に完成度の高い作品である。

(1994年/中国/チャン・イーモウ監督/中国語原題「活着」)

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ショコラ

ショコラ【廉価2500円版】
この映画の重要な食べ物はチョコレート。タイトルもそのまま、チョコレートを意味する「ショコラ」となっている。

フランスの田舎街で、小さなチョコレート屋を開いた女性ヴィアンヌ。彼女が売る不思議なチョコレートが、因習に閉ざされた村の人々を幸せに導いていく、あたたかいファンタジーだ。ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、レナ・オリン、アルフレッド・モリーナ、ジュディ・デンチなど、国際的な豪華キャストが贅沢だ。

主人公ヴィアンヌは客との会話から好みを探り、また、彼らに何が必要かを考えて、絶妙のチョコレートを選んで薦める。また、彼女が作るチョコレートはどれも独特の味付けがなされているのだが、特に驚くのは、唐辛子を入れたチョコレート。ホット・チョコレートにチリ・ペッパーを入れたりする。映画の中では、これが「愛の妙薬」として効果を発揮した。

チョコレートは、かつての高級品カカオを使うことから、中世の欧州では上流階級の特権的食べ物だった。手軽に庶民の口に入るようになった今でも、生活を、時には人生を、少しだけ幸せにしてくれる不思議な味は変わらない。

チョコレートは、映画の中で、可愛くて華やかな、また重要な小道具として登場することが多い。映画「フォレスト・ガンプ」では“人生はチョコレートの箱のよう。開けて食べてみないと中身はわからない”という名セリフがあった。他に「チャーリーとチョコレート工場」もチェックしたい。

(2000年/アメリカ/ラッセ・ハルストレム監督/原題「Chocolat」)

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セブン・イヤーズ・イン・チベット

セブン・イヤーズ・イン・チベット〈ニューマスター版〉 [DVD]セブン・イヤーズ・イン・チベット〈ニューマスター版〉 [DVD]
実在の登山家ハインリヒ・ハラーと若き日のダライ・ラマの魂の交流を描くヒューマン・ドラマ。

1939年。オーストリアの世界的登山家ハインリヒ・ハラーは、世界最高峰の制覇を目指してヒマラヤ山脈へと向かった。途中、第二次世界大戦の影響で、イギリス軍によってインドで捕らえられるが、ハラーは収容所を脱走し、同国人のアウフシュナイダーと共に、外国人にとっては禁断の地チベットへたどり着く。ハラーは、そこで若きダライ・ラマの教師となり、神秘の国チベットで7年もの歳月を過ごすことになる…。

登山家としての名誉と夢だけを追い続けていた自己中心的な主人公ハラーは、美しいチベットの地で、自らを再発見し、魂の再生を体験することになる。西洋文明に大きな関心を示す若きダライ・ラマとの心の交流は、中国のチベット侵略という激動の末に、ハラーが1951年にチベットを去ることで終止符を打つ。ラサを去るハラーは、現地の女性と結婚しこの地にとどまる友アウフシュナイダーと別れを交わすが、その時に飲んでいるのが、チベットのバター茶・チベタン・ティーだ。タン茶という発酵して固めたお茶をお湯で煮出し、それをドンモと言われる攪拌機に入れバターと塩と一緒にかき回して作る。シャルパ族やチベット系住民がよく飲むとチベット独特の飲み物だ。劇中、ハラーがこのチベタン・ティーをまずそうに我慢して飲んでいるのが微笑ましい。

黄金に輝くポタラ宮殿や、世界の屋根ヒマラヤ山脈の壮麗な風景など、映像もすばらしい。信仰のもとに生きるラサの人々の純潔な精神は主人公ハラーならずとも心が洗われる思いがするはずだ。一方で、中国によるチベットへの暴挙とチベット人への虐待をも正面から描く本作は、中国政府の強い抗議により、第10回東京国際映画祭で上映中止に追い込まれたことも話題に。主人公の人間的な成長を描きながら、神秘の国チベットとその文化の紹介、この国が今も受け続ける受難を描きこんだ力作だ。

(出演:ブラッド・ピット、デイヴィッド・シューリス、B・D・ウォン、他)
(1996年/アメリカ/ジャン=ジャック・アノー監督/原題「Seven Years in Tibet」)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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