映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「カンフー・ヨガ」「勝手にふるえてろ」「ダンシング・ベートーヴェン」etc.

セブン・イヤーズ・イン・チベット

セブン・イヤーズ・イン・チベット〈ニューマスター版〉 [DVD]セブン・イヤーズ・イン・チベット〈ニューマスター版〉 [DVD]
実在の登山家ハインリヒ・ハラーと若き日のダライ・ラマの魂の交流を描くヒューマン・ドラマ。

1939年。オーストリアの世界的登山家ハインリヒ・ハラーは、世界最高峰の制覇を目指してヒマラヤ山脈へと向かった。途中、第二次世界大戦の影響で、イギリス軍によってインドで捕らえられるが、ハラーは収容所を脱走し、同国人のアウフシュナイダーと共に、外国人にとっては禁断の地チベットへたどり着く。ハラーは、そこで若きダライ・ラマの教師となり、神秘の国チベットで7年もの歳月を過ごすことになる…。

登山家としての名誉と夢だけを追い続けていた自己中心的な主人公ハラーは、美しいチベットの地で、自らを再発見し、魂の再生を体験することになる。西洋文明に大きな関心を示す若きダライ・ラマとの心の交流は、中国のチベット侵略という激動の末に、ハラーが1951年にチベットを去ることで終止符を打つ。ラサを去るハラーは、現地の女性と結婚しこの地にとどまる友アウフシュナイダーと別れを交わすが、その時に飲んでいるのが、チベットのバター茶・チベタン・ティーだ。タン茶という発酵して固めたお茶をお湯で煮出し、それをドンモと言われる攪拌機に入れバターと塩と一緒にかき回して作る。シャルパ族やチベット系住民がよく飲むとチベット独特の飲み物だ。劇中、ハラーがこのチベタン・ティーをまずそうに我慢して飲んでいるのが微笑ましい。

黄金に輝くポタラ宮殿や、世界の屋根ヒマラヤ山脈の壮麗な風景など、映像もすばらしい。信仰のもとに生きるラサの人々の純潔な精神は主人公ハラーならずとも心が洗われる思いがするはずだ。一方で、中国によるチベットへの暴挙とチベット人への虐待をも正面から描く本作は、中国政府の強い抗議により、第10回東京国際映画祭で上映中止に追い込まれたことも話題に。主人公の人間的な成長を描きながら、神秘の国チベットとその文化の紹介、この国が今も受け続ける受難を描きこんだ力作だ。

(出演:ブラッド・ピット、デイヴィッド・シューリス、B・D・ウォン、他)
(1996年/アメリカ/ジャン=ジャック・アノー監督/原題「Seven Years in Tibet」)

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満月の夜

Full Moon in Paris (Sub)      満月の夜【字幕版】
パリ郊外で同棲しているカップルが主人公。ルイーズは夜遊びしたいがためにパリに部屋を借りる。自由を謳歌し、妻子持ちの男性やパーティで知り合った年下の青年と時を過ごすが…。

主人公ルイーズはインテリアデザイナー。主演のパスカル・オジェが劇中の室内装飾も担当している。近未来的な郊外の家。建物の色彩は青と白の二色構成だ。映画の中のパリの部屋はどれも素敵に見える。

“2人の女を持つ者は魂を失い、2軒の家を持つ者は理性を失う”。この格言をロメール風に掘り下げたのがこの映画。スノッブな若い女性を皮肉る視線が随所に見られる。

(1984年/フランス/エリック・ロメール監督/仏語原題「Les Nuist de la Pleine Lune」)

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アメリカン・サイコ

アメリカン・サイコ
バブル絶頂期の1980年代のNY。若きエリートのパトリックは、全てに満たされた生活を送っているにもかかわらず、精神的に満たされない。そんな彼の唯一の解放は殺人だった…。

ウォール街の一流会社に勤めるパトリックの住まいは高級マンション。バブル期のNYの嗜好を反映して部屋の中はモノトーンで統一されている。エクササイズの道具も揃え、壁にはロバート・ロンゴの絵画が飾られている。

典型的なヤッピーの生活をデフォルメして描く本作は、あまりにショッキングな内容のため、映画化は不可能とまで言われていた。病んだ彼らの救いは主にドラッグだが、それは物質的な豊かさがまいた種なのだ。

(2000年/アメリカ/メアリー・ハロン監督/原題「AMERICAN PSYCHO」)

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家族の肖像

家族の肖像 デジタル・リマスター 無修正完全版
ローマの優雅な豪邸に住む老教授は他人との接触を嫌って孤独に暮らしていたが、肖像画を媒介として間借り人を受け入れることに。彼の平穏な生活は崩れ、混乱に巻き込まれていく…。

老教授の屋敷の壁一面には、コレクションである家族団らんを描いた絵が飾られている。暴漢に襲われた同居人の青年を介抱する部屋は、戦時中に亡命者やユダヤ人をかくまうために母親が作らせた、秘密の隠れ部屋の書斎。

全編が室内で撮影されている本作。ヴィスコンティ自身を投影するような孤独感、家族への憧憬、若い世代との葛藤に溢れ、まさに敗北のドラマが展開する。

(1974年/イタリア・フランス/ルキノ・ヴィスコンティ監督/原題「Conversation Piece/ Gruppo di Famiglia in un Interno」)

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カンダハール

Kandahar (Sub) カンダハール
アフガニスタンからカナダに亡命した女性が、故郷に住む妹から自殺をほのめかした手紙を受け取る。彼女はなんとか妹を救うべく、身分を隠して戦渦の土地を旅するが…。

アフガニスタンの女性がかぶる独特のベールはブルカと呼ばれるもの。女性は顔をさらしてはいけないのだ。形容し難い閉塞感と偽りの安堵が漂う。ブルカは実に色鮮やかで、女性たちはその下でもきちんと化粧をしている。

物語は、主人公が妹に会えるのかどうかということから次第に離れていく。義足を奪い合うシーンは鮮烈。偽りのないアフガンの実像がここにある。

(2001年/イラン・フランス/モフセン・マフマルバフ監督/原題「Safar E Gandehar」)

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天国の口、終りの楽園。

天国の口、終りの楽園。
17歳の二人の少年が、年上の女性ルイサを誘って、美しいビーチを目指す。“ヤリたい”さかりの2人をルイサは軽くあしらうが、彼女には大きな秘密が…。

劇中でルイサがまとう腰を隠す布はパレオ。水着の上から羽織ったりする布で様々な用途に使える便利モノ。もともとは熱帯、亜熱帯地方で用いられたもので、衣服の原型ともいえる。

少年たちにひと夏のほろ苦い思い出を残したルイサは、腰に巻いたパレオをほどいて、海に入る。太陽が降り注ぐ美しい海は、ルイサを優しく抱きしめて受け止める。少年たちはもう二度と彼女に会うことはないのだ。

(2001年/メキシコ/アルフォンソ・キュアロン監督/スペイン語原題「Y Tu Mama Tambien」

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イノセント

イノセント 無修正版 デジタル・ニューマスター
19世紀末のローマの社交界、貴族のトウリオは、ジュリアーナという美しい妻がいながら伯爵夫人テレーザと浮名を流していた。だが、ジュリアーナが他の男の子供を身ごもっていると知った時、妻への情熱が蘇る…。

作家ダルボリオとの逢引に向かうジュリアーナがかぶるベールが美しい。妻が夫に隠し事をする秘密めいた雰囲気を醸し出すのは繊細なレースのベール。19世紀イタリア貴族の優雅な衣装も見所。

絢爛豪華で官能的な世界が展開。物語は、幼児殺しという罪から、それぞれの運命の悲劇へと収束していく。人間の業を最後まで描き続けた、ヴィスコンティ、渾身の遺作。

(1975年/イタリア/ルキノ・ヴィスコンティ監督/伊語原題「L'Innocente」)

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地獄の黙示録・特別完全版

地獄の黙示録
地獄の黙示録 特別完全版
オリジナルは1979年に劇場公開、2002年に監督によって未公開シーンを追加した特別完全版が公開された。

特別完全版の方が断然好みだが、オリジナルと完全版の2つは切り離せない。ストーリー、キャスト、映像、音楽。どれをとっても一級品。撮影をめぐる数限りないトラブルが、結果的に画面に異様なまでの迫力を生んでいる。

戦争によって狂気に陥った人物たちは、根本的に同種で、戦争に疲れ、戦争の欺瞞を嫌悪し、それでいながら戦争という枠の中でしか生きられない。ロードムービーの形で進む物語は主人公の自分探しの旅であり、オイディプス王とオデュッセイアの混合でもある。難解なラストも完全版では追加されたエピソードによって理解しやすくなっている。名撮影監督V.ストラーロの映像が素晴らしい。

1979年のオリジナル版はカンヌでグランプリ受賞。CGをいっさい使わない本物の迫力も見所。この映画の評価は賛否両論ながら、良し悪しとは別に“凄い”映画であることは、誰もが認めるところだ。

(2002年/アメリカ/フランシス・フォード・コッポラ監督/原題「Apocalypse Now REDUX」)
(出演:マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュバル、デニス・ホッパー、他)

映画レビューは、こちらから。

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アマデウス

アマデウス
ミロス・フォアマン監督の力作。アカデミー作品賞受賞。天才モーツァルトを、同時代に生きた作曲家サリエリの視点から描く。

歴史ものはヨーロッパ映画に限ると思っているが、時にはこういう傑作もアメリカから生まれる。ストーリーといい、衣装といい、音楽といい、絢爛豪華の一言につきる。モーツァルトは謎が多い作曲家で、事実墓も遺体もない。秘密結社フリーメイソン暗殺説が最も有名だが、新解釈とフィクションを交えてサリエリの計画殺人説を映画として完成させた。

天才の才能を理解できる凡人サリエリの苦悩と嫉妬を描く。明るく軽やかな音楽のイメージのモーツァルトの別の一面も描き興味深い。

(1984年/アメリカ/ミロス・フォアマン監督/原題「Amadeus」)

◎参考
モーツァルトの死因は様々な説があり、サリエリによる毒殺説の他、アルコールの多量摂取や性病の治療として使われていた水銀が致死量に達していた事、また当時モーツァルトが関与していた秘密結社フリーメイソンによる暗殺説など、諸説があり、真実は謎のままです。また、レクイエムを注文したのはサリエリではないことは歴史上確認されています。共同墓地に葬られたため、現在の墓には彼の遺体はありません。

◎1984年度アカデミー賞8部門受賞
○作品賞 ○監督賞 ○主演男優賞 ○脚色賞 ○美術監督賞 ○音響賞 ○衣装デザイン賞 ○メイクアップ賞

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モロッコ

モロッコ
もはや古典中の古典。監督はジョセフ・フォン・スタンバーグ、マレーネ・ディートリッヒとゲーリー・クーパー主演の恋愛映画の傑作だ。過去を捨てた外人部隊の男と、歌手の女の刹那的な恋を描く。

タキシードの男装で歌うマレーネ、クーバーが鏡に“グッドラック”と口紅で書くシーン、真珠の首飾りが切れて床に飛び散る場面など、名場面のオンパレード。大富豪を演じるアドルフ・マンジューも渋い。そして砂漠の砂に足をとられながら、ハイヒールを脱ぎ捨てて裸足で男のあとを追う、あまりにも有名なラストシーンなど、後の映画に与えた影響ははかり知れない。

日本で初めてスーパーインポーズ(映画のフィルムに字幕を焼き付ける技術)が取り入れられた記念碑的な作品としても有名。

(1931年/アメリカ/ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督/原題「Morocco」)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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