映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「あさひなぐ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「プラネタリウム」「ユリゴコロ」etc.

ローサは密告された



フィリピン、マニラのスラム街。家族経営の小さなコンビニを夫婦で営みながら、4人の子供を育てるローサは、貧しい生活を支えるため、少量の麻薬を売って生計を立てていた。だがある日、突然警察の男たちがやってきて夫婦は逮捕されてしまう。何者かがローサを警察に売ったのだ。警察署では巡査や巡査部長らが「20万で手を打ってやる。金がないなら、麻薬の売人を売れ」と迫る。ローサは売人のジョマールの名前を挙げ彼は逮捕されるが、警察はジョマールにも金を要求。彼が払えない分の5万をローサ夫婦に支払えと迫った。ローサの子どもたちは、腐敗した警察から両親を取り戻すため、金策に走り回るが…。

フィリピンを蝕む麻薬と堕落した警察の実態、その中で懸命に生きる家族の絆を描く人間ドラマ「ローサは密告された」。国際的に評価が高いフィリピンの実力派ブリランテ・メンドーサ監督による本作は、まるでドキュメンタリーのようにリアルで生々しい。マニラのスラム街で生きるローサは、働き者でご近所でも人気者の肝っ玉母さんのような女性だ。小さなコンビニでは、雑貨や食料品と同じ感覚で麻薬が売られている。あまりにも生活に浸透した麻薬汚染問題は、フィリピンが抱える深刻な病巣だが、スラムで生きる貧しい人々はこの商売で生きているのだ。問題はかなり根深い。

根深いのは、警察の腐敗ぶりも同じだ。さまざまな国の警察組織の汚職や腐敗は繰り返し映画で描かれてきたが、本作の堕落ぶり、モラルのなさは群を抜く。誰かに密告させて逮捕した人間に、法外な口止め料(見逃し金)を払わせ、別の誰かの名前を聞き出し、また逮捕、金を要求。ローサもまた密告されたわけだが、それは繰り返される“おなじみの出来事”に過ぎないのだ。自分や家族を守るためには、誰かを密告するしかない。この負のスパイラルの元凶が警察組織なのだから、もはやため息さえ出ない。降り続く雨の中、両親のために金策に走る子どもたちが金をかき集めるシークエンスでは、マニラの貧困層の、麻薬とはまた別の素顔が浮かび上がる。本作が優れているのは、社会派のテーマを内包しながらも、家族の絆を描くドラマが秀逸で胸を打つからだ。何が何でも家族を守ると決めたローサの生命力と家族愛は、堕落しきった警察の姿と対をなして、鮮烈に記憶に残る。ローサを演じたジャクリン・ホセは存在感が圧倒的で、本作でカンヌ国際映画祭主演女優賞を受賞。ラスト、瞳にうっすらと涙をにじませるローサだが、それでもやっぱりお腹はすくし、明日もまた生きていかねばならないのだ。厳しい現実の中でもタフなローサに、一筋の希望の光が見えるようだった。
【80点】
(原題「MA'ROSA/Palit Ulo」)
(フィリピン/ブリランテ・メンドーサ監督/ジャクリン・ホセ、フリオ・ディアス、マリア・イサベル・ロペス、他)
(リアリティ度:★★★★★)
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仏の大女優ジャンヌ・モロー、死去

おくやみ2017年7月31日、フランスの大女優、ジャンヌ・モローが死去しました(死因は老衰との発表)。

ヌーベルバーグの時代に、多くの名監督たちの作品に出演し、国際的な名声を得ました。その頃の代表作は、ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」やフランソワ・トリュフォーの「突然炎のごとく」など、多数あります。

フランスの監督の作品だけでなくイタリアの名匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「夜」や、スペイン出身の鬼才ルイス・ブニュエル監督の「小間使いの日記」なども有名。ジョセフ・ロージー監督や、オーソン・ウィルズ監督とも組んでいます。まさに国際的な名匠に起用された大女優と言えますね。

印象に残るのは悪女役を演じた時のすごみでしょう。「エヴァの匂い」と「マドモアゼル」の2本は、トラウマ級の悪女です。何しろ、目が怖い!悪女とは少し違いますが、美しい未亡人の壮絶な復讐劇「黒衣の花嫁」も忘れがたいものです。

年齢を重ねても、リュック・ベッソンやフランソワ・オゾンなど、若い監督や鬼才と呼ばれる監督と組み、女優魂をみせてくれました。ハリウッドの美人女優とは一線を画す、本当の意味での“大人の女性”を演じられる名女優だったと思います。2012年の「クロワッサンで朝食を」(日本公開は2013年)が遺作となりました。

享年89歳。ご冥福をお祈りします。合掌。

死刑台のエレベーター ブルーレイ版 [Blu-ray]
ジャンヌ・モロー
株式会社アネック
2017-06-21




↑ 代表作を1本だけ選ぶとしたら、やっぱりこれでしょう!
顔の超クローズアップと、悩ましい声「ジュテーム」で始まるオープニングから、もう釘付けです (≧∇≦)


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ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
1954年、アメリカ。シェイクミキサーのセールスマンである52歳のレイ・クロックは、中西部を回って営業していたが、商品はさっぱり売れずにくすぶっていた。そんな時、一度に8台もの注文が入り、レイはどんな店なのか興味を抱いて店舗を見に行く。ハンバーガーやシェイクなどを提供するドライブインレストランを経営するマクドナルド兄弟は、高品質、コスト削減、合理性、スピード性などにこだわり、小規模だが独自の経営を展開して成功していた。レイは兄弟のビジネスに勝機を見出し即刻契約を交わして商売の中枢に入り込んでいく。やがてフランチャイズビジネスによって成功を収めたレイと、品質にこだわる兄弟との間に大きな溝ができ、対立は避けられなくなっていく…。

ハンバーガー・チェーン店、マクドナルドを世界最大の大企業にした凄腕の“創業者”レイ・クロックの功罪を描く実話「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」。これがアメリカン・ドリーム、これが資本主義といわんばかりの辛辣な創業秘話に、思わずシェイクを飲む気持ちも萎えてしまいそうだ。野心を胸に秘めたセールスマンのレイは、マクドナルド兄弟の店の権利を店名も含めてたったの100万ドルで買い取り、当然のように“創業者(ファウンダー)”を名乗る。マクドナルド兄弟は、簡単に言えば騙されてしまったのだが、モラルなど二の次にして利益を追求したレイ・クロックという人物こそが、世界中で同じ味を楽しめるマクドナルドのスタイルを築いたのは確かだ。堂々と創業者を名乗るその図太さにはあきれるが、映画は、レイを単なる悪人としては描かず、マクドナルド兄弟の視点も織り込んで、中立的な位置から描いていく。

マクドナルド兄弟から商権をもぎ取り、長年連れ添った心配性の妻を捨て、レイがいよいよその手腕を発揮するのが、不動産の分野である。マクドナルドは、世界中の都市の一等地を買い取り、そこに店を建てることによって、フランチャイズの加盟店からその土地のリース料を徴収していて、それこそが大きな収益となっているのだ。まさかマクドナルド誕生とその成功にこんな生々しい舞台裏があったとは。ハンバーガーやポテト、シェイクを口にしても、もはや素直にその味を楽しめないかもしれない。レイ・クロックを演じるマイケル・キートンの怪演に近い名演は、笑顔や無表情が空恐ろしいほど。ラストにレイがなぜマクドナルドという店名にこだわったのかという理由が明かされ、アメリカで夢を追うことの難しさと、その中で成功をつかんだ彼の野心とタフな生き様がくっきりと浮かび上がった。資本主義の光と影を考えさせられる秀作だ。
【75点】
(原題「THE FOUNDER」)
(アメリカ/ジョン・リー・ハンコック監督/マイケル・キートン、ニック・オファーマン、ジョン・キャロル・リンチ、他)
(アメリカン・ドリーム度:★★★★☆)
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試写室だより 7月下旬

試写室だより7月は、熱中症でダウンしたため、ブログ更新をちょっとサボッてしまいました、スミマセン (;^_^A  スマホに「ニュース・防災」アプリを入れてるんですが、熱中症注意、高温注意のアラートが鳴りまくりです。曇っていてもかなり紫外線が強いし湿度がハンパない!体調管理、気を付けましょう。

最近見た主な映画は以下。

「少女ファニーと運命の旅」「フェリシーと夢のトゥシューズ」「新感染」
「ワンダーウーマン」「オン・ザ・ミルキー・ロード」「プラネタリウム」
「きみの声を届けたい」「あさひなぐ」などなど。

私たちのような、映画を仕事にしている人間は、紹介文などが書きやすいように、プレス資料というのを配給会社さんからいただきます。パンフレットとは少し違っていて、製作時の裏話や時にはネタバレ(鑑賞後にお読みくださいとの注釈付き)が載っているいることも。

まぁ、プレス資料は通常、情報としてとらえているんですが、現在公開中の「ジョン・ウィック:チャプター2」のプレス資料はとっても面白くてウケました♪ 全体的に、メンズのファッション雑誌のような作りで、主人公ジョン・ウィックのこだわりポイントや、殺し屋としてのアイテム(銃、腕時計、犬etc)、CMのページも含めて、劇中のエピソードを実にうまくアレンジして掲載されています。中でも登場人物それぞれのファッションの違いを解説したページが、面白い!

本国からの情報文をそのまま、ざっくり日本語に訳しただけの“やっつけ仕事”的なプレス資料も多い中、この作品資料の創意工夫とユーモアセンスには感激しました。配給会社さん、グッジョブ!です(笑)。作品そのものは「スピード」「マトリックス」に次ぐ、キアヌ・リーブスの当たり役。第3弾も期待してますよ〜ん!


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東京喰種 トーキョーグール

「東京喰種」オリジナル・サウンドトラック
人間と同じ姿をしながら人を喰らう怪人“喰種”が暮らす東京。人々が恐れを抱きながら生活する中、平凡な大学生のカネキは事故に遭い、ひそかに憧れていた、実は喰種の女性リゼの臓器を移植されて、半喰種となってしまう。自分が喰種化したことに苦悩するカネキは、以前から頻繁に足を運んでいた喫茶店“あんていく”で働くことに。そこは喰種が集まる店で、カネキは、店でアルバイトをする女子高生トーカや、店に集まる客もまた喰種だということを知る。同じころ、喰種を駆逐しようとする人間側の組織CCGの捜査が迫り、人間と喰種の戦いが激化していく…。

人間を捕食する“喰種”が生きる世界で、半喰種になってしまった主人公の苦悩と闘いを描く「東京喰種 トーキョーグール」。原作は石田スイによる大人気コミックだ。この実写化は、公開前より出演者の清水富美加の出家騒ぎで、作品とは別の意味で大きな話題となってしまった経緯がある。そんなスキャンダルが先走ってしまったものの、重要なキャラクターのトーカを演じるこの清水富美加が、なかなか頑張っていて、いい演技を披露しているのだ。かなりホラー寄りでグロテスクな描写も多いが、異形のものの哀しさや苦悩を、激しいアクションを交えて描いていく。

喰種は水とコーヒーと人体だけを取り込む怪人だが、彼らの中にも様々なタイプがいる。何のためらいもなく人を喰らうものもいれば、できるだけ平和的に生きようとするものも。その中で人間と喰種の両方を生きるカネキは、自らの存在意義に葛藤するわけだが、本作ではその心理描写に割く時間が少ないためか、なかなかカネキの苦悩が伝わりにくい。だが若手演技派の窪田正孝は身体能力も高く、限られた時間の中でかなり健闘しているといえよう。特に自分の中にうごめくリゼの人格が時折カネキを支配する狂気の演技はすごい。さらに、カネキが被る髑髏(どくろ)風のマスクとそこから覗く片目だけの赤い瞳のビジュアルは、恐ろしくも美しく、印象に残る。物語のその先を期待してしまうラストだが、前述の清水富美加の出演が難しい状態では、果たしてどうなるか。ともあれ、自分の身体と一体化した捕食器官を使って闘う独特のアクションと、ダークな世界観を堪能できるユニークな作品に仕上がっている。
【60点】
(原題「東京喰種 トーキョーグール」)
(日本/萩原健太郎監督/窪田正孝、清水富美加、蒼井優、他)
(葛藤度:★★★☆☆)
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君の膵臓をたべたい

映画「君の膵臓をたべたい」オリジナル・サウンドトラック
高校時代のクラスメイト・山内桜良(さくら)の言葉がきっかけで教師になった“僕”は、教え子と話すうちに桜良と過ごした数ヶ月を思い出していた。膵臓(すいぞう)の病気を患っていた桜良は闘病日記“共病文庫”を付けていた。それを偶然みつけた“僕”は彼女が余命わずかなことを知り、桜良と一緒に過ごす時間が増えていく。だが明るく前向きに生きる彼女の日々は、唐突に終わりを告げる。彼女の死から12年後、桜良の親友だった恭子、そして“僕”は、ある事をきっかけに桜良が伝えたかった本当の思いを知ることになる…。

膵臓の病を患う女子高生と同級生の“僕”の交流を描く「君の膵臓をたべたい」。原作は住野よるの小説だ。いわゆる難病ものなのだが、クラスでも人気者の桜良は、人並み以上に明るく前向きで行動的な女の子。目立たない地味なクラスメイトの“僕”を半ば強引に巻き込んで、死ぬまでにしたいことを実行に移していく。難病ものにありがちな、重い病を患っていても、顔色もよく元気一杯に行動し、唐突に体調を崩して死に向かうという、ご都合主義は、本作でも健在だ。桜良が残された時間を懸命に生きようとする姿はなるほど感動的だが、彼女の言動はちょっと自己中心的すぎる感もあり、共感するのは難しい。…というか、このテの話に感動できなくなってきている自分に、うっすらと危機感を覚えたりもする。

気になるのは、原作にはない大人パートの設定が、とってつけたように思えることだ。12年の時を経て桜良の本当の思いが明かされるのだが、細部が甘く説得力に欠ける。詳細は明かせないが、これでは遺書の効果も半減してしまうではないか。ユニークで刺激的なタイトルの意味は最後に明かされる。「私も君も、一日の価値は一緒だよ」。この言葉に、限られた時間の中で、かけがえのない一日一日を大切に生きる願いが込められていた。
【50点】
(原題「君の膵臓をたべたい」)
(日本/月川翔監督/浜辺美波、北村匠海、小栗旬、北川景子、他)
(感動度:★★★☆☆)
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ザ・マミー/呪われた砂漠の王女



中東で古代エジプト文字が刻まれた石棺が発見される。発掘に立ち会った米軍関係者のニックと考古学者のジェニーは、調査のために棺を英国へ輸送するが、途中でアクシデントが発生。ジェニーは何とか助かるが、ニックを乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落し、棺は行方不明に。やがて石棺の中から、封印されていた古代エジプトの邪悪な王女アマネットが目覚める。なぜか傷ひとつない身体で助かったニックは王女の呪いに導かれるように棺を探すが、やがてアマネットの想像を絶する復讐が幕を開ける…。

古代エジプトの邪悪な王女が復讐のために現代に蘇るホラー・アクション・アドベンチャー「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」。1932年製作の「ミイラ再生」を最新技術で新たに蘇らせたものだ。モンスター・ホラー映画の老舗であるユニバーサル・スタジオが自社の自前のモンスターを次々に再生させる巨大プロジェクト“ダーク・ユニバース”の第一弾が本作である。ヒーローたちがチームを組むアベンジャーズやジャスティスリーグのモンスター版のような企画だが、その最初のモンスターがミイラというのは、意外というか、渋いというか。ともあれ古代の王女アマネットは、最初はミイラ状態でも、みるみるうちに美しくも恐ろしい姿になり、暴れまわる。4つの瞳、全身タトゥー、傲慢で邪悪、それでいて切ないキャラを演じるソフィア・ブテラは、完全に主役のトム・クルーズを食ってしまって、魅力的だ。

とはいえ、何をやらせても俺様キャラのヒーローになってしまうトムも、結構奮闘している。今回は“ハムナプトラ”な環境でのアドベンチャーだが、盗品をさばいて小銭を稼ぐセコい部分や、相棒とのやりとりでコミカルな芝居にも一生懸命に挑戦。もちろんトレードマークである身体をはったアクションも健在だ。舞台をロンドンに移してからは、ラッセル・クロウ演じるジキル博士(とハイド氏)が登場し、事態はにわかに急展開。このジキル博士率いる秘密結社プロディジウムが、今後のダーク・ユニバースの軸になっていく。正直、本作はトム・クルーズじゃなくても良さそうな“贅沢なB級大作”なのだが、大物俳優が揃うこの超大型企画ダーク・ユニバースは確かに楽しみだ。個人的には「大アマゾンの半魚人」に大いに期待!である。
【60点】
(原題「THE MUMMY」)
(アメリカ/アレックス・カーツマン監督/トム・クルーズ、ソフィア・ブテラ、アナベル・ウォーリス、他)
(大型企画度:★★★★★)
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ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走



夫トム、妻ジュリア、9歳の娘と7歳の息子とおじいちゃんというコックス一家は夏休みになり、自慢の新車でバカンスに出掛ける。最新テクノロジーが搭載されている真っ赤な新車は快適で、安全なドライブのはずだったが、突如ブレーキが効かなくなる。自慢のシステムがあっさり故障したハイテク車に乗ったまま、一家は時速160kmで高速道路を暴走することに。全員がパニック状態の中、家族の秘密が次々に明らかになる…。

暴走するハイテク車内を舞台にした密室コメディー「ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走」。整形外科医のトムは昔は学問に燃えていたが今は美容整形とシワトリ手術で金儲けに余念がない。精神科医のジュリアはキレやすい性格の上で妊婦のため情緒不安定。風変わりな娘は反抗期、やんちゃな息子はアメコミに夢中。一番心配なのはトラブルメーカーのおじいちゃん。こんな一家のバカンスがただで済むはずがない。役にたたない警官や一家の車をしつこく追ってくる男なども加わって、密室コメディーとカー・アクション、おバカな笑いとユルいスリルのノンストップ・ムービーになっていく。

個人的に、ギャグがツボにハマらず、さっぱり笑えなかったのだが、何気なくやっているカー・アクションが実はすごい。仏映画にはカーアクションの系譜があって、このジャンルには自信があるのだろう。CGではなく本気のスタントで演じられているというから、そちらの方がよほどクレージーだ。終盤、一家の行く手には人類史上最悪の渋滞が待ち受ける。さぁ、どうする?!ということで、ある奇策がとられるが、それができるなら、最初からそうすれば?!とツッコミたくなった。「世界の果てまでヒャッハー!」のニコラ・ブナム監督の作品にしては、やや消化不良。それでも家族の絆は強まったのだからヨシとしよう。
【50点】
(原題「FULL SPEED」)
(フランス/ニコラ・ブナム監督/ジョゼ・ガルシア、アンドレ・デュソリエ、カロリーヌ・ヴィニョ、他)
(暴走度:★★★★☆)
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君はひとりじゃない

Body / Cialo (DVD)
Body / Cialo (DVD) [DVD]
妻を病気で亡くし喪失感に囚われた中年の検察官ヤヌシュは、陰惨な犯罪現場に立ち会っても、人の死に何も感じなくなっていた。娘のオルガは心も身体も病み、摂食障害になっている。父と娘の溝は深まるばかりだ。やせ細ったオルガの様子を見かねたヤヌシュは、精神病院に入院させるが、そこで風変わりなセラピストのアナと出会う。アナ自身も過去に子どもを亡くし心に大きな傷を抱えていたが、アナには死者と交信できる不思議な能力があった…。

家族の死から父と娘が再生していく姿を、超自然的視点からみつめるヒューマン・ドラマ「君はひとりじゃない」。ポーランドの俊英女性監督マウゴシュカ・シュモフスカ監督が、ベルリン国際映画祭で、最優秀監督賞を受賞した本作は、家族愛という普遍的なテーマを、霊媒師や心霊描写(と呼ぶにはあまりにもささやかだが…)を織り交ぜて描くという、かなりユニークな手法をとっている。精神的支柱だった妻の死を受け入れられずに苦悩する父はメタボ体型だが、一方の娘はやせ細りやつれていく。こういう目に見える肉体形状で親子の溝の深さを表すのがまず面白い。父と娘は互いに孤独なのだがどう接していいのがわからないのだ。かなりシリアスな状況なのに、彼らに手を差し伸べるのがなんと“霊媒師”である。この唐突感が、これまた面白い。

川辺の木で首を吊って死んだ男がなぜかむっくりと起き上がり、どこかへ歩き去る。アパートで転落したはずの少年は、静かに微笑んでたたずんでいる。ここでは死者と生者は当たり前のように同居している。死者は、ホラー映画のようにショッキングに登場するのではなく、ごく自然にそこにいる。まるで自分の死に気付いていないかのように。それはオルガやヤヌシュが、生きていることに無感覚になっている様とも共通する。はたして父と娘の絆は再び結ばれるのだろうか。ラストは、あきれるほどあっけらかんとしていて、場違いなユーモアに満ちている。だがオルガとヤヌシュのまなざしは確かに交錯し、今までお互いの存在に嫌悪感しか抱いていなかった二人はしっかりとみつめあった。この物語の超常現象とは、衝撃的なものではなく、孤独だと思い込んでいた世界は、数多くの命や愛で満ちていると気付かせることなのかもしれない。決して分かりやすい感動はないし、むしろヘンテコな作品の部類に入る。それなのに不思議と心に染み入る。忘れられない映画になりそうだ。
【70点】
(原題「Body/CIALO」)
(ポーランド/マウゴシュカ・シュモフスカ監督/ヤヌシュ・ガヨス、ヤヌーシュ・ガヨス、マヤ・オスタシェフスカ、ユスティナ・スワラ、他)
(ユニーク度:★★★★★)
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ビニー/信じる男



自惚れ屋のボクサー、ビニー・パジェンサは、一度は引退を宣告されながらも、飲んだくれだが優秀なトレーナー、ケビン・ルーニーの指導で徹底したトレーニングを行って勝利をつかみ、チャンピオンになった。だが直後に交通事故により頚椎(せきつい)を損傷するという大怪我を負ってしまう。ボクシングへの道は絶たれたかに思えたが、歩くことさえままならないビニーは再起を決意。ケビンと共に命懸けのリハビリを行って、スーパーミドル級チャンピオンを目指してトレーニングを始める…。

奇跡のカムバックを果たした元ボクシング・チャンピオン、ビニー・パジェンサの生き様を描く実話「ビニー/信じる男」。ロードアイランド出身のビニー・パジェンサは1962年生まれ。ギャンブル好きのお調子者で自惚れ屋だが、ボクシングへの情熱は誰にも負けない。そんな男が大事故からカムバックを果たす物語は、スポーツ映画によくある“再起”の実話だ。だが脊椎損傷からのボクサー復帰は、簡単なカムバックではない。ボクシングはおろか、歩くことさえ無理と言われても、首を固定するためにまるで中世の拷問器具のようなリハビリ装具を付けての生活を強いられても、彼はあきらめなかった。安全な方法の治療を拒否し、命がけのカムバックを目指したのは、ただ寝ているだけの人生に何の価値も見出さなかったからである。

ボクシング界の裏事情やビニーの周囲の雑念もリアルに描かれる。金儲けしか眼中にないプロモーター親子や、息子を愛しながら支配しようとする父親がいる一方で、現実は、トレーナーのケビンでさえ、最初は「危険すぎるから復帰は諦めろ」と言うほど絶望的だった。そんな複雑極まる状況の中、ビニーが言う「本当はすべてのことはとても単純なんだ」という言葉が、ボクシングというスポーツの本質を突いている。四角いリングの上で殴り合い、強いものだけが勝つ。なるほど単純だ。だからこそボクシングの栄光の輝きは無条件に人々を魅了するのだろう。「セッション」で注目された若手実力派マイルズ・テラーは、セコい小悪党からヒーローまで、演じる役柄の振り幅が大きい俳優だが、本作では見事な肉体改造と精悍な表情で役者魂を見せている。実話がもとのスポ根映画として見応えがあるが、何よりも自分を信じ続ける勇気と信念の力強さに心を打たれる物語だ。まさに事実は小説より奇なり、である。
【70点】
(原題「BLEED FOR THIS」)
(アメリカ/ベン・ヤンガー監督/マイルズ・テラー、アーロン・エッカート、ケイティ・セイガル、他)
(信念度:★★★★★)
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プロフィール
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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