映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「あさひなぐ」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「プラネタリウム」「ユリゴコロ」etc.

心が叫びたがってるんだ。

実写映画「心が叫びたがってるんだ。」オリジナルサウンドトラック
人と本音で向き合うことが苦手な高校3年生の坂上拓実は、ある日、担任教諭から地域ふれあい交流会(ふれ交)の実行委員に任命されてしまう。同じく委員になったのは、幼い頃に負ったトラウマのせいで他人と話すことができない少女・成瀬順、中学時代に拓実とつきあっていたのに自然消滅した優等生の仁藤菜月、甲子園への夢に破れた元野球部のエースの田崎大樹。ふれ交の出し物はミュージカルになり、拓実のある言葉から、順は歌ならば思いが伝えられるかもしれないと、主役に立候補する。それぞれ心に傷を抱えた4人は、ぶつかりあいながらも、少しずつ距離を縮めていったが、本番直前にある事件がおこる…。

2015年に公開され、スマッシュ・ヒットとなったアニメを実写映画化した青春映画「心が叫びたがってるんだ。」。幼い頃、自分が親に言った一言で家族がバラバラになったことがトラウマで、しゃべれなくなった少女・順を中心に、それぞれ悩みや心の傷を抱えた高校生たちが、淡い恋心や友情によって成長していく姿を描く。オリジナルのアニメは通称“ここさけ”と呼ばれ、その繊細な物語と好感度が高い絵柄で人気を博した。そんな作品の実写化のハードルは高いものだが、実写版“ここさけ”は、キャスティングや演出も含めて、かなり成功しているとみた。目の前にいる大好きな人に想いを伝えることができないもどかしさや、音楽を通して気持ちを表現するみずみずしさ、時に人を傷つけ、時に人を励ます言葉というものが持つ大きな力を、本作はオリジナルに忠実に、しっかりと伝えてくれている。

もともと音楽の素養があった拓実を中心に、言葉を話さないことで変人扱いされていた順の懸命な勇気に打たれたクラスメイトたちが、ふれ交のミュージカルに向けて一丸となって頑張る姿は、いかにも青春映画らしい。実写版では、順の言葉を封じる卵の妖精は登場しないが、その代わりに、生徒たちをさりげなく見守る担任が言う言葉が効いている。「ミュージカルでは、古今東西、奇跡が起こるもんなんだよ」。その奇跡とは、心に閉じ込めた本当の気持ちに向き合った4人が起こす相乗効果のミラクルなのだ。SNSなどの普及で情報量は増えたのに、コミュニケーションは自分が傷つかないように、本音を隠して無難に流すのが現代社会。校舎の屋上で“叫ぶ”のは気恥ずかしいが、相手の目を見て、しっかりと思いを伝える勇気を思い出させてくれる。“ここさけ”はやっぱり切なくてあたたかい。
【70点】
(原題「心が叫びたがってるんだ。」)
(日本/熊澤尚人監督/中島健人、芳根京子、石井杏奈、寛一郎、他)
(片想い度:★★★★☆)
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怪盗グルーのミニオン大脱走

Despicable Me 3
悪党を廃業し正義のために働くグルーは、怪盗バルタザールを逃したことで、妻のルーシーともども反悪党同盟をクビになってしまう。ミニオンたちから再び悪党になるように説得されるグルーだったが、それをきっぱりと断ったためミニオンたちは家を出て行ってしまう。そんなある日、見知らぬ男が現れ、グルーに双子の兄ドルーがいることを告げる。ドルーは大金持ちでフサフサの金髪だが、ワルの才能がないため、大悪党だった父親の意志を継ぎたいとグルーに悪の教えを懇願する。その頃、新しいボスを求めて街をさ迷っていたミニオンたちは、ひょんなことから刑務所送りに。グルーはバルタザールが盗んだダイヤを取り戻すため、ドルーにワルのレクチャーをしてダイヤを取り戻し、反悪党同盟に復帰する計画を思いつくが…。

怪盗グルーと謎の生命体ミニオンの活躍を描く人気アニメーション・シリーズの第3弾「怪盗グルーのミニオン大脱走」。今や正義の味方となったグルー、家族となった幼い3姉妹と妻という新しい家族に加えて、生き別れとなった双子の兄弟との再会、ワルを廃業したグルーに失望し家出したミニオンたち、そして80年代の栄光を生きる怪盗バルタザールという新しい悪党の登場。こう書くと、見所てんこもりで、にぎやかな内容に思えるが、ストーリーは意外性がなく、何とも物足りない。

そもそもワルだからこそ魅力があったグルーが正義の味方になってしまうという展開に、限界を感じるのだ。むしろ、いつの時代にも最強最悪のボスに仕えてきた、ミニオンたちの方が主人公にふさわしいシリーズになってしまっている。バナナに似たルックスに不思議な擬音の声で会話するミニオンは、今回は歌のオーディションに乱入して熱唱したあげく、不法侵入で逮捕されるという大ピンチ。それでもグルーとの絆が深い彼らは意外な活躍を披露し…と、ミニオンのファンとしては嬉しい活躍ぶりだ。80年代の人気子役バルタザールが自分を忘れた世間に復讐するというストーリーは、なかなかアイロニカルで、彼の80年代ファッションやダンス、音楽などが微苦笑を誘う。ただ色彩豊かな映像とスピード感あふれるアクションは健在。とりあえずミニオンファンにはおすすめだ。
【50点】
(原題「DESPICABLE ME 3」)
(アメリカ/カイル・バルダ、ピエール・コフィン監督/(声)スティーヴ・カレル、クリステン・ウィグ、トレイ・パーカー、他)
(カラフル度:★★★★☆)
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復活します! 2017.7.22

ひとりごとプチ熱中症でダウンしてましたが、何とか回復しました\(^▽^)/
ブログ更新、ちょっとサボりましたが、映画レビューは、明日(7月23日)より復活します!

さすがに今週は体力が落ちてたんですが、フラつきながらも何とか試写室にも通ってました。ただ1日1本にセーブ。おかげて、1本入魂で、きっちり消化できた感じです(笑)。

まだまだ猛暑は続きそう。体調管理には気を付けましょうっ!


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プチ熱中症なう(涙)

ひとりごと連日、猛暑(あるいは豪雨)が続いてますが、夏の暑さが超苦手な私、ついに熱中症(注:プチですが…)でダウンしました(涙)。

炎天下の中、歩いて移動していたら、軽〜くめまいと軽〜く吐き気がしたのでおかしいな…と思ってネットで調べると、やっぱりこれ、熱中症の症状でした。ちゃんと日傘、さしてたのに、熱あるし!!

太い血管が通っているという、首、脇、太腿の付け根を冷やすのがテッパンの治療法だそうです。とりあえず、熱は下がったんですが、頭がぼ〜っとしてるので、少しだけ、ブログ更新、サボります。

トム・クルーズが砂漠の王女相手にムチャブリで暴れるアクション・アドベンチャー・ムービーが公開される頃に、復活予定。

↑ ウソですっ!そんなに休みません!
「ザ・マミー」の公開日を1週間間違えてる
 w(゚o゚)w
やっぱり頭がぼ〜っとしてました (;^_^A
今週中に復活します(←点滴してもらって、あっさり回復。強気!)

皆さまも、くれぐれも体調に気を付けてください〜!

↓ これが欲しい…と本気で思案中(苦笑)。

↓ とりあえず、これ、買いました (;^_^A



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彼女の人生は間違いじゃない



東日本大震災から5年後の福島県いわき市。市役所に勤めているみゆきは、週末になると、仮設住宅で二人で暮らす父親に、英会話教室に通うと嘘をついて、高速バスで東京へ行き、渋谷でデリヘル嬢として働いていた。ある日、みゆきは、元恋人から連絡を受け、やり直したいと言われるが、返事はせず言葉を濁す。亡き母との思い出に浸りながら、生きる目的を見失った父に対しても苛立ちを募らせる。そんなみゆきは、福島と東京を往復する日々の中で、さまざまな現実を目にするが…。

東日本大震災の傷を抱えながら生きる女性とその周囲の人々を描くヒューマン・ドラマ「彼女の人生は間違いじゃない」。廣木隆一監督自身による小説が原作で、自らメガホンを取った渾身作だ。中心になるのは、震災で母や家を失ったヒロイン・みゆきの、いつも満たされない心情である。なぜ身体を売るデリヘル嬢なのかという理由は明かされないが、震災以降、福島と東京が、実際の距離以上に遠のいてしまった溝と同じように、彼女の心の中の喪失感、憤り、悲しみ、不安は深く複雑なのだろう。映画は彼女の生き方を決して責めない。ヒロインは何を求めているのか。彼女はどう生きるべきか。簡単に出る答えなどない。

「ヴァイブレータ」や「さよなら歌舞伎町」などの廣木作品には、自分の居場所を求める人々がしばしば登場する。近年の作品には東日本大震災の影が投影されることが多いが、未来が見えずに生きる不安というモチーフには、普遍性がある。ヒロインを演じる瀧内公美の演技が繊細で素晴らしく、終始、彼女から目が離せなかった。みゆきと心を通わせるデリヘルの従業員役の高良健吾、自らも被災しながら懸命に生きる市役所の同僚役の柄本時生らも丁寧な芝居で好演。光石研演じるみゆきの父親が、自分なりの方法で妻の死に折り合いをつける場面は、本作の大きなクライマックスで、思わず涙ぐんだ。補償金を遊びにつぎこむ人、霊感商法の壺を売る男、卒論で震災を語ろうとする学生。それらはすべて実際のエピソードだという。そんな“負”の側面も、前向きに頑張る“正”の感情も、どちらも等しく存在する現実である。これは5年間の日常の絶望と希望が積み重なってできたストーリーなのだ。
【75点】
(原題「彼女の人生は間違いじゃない」)
(日本/廣木隆一監督/瀧内公美、光石研、高良健吾、他)
(リアル度:★★★★☆)
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パワーレンジャー

パワーレンジャー(オリジナル・サウンドトラック)
紀元前。世界の運命を左右する大きな戦いが起こり、死闘の末、地球は5人の戦士たちによって守られた。時は流れて、現代。小さな町、エンジェル・グローブに暮らす平凡な高校生たち、ジェイソン、キンバリー、ビリー、トリニー、ザックの5人は、運命に導かれるように出会う。突如、超人的なパワーを与えられ困惑する彼らの前に、古代の地球を守っていた5人の戦士パワーレンジャーの一人、ゾードンが現れ、悪の戦士リタ・レプルサが世界を滅ぼそうとしていること、そして5人がリタと闘うパワーレンジャーとして選ばれたことを告げる。たが、5人はなかなか自らの使命を受け入れられず、秘めたパワーを解放できない。それぞれが葛藤する中、世界の危機が迫り、ついにその力が目覚めるが…。

日本発のスーパー戦隊シリーズをハリウッドが実写映画化したSFアクション「パワーレンジャー」。元は子ども向け特撮テレビドラマだが、ハリウッドがスケールアップして作った本作は、あえて登場人物たちの年齢を高くし、大人の鑑賞にも耐えうるものになっている。主人公は男子3人、女子2人の計5人の平凡な高校生たちだ。白人2人、黒人、アジア系、ヒスパニック系とさまざまな人種の5人が抱える悩みは、将来のこと、友情、いじめ、家庭、貧困など、現代社会にフィットした多様性を見せる。物語はSFヒーローものだが、若者たちが悩み、決断し、成長する姿は、青春映画のセオリー通り。オタクやサブカル的な会話や笑いも入れながらのストーリーは、共感を生むだろう。

もどかしいのは、超人的なパワーを与えられても、なかなかパワーレンジャーとして覚醒しないことだ。本物のヒーローになるために必要な覚悟や犠牲、勇気が試されているのだろう。だが、そんな“タメ”が長い分、ついにパワーレンジャーに変身して戦う場面は、なかなかのカタルシスを味わえる。ハリウッド大作らしいスケールで、アクションやVFXなどを駆使した映像は、かなり贅沢なもの。人間サイズで戦い、巨大マシンに搭乗して戦い、さらにはそのマシンと合体して戦う頃には、気分は完全にスーパー戦隊シリーズに入り込んでいるはずだ。日本でスーパー戦隊ものといえばイケメン俳優の登竜門。どうやら本作はシリーズ化されるという噂だし、今のうちに、本作の若手キャストの名前を覚えておくといいかもしれない。
【70点】
(原題「POWER RANGERS」)
(米・カナダ/ディーン・イズラライト監督/デイカー・モンゴメリー、RJ・サイラー、ナオミ・スコット、他)
(青春成長物語度:★★★★☆)
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カーズ/クロスロード

カーズ/クロスロード オリジナル・サウンドトラック
真っ赤なボディのスポーツカー、マックィーンは、これまで数々のレースで優勝し華々しく活躍してきたが、ベテランとなった今は、最新型のレーサーに勝てず苦戦を仕入れらている。焦ったマックィーンは無理なレース運びで大きなクラッシュ事故を起こしてしまう。運にも世間からも見放され、自信も喪失、引退という言葉が脳裏にちらついていた。引退か、再起か。人生の岐路にたたされたマックィーンは決断を迫られるが…。

車を主人公にした大人気アニメーションシリーズの第3弾「カーズ/クロスロード」。クロスロードとは、人生の岐路の意味で、華やかで天才的なスター・レーサーであるライトニング・マックィーンが、ベテランとなり引退を考えて苦悩するが、新たな相棒やかつての仲間の助けで再生していく姿を描く。ディズニーのアニメーションはいつも物語が秀逸で、現代社会をしっかり照射しているが、今回はズバリ“老い”だ。アニメの主要ターゲットである子どもたちが知るはずもない、人生のやるせなさを描いて、完全に大人モードである。

過去の栄光、世代交代、自らの体力、技術、モチベーションの低下…。直面する問題は山積みで、主人公のマックィーンは文字通り、人生の岐路(クロスロード)に立たされる。マックィーンは、果たしてどんな道を選ぶだろうか。終盤の驚きの展開は、おそらく大方の予想を裏切るものだ。しかも、それが実に心地よい。マックィーンの相棒となるトレーナーで、イエローのボディがキュートな新キャラ、クルーズ・ラミレスとのやりとりが楽しくも感動的だ。レースシーンの迫力や雄大な自然描写、表情豊かな車たちの魅力は健在である。映像は緻密、キャラクターは個性的、メッセージは深い。やっぱりこのシリーズは秀作揃いだと再認識した。日本語版のエンドソングは奥田民生が歌う「エンジン」。“夢の続きに行ってみよう”と、軽やかに歌いあげる。そう、“明日も目の前に道は続いている”のだ。この映画に励まされる大人はきっと多いだろう。
【80点】
(原題「CARS 3」)
(アメリカ/ブライアン・フィー監督/出演(声)オーウェン・ウィルソン、他)
(大人向け度:★★★★★)
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試写室だより 7月上旬

試写室だより九州北部豪雨災害で被害に遭われた方々、お見舞い申し上げます。
また、現在も、東海地方や東北地方で、豪雨被害の情報も。今も天候が不安定な上に、猛暑による熱中症の心配もあります。くれぐれも体調管理に気を付けて過ごしてください。皆さまの無事をお祈りしています!

最近見た主な映画は以下。

「エル」「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」「エイリアン コヴェナント」
「ドリーム」「ベイビー・ドライバー」「ダイバージェント FINAL」
「東京喰種」「トリガール!」「三度目の殺人」などなど。

10月に公開予定の「ブレードランナー 2049」に備えて、久しぶりに旧作を引っ張り出して再見しました。予習なのか、復習なのか、微妙なところですが(笑)、映画はやっぱり面白い。名作です〜!

この作品には、オリジナル劇場版、インターナショナル劇場版/完全版、ディレクターズカット/最終版、と種類が多々あってややこしいんですが、リドリー・スコット監督が納得しているのはディレクターズカット版とのこと。

「ブレードランナー 2049」は、今最も注目されてる俊英監督で「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手掛けます。く〜っ、楽しみですね〜(≧∇≦)

製作時の苦労話などを含めたドキュメンタリー「デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー」もおすすめです。
このドキュメンタリーが収録されているのがこちら↓

ブレードランナー メモリアル・エディション (初回限定生産/3枚組) [Blu-ray]
ハリソン・フォード
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-11-03



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銀魂

実写版 映画『銀魂』 オリジナル・サウンドトラック
江戸時代末期。宇宙からやってきた天人(あまんと)台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途をたどっていた。そんな時代でも侍魂を忘れずにいる坂田銀時は、ひょんなことから出会った新八、神楽と共に、何でも屋の万事屋を営んでいる。そんな時、江戸の町では、謎の辻斬りが出没。やがて事件を巡り、新八の姉の妙や攘夷志士の生き残り・桂小太郎、江戸の治安を守る特殊警察・真選組らを巻き込みながら、予想もしない騒動が起こり始める…。

パラレルワルールドの江戸を舞台に、普段は無類の怠け者だが、いざとなると仲間のために命がけで戦うヒーロー、坂田銀時の活躍を描く「銀魂」。原作は空知英秋の大ヒットコミックで、過去に劇場版アニメはあったが、今回は初の実写映画化となる。何でもありの原作の奇想天外テイストに加え、福田雄一監督の持ち味である、ユルいギャグ、ボケとツッコミ、出版社や配給会社をクロスオーバーした、権利ギリギリの他アニメネタまで詰め込んで、まさにお祭り状態だ。物語は、原作の中でも人気が高い「紅桜篇」をベースにしたおなじみのストーリーである。

高層ビルが連立し、エイリアンが闊歩する江戸の町で、ユルく生きる銀時たちが、大金目当てにカブト狩りに興じる冒頭から、ギャグ満載だ。何しろ原作から抜け出したかのような実写版のキャラクター再現率が高いので、ビジュアル的な満足度はかなり高い。いつもはだらしないがキメる時はキメるというギャップが魅力の銀時、終始シリアスな高杉、真面目なのに可笑しい、でも美しい桂など、キャストの配役はかなり成功していると見た。個人的には、着ぐるみ感丸出しのエリザベスのキャラが気に入っている(途中、少しだけセリフもある!)。幕府転覆を企てる高杉率いる鬼兵隊とのバトルのクライマックスは、あえて狙ったのか、CGが白々しすぎて物足りないが、何よりも作り手が楽しんでいるのが伝わってくるのがいい。名付けて、オールスターキャストの銀魂コスプレ大会。お祭り騒ぎを、つい堪能してしまった。
【60点】
(原題「銀魂」)
(日本/福田雄一監督/小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、他)
(キャラ祭り度:★★★★★)
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恐るべし!コッポラ・ファミリー

コラム現在、公開中の「ボンジュール、アン!」は、巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の妻、エレノア・コッポラの長編劇映画監督デビュー作。夫のコッポラは言わずと知れた「ゴッドファーザー」シリーズや「地獄の黙示録」、「カンバセーション 盗聴」などで知られる名匠です。最近ではもっぱら製作者として…、というよりむしろ、実業家(ワイン作り)として忙しいみたいで、さっぱり新作映画を作ってませんが(笑)。

妻エレノアは「地獄の黙示録」の狂気の製作現場を記録したドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」を撮り、高い評価を得ていた人ですが、80歳を過ぎて、満を持しての劇場映画の監督デビューとなりました!

コッポラといえば、娘のソフィア・コッポラはすでに監督として、実績も人気も十分な実力派。ちなみに息子のロマン・コッポラも映画監督です。

コッポラの妹のタリア・シャイアは「ゴッドファーザー」(主人公マイケル・コルレオーネの妹コニー役)以外にも「ロッキー」(ロッキーの恋人エイドリアン役)にも出演した女優。父カーマイン・コッポラは作曲家で「地獄の黙示録」の印象的な音楽を手掛けています。甥にはオスカー俳優ニコラス・ケイジや個性派俳優ジェイソン・シュワルマンがいて、もう、ハリウッドの一大ファミリーという感じ。

エレノア・コッポラは、自分の実体験をもとに「ボンジュール、アン!」を作ったそうですが、夫コッポラや家族の多大な支えで完成させたそうです。二世俳優くらいなら沢山いるハリウッドですが、やはりコッポラ・ファミリーの才能は群を抜いています。映画のDNA、確かに受け継がれているんですね。

参考までに、傑作ドキュメンタリー「ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録」は、単体ではDVD化されておらず、「地獄の黙示録」のBOX版のみに収納されてます。機会があれば是非!

地獄の黙示録 BOX [Blu-ray]
マーロン・ブランド
KADOKAWA / 角川書店
2017-06-30
地獄の黙示録 3Disc コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray]
マーロン・ブランド/
ジェネオン・ユニバーサル
2011-09-02


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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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