望郷 [DVD]望郷 [DVD]
◆プチレビュー◆
古典中の古典。ラストシーンは映画史上に残るもの。映画好きなら見てないと恥ですゾ。

アフリカはアルジェの、迷路のような街カスバ。この一角に逃げ込めば決して捕らえられることはない。パリで犯罪を犯して今はカスバの王となっているペペ・ル・モコは、警察がどんなに躍起になってもカスバから出なければ捕らえられることはないと知っていた。ある時、パリの観光団がカスバを訪れ、その中に際立って美しい女性ギャビーを発見する。まさしくパリの女のギャビーもこの異郷の地のフランス人のボスに強烈な魅力を覚え、二人の間に情熱が燃えた。警察はこのときとばかり、ペペの情婦の嫉妬をあおり、ギャビーの愛人をたきつけてペペをカスバの外へおびきだす。逆上するペペ・ル・モコ。ギャビーを失うことは彼の心の中のパリを失うことを意味する。危険を承知でカスバの石段を踏み出すペペ。逮捕されるのを知りながら。愛人とともにフランスへ戻る汽船の甲板で灼熱の恋に燃えたカスバの街をみつめるギャビー。彼女にとってはしょせんあの恋も吹き抜ける風にすぎない。警察の罠に落ちたペペ・ル・モコが鉄格子越しにギャビーの名を叫ぶ。だが、同じ瞬間、頭上の煙突が吠える。驚いて耳をふさぐギャビー。ペペの叫びは空しく断ち切られた。そしてペペは…

邦題の名タイトルとして知られるこの映画は、戦前のフランス映画の傑作。モノクロ(戦前なので当り前だが)の陰影ある画面が効果的だ。映画史上の古典なだけあって、名セリフ、名シーンにあふれ、ペペがギャビーを抱きしめて言う「メトロの匂いがする」は有名。パリから逃れてこの異郷の街に住むジャン・ギャバンは、海の向こうのパリを思ってメトロの匂いが懐かしいと呟く。ギャビーを追ってカスバの階段を駆け下りるシーンは幻想的で美しい。鉄格子越しにギャバンが絶叫するラストはあまりにも有名で、映画史に残る名ラストシーンと言われている。

技巧派ジュリアン・デュヴィヴィエ監督は、なぜか本国フランスでの人気はいまひとつで、むしろ日本で熱心な支持者が多いことで知られている。「望郷」はロマンスとスリルを巧みに盛り込んだ展開が見事。もはや古典なので語り尽くされているが、やはり長い映画史の中で残っていくのは頷ける。映画のお勉強のためにも是非。

□1937年 フランス映画 原題「Pepe le Moko」
□監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ
□主演:ジャン・ギャバン、ミレーユ・バラン、他

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