彼女を見ればわかること [DVD]彼女を見ればわかること [DVD]
◆プチレビュー◆
盲目の妹役のC・ディアスは、繊細な演技で新境地開拓。見直した。

第1話 キーナー医師の場合:痴呆症の母を持ち精神的に束縛された女医のキーナーは、満たされない心をタロット占いに託す。
第2話 レベッカへの贈り物:銀行の支店長のレベッカは不倫関係にある男性の子供を妊娠。年齢的に最後のチャンスだが、相手の遣いはなく一人で悩む。
第3話 ローズのための誰か:主婦ローズは、親離れしていく息子に寂しさを感じる。そんな時、隣家に越してきた容姿に欠点のある男性に思いを募らせる。
第4話 おやすみリリー、クリスティーン:占い師のクリスティーンは同性愛者。恋人は死の病に冒され日に日に弱っていく。彼女は愛する人とのいずれ来る永遠の別れに向き合えない。
第5話 キャシーを待つ恋:盲目の妹と暮らす刑事キャシー。知人の自殺を妹に話す。活発な妹の心の奥の悲しみを知ることに。

物語はひとつひとつが独立したオムニバス形式だが、少しずつ重なり合う部分があり、キャリア、経済的にも満足しているかに見える彼女たちのそれぞれに抱える問題が交差する。彼女たちが愛を求める本当の自分に気づく過程が丁寧に描かれていく。様々な年代の現代女性の孤独や悲しみが繊細な演出にのせて、静かに、しかし絶妙に展開。

第1話に登場するグレン・クローズの圧倒的な存在感、第2話のホリー・ハンターもやはり上手い。3話と4話は実はちょっと中だるみの感があるが、第5話のすばらしいできばえが、3話と4話で少し下がったテンションをいっきに引き上げてくれる。盲目の妹キャロルを演じるキャメロン・ディアスが実にイイ。容姿に自信を持ち、勝気で活発なキャロルは、わがままばかり。恋人と夜遊びして帰ってくると、どこに行ったのと心配する姉に「(地味な)姉さんには無縁の場所よ」と笑う。そんな彼女も、彼女の恋人である父親を奪われまいとする少女の辛らつな言葉に深く傷つく。キャロルもやはり、心の奥底に深い悲しみを秘めているのだ。

愛に悩み、孤独をかみしめる5人の女性。痛みから逃げずに、自分の人生と正直に向き合う姿が考えさせられる。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ受賞。サンダンス・NHK国際映像作家賞受賞。人は誰もが脇役でありながら主人公。介護、不倫、隣人関係、同性愛など、山積みの問題を抱えながら、日々生きていく。複雑で繊細な人生の転機に、新たな出会いや別れがある。年齢を重ねるほど、変化を受け入れる時には勇気が必要。どうやら人生をこなしていくにはかなりの体力と覚悟がいるみたいだ。“彼女”とは、私たちのことかもしれない。

□1999年 アメリカ映画 原題「Things You Can Tell Jsut By Looking At Her」
□監督:ロドリゴ・ガルシア
□出演:グレン・クローズ、ホリー・ハンター、キャシー・ベイカー、他

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