A.I. [DVD]A.I. [DVD]
◆プチレビュー◆
この映画、結局はピノキオじゃないか?!まばたきをいっさいしない演技のオズメントは凄い。原題の「A.I」とは、Artificial Intelligence 人工知能の略。

近未来のアメリカ。子供を亡くし、失意の夫婦のもとに、限りなく人間に近い少年ロボット、ディビッドがやってくる。彼は愛をインプットされた、意思を持つ子供のロボットだ。母親モニカは、そんな彼を心の底から愛することができない。ある日、医学の進歩で奇跡的に息子が蘇り、ディビッドは不要の存在に。本当の人間になれば、ママに愛してもらえる。途中で知り合ったラブ・ロボットのジゴロ・ジョーと一緒に、廃墟となったNYをさまようディビッド。自分を人間に変えてくれるブルー・フェアリーを探す旅に出るが…。

謎に包まれた話題作が遂にベールを脱ぐ!とさんざん気を持たせておいて、こうくるか?!マザコンの「ピノキオ」を映画化するのに極秘はないだろう。観始めてすぐに解った。数年前の凡作SF「アンドリュー」と同じではないか。

ロボットが意思を持ち、愛されたいと願う。この発想自体は決して悪くない。むしろ美しいとも言える。近未来SFというジャンルで人が思いつくことは、しょせん似たり寄ったりだし、同じようなストーリーが生まれるのもしかたがないこと。問題はそれを映像化するタイミングだ。

時がたてば発想の新しさは失われる。ここに近未来SFの難しさがある。意思を持つロボットが主役の「A.I.」を観ても、これといった新鮮味を感じない原因はここだ。SF映画の重要な要素のひとつは「斬新さ」なのだから。愛情をインプットというアイデアも安直すぎる。ママへの愛だけじゃすまされないでしょう、この世の中は。母親モニカの気持ちの掘り下げ方も何とも中途半端。「愛」の定義がますます曖昧になっている今だからこそ、きちんと描かなくてはいけない部分だったのでは?

2時間26分はそもそも長すぎる。海底に沈んで祈り続けるところで終わってくれれば、まだ“余韻”を感じたかもしれないが、“それから2000年…”とたった1行ですませる強引すぎる展開には、あきれてものが言えない。愛は2000年の時を越えるというのは、こういう越え方だったのか。氷河期後のストーリーを見つつ、頭に浮かぶ二文字は「蛇足」。ラスト30分は「お願いだから早く終わって」と祈る気持ちでいっぱいだ。感情移入できない映画を観るのは、なんとゆううつなことよ…。しかし、ハーレイ・ジョエル・オズメント少年は本当に上手い!限りなく人間に近い少年ロボットを演じる彼には、貫禄さえ感じた。

キューブリック本人のコメントがぜひ聞きたい。これでいいのか!スタンリー?!

□2001年 アメリカ映画 原題「A.I」
□監督:スティーブン・スピルバーグ
□出演:ハーレイ・ジョエル・オズメント、ジュード・ロウ、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/