ドリヴン [DVD]ドリヴン [DVD]
◆プチレビュー◆
ゴールデン・ラズベリー賞ものの駄作と言われるが、けっこう楽しめるのはスタローンが脇に徹しているため。

ジミー・ブライは若き天才レーサー。有能だが情緒不安定な彼をみかねて、チームのオーナーは、自分の旧友でもあり、かつて花形レーサーだったジョー・タントを呼び戻し、ブライのコーチ役として復帰させる。ライバルや恋人を絡めながら、世界中を転戦する2人のそれぞれの成長とレーサーとしての戦いを描く。

とにかくスピード感が気持ちイイ。ノリのいい音楽も手伝って、時速400キロに迫るレーサーの視界を追体験できる映像は迫力満点。重さ1トンを超えるレースカーがスピンして宙に舞うド迫力のクラッシュシーン。真上から落下して大破するCG映像が見ものだ。シカゴの公道をレース並の猛スピードで突っ走る前代未聞のカーチェイス。観客はレーサーの目となるだけでなく、ドライバーの内面までにもひきずりこまれる。限界ギリギリのスリルをたっぷりと味わおう。

この映画、スタローン自身が脚本を書き、製作費集めにも奔走したそう。完成までに5年を要したという「ドリヴン」は、世代を越えた男たちの成長を、カーレースという豪華な世界で魅せてくれる。

アクション映画の王道を行くといっても過言ではないサクセスストーリー。起承転結をきっちり守る物語。読める展開。約束された結末。でもそれが妙に気持ちいい。スタローンも55歳、一人でがんばる主演よりも、もりたて役を楽しんでいる。それでいて、最後にはちゃんと彼の映画になってるところがスゴイ。

いろいろあっても悪い人物はいない映画だ。鼻っ柱の強い美人で、スタローンの元妻や、ジミーを裏切りそうな気配の兄さんも、最後には丸く収まる。もちろんベテランレーサーの心遣いのおかげで。こういう設定が甘く感じないのは、時速400キロで話が進むからか。ただ、スタローンの恋人役でスポーツジャーナリストの役の女優がちょっと地味なのがいただけないが。派手さをとことん追求して、見せ場も充分。結果はわかっているのに、ドキドキするクライマックスがたまらない。

モータースポーツというド派手な世界を背景に、物語の中でも外でも、ベテランと若手ががっぶりと四つに組むコラボレーション。幸いどちらかが土俵の外に投げ飛ばされることもない。「レースそのものを楽しめ。」とジミーを励まし、若いモンの恋の行方の心配もする、酸いも甘いもかみ分けたヤツ。アクションスターからの脱皮を目指すスタローンの一歩目はこの映画かも。1994年に事故死したブラジルの天才レーサー、アイルトン・セナに捧げるために、スタローンが製作、脚本、主演を兼ねた渾身の一作だ。

□2001年 アメリカ映画 原題「DRIVEN」
□監督:レニー・ハーリン
□出演:シルベスター・スタローン、キップ・パルデユー、エステラ・ウォーレン、他

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