2006年11月18日

ガールファイト4

ガールファイト

◆プチレビュー◆
ミシェル・ロドリゲスの三白眼の目つきが最高!ガール・ムービーとして上出来だ。

退屈で無気力な毎日を送る少女、ダイアナ。全てに嫌気がさす彼女は、訳もなく攻撃的な態度をとってしまう自分をもてあましている。ある日彼女は、弟が通うボクシングジムを偶然訪れ、これこそ自分が打ち込むものだと直感して強引に入門、みるみる実力を発揮し、トーナメントで勝ち進んでいく。しかし、ジムの仲間エイドリアンと恋に落ちたダイアナは、彼とアマチュアボクシングの決勝戦で対戦することを知り思い悩む…。

冒頭やファイトシーンで流れるフラメンコのリズムに惹きつけられる。眼光鋭い不敵なツラ構えのダイアナを演じるミシェル・ロドリゲス。彼女のド迫力の三白眼は、いままでにない“こびないヒロイン”を、目つきだけで十分に現していて、この映画が彼女を魅せる映画だとひと目で気づく。

無気力な女の子が、ボクシングを通じて様々なことを学び、成長するストーリーは、女の子がボクシングという点を除けば、ありがちな青春映画。しかし、自らも実際にボクシングをやっていたというクサマ監督は、前代未聞のボクシングでの恋人対決という素材を、新鮮な恋物語にまとめた。

最初はただ怒りややるせなさをぶつけるだけだったダイアナのボクシングは、コーチの指導を受けるうちに自己鍛錬の大切さやトレーニングの質を学び、心も身体も明らかにたくましく変化していく。ロドリゲスも熱演で、演技はまだまだ荒削りだが、獣のような激しさの中に少女らしいナイーブな横顔をのぞかせる。計らずも恋人と戦わねばならなくなり、思い悩む二人。ダイアナとエイドリアンの試合は、いわば濃厚なラブシーンだ。

ラストは希望でもなく絶望でもない、非常に現実的な一面をみせる。ヒロインには恋もボクシングも、大人になっていく確かな原動力。10代の二人に将来の約束など必要ないし、お互いを認め合う姿が何よりも清々しい。残念なのは、家族、特に父親との確執が中途半端に終わっていることか。

この映画の特徴は、「試合に勝つ」ことに焦点がおかれていないこと。思春期というのは誰もが経験する独特な季節で、とまどいと行き場のないエネルギーをボクシングによって昇華させていくヒロインは、チャンピオンになりたいわけでもなく、闘魂そのものや誰かを倒すことがカタルシスなわけでもない。彼女は他の誰のためでもなく、自分自身のために戦っていて、それは社会に力強く踏み出すためのトレーニングなのだ。何かに夢中になったり、自分なりに成し遂げることで、人はこんなにも変わることができる。そうすることで、きっと日々の悩みなど砕け散っていくに違いない。

□2000年 アメリカ映画 原題「Girlfight」 
□監督:カリン・クサマ
□出演:ミシェル・ロドリゲス、サンティアゴ・ダグラス、他
□サンダンス映画祭グランプリ受賞

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/



cinemassimo at 15:48 │Comments(2)TrackBack(0)clip!映画レビュー2001 
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by 蒲田行進曲    2006年11月23日 17:38
はじめまして。
DVD借りて見ました。
父親との確執、確かに中途半端でしたね。ただあの父親役の演技は良かったな。
ボクシングシーンも迫力あったし。トレーニング相当したらしい。
ただ、恋人とボクシング対決するのはむごいな、と感じた。俺ならどうだろう?彼女を殴れるかな?殴れるにしても、負けたら肉体的以上に精神的ダメージがかなりあると思う。
そういうのも含めて提議した映画なんでしょうね。
2. Posted by まちこ    2006年11月23日 19:24
蒲田行進曲さん、ようこそ。コメント、ありがとうございます。
管理人のまちこです。
「ガール・ファイト」、私はかなり純度の高い恋愛映画だと思っています。
恋人とのボクシングの試合、たしかに、
もし自分だったらどうだろう??と考えてしまいますよね。
そこを「本気で向かってきてくれるのが、愛!」と思わせるのが、
ミシェル・ロドリゲス本人のかもしだす魅力。
あの迫力の目で見つめられたら、中途半端な愛情は失礼なような気になりますもの。
この人、この作品以来、ずっとアクション、もしくはスポーツ系の映画ばかりに
出てますが、人間ドラマも意外と上手いと思うんだけどなぁ。
この記事にコメントする
名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 

Copyright(C) Cinemassimo All Rights Reserved.