ムーラン・ルージュ [DVD]ムーラン・ルージュ [DVD]
◆プチレビュー◆
トム・クルーズ夫人という肩書きも利用しつくして見事独り立ち。頑張れ、ニコール!

19世紀末のパリ。有名ナイトクラブ、ムーラン・ルージュのスターにして高級娼婦のサティーンと貧しい戯曲作家クリスチャン。二人は出会ってたちまち恋に落ちる。しかし、投資家の公爵も彼女を手に入れようと画策。二人の行く手には暗雲が…。

この映画の前半はれっきとしたコメディなのだ。それもかなり笑えるスクリューボールコメディ調。これが悲恋だということを一瞬忘れてしまいそうなほどだ。話そのものは何の新鮮味もない古典的なものだが、その物語に目も眩むような絢爛豪華な映像とポップな音楽がドッキングしている。宝石箱をひっくり返したような映画とはこのことだろうか。ヘンテコにしてドハデな悲恋ものミュージカルだ。

圧倒的な映像の美しさに目を奪われる。禁断の酒アブサンの幻想そのままに、俗っぽく猥雑、それでいて魅惑的な世界に引き込まれいく。また、ミュージカルといっても完全に時代考証無視で、現代のポップスが続々と登場。意外なアレンジで観客を飽きさせない。踊りはショー形式の群舞が中心。また、サティーンが空中ブランコに乗りながら歌う「ダイヤモンドは女性の親友」は、伝説のスター、マリリン・モンローが「紳士は金髪がお好き」の中で歌った曲で、アメリカ映画の大女優への敬意が見て取れる。

あまりにも前半がハジケているので、後半の悲恋部分が少々退屈に感じるのは気のせいか。障害や犠牲は悲劇へ進むお約束だが、カビ臭いストーリーだからこそ、ゴージャスな映像が際立ったのかもしれない。

冒頭で20世紀フォックス社のロゴマークをおしゃれなアレンジで登場させる演出は必見。華やかに開く真紅の緞帳は、期待感を高めると同時に、この物語が全てひとときの夢の世界、舞台の上での虚構であることを告げている。フレンチカンカンは世紀末の快楽の象徴で、エロティックな狂乱の中に純粋な恋が咲く。高級娼婦と貧乏作家の悲恋を歌と踊りで綴った本作は、今までにないタイプの、異色の悲恋コメディミュージカルだ。

□2001年 アメリカ映画 原題「Moulin Rouge!」
□監督:バズ・ラーマン
□出演:ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー、他

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