ヴィドック ― 2枚組 DTSプレミアム エディション [DVD]ヴィドック ― 2枚組 DTSプレミアム エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
愛だ恋だとボソボソやってるだけが仏映画じゃない。しかし、ドパルデューは太りすぎだ。

19世紀のパリ。警察承認の人気探偵ヴィドックが殺されたというニュースがパリ中を駆け巡る。ヴィドックから伝記執筆を頼まれていた作家エチエンヌはその真相を追うことに。ヴィドックが最後に追っていた男は鏡の顔を持つ男。若き作家は、次第に恐怖の謎を解き明かす真相に近づいていくが…。

話そのものは単なる推理モノだが、あまりにもスゴイ映像に釘付けになる。見事でシュールなヴィジュアル・ムービーなのだ。監督のピトフは、CMやミュージックビデオ出身なだけあって、ハイセンスな映像はお手のもの。全体的に暗めで不思議感覚の画面はかなり独特だ。

完全に異空間と化した19世紀のパリの街並みをオドロオドロしい雰囲気で描く一方、ダークな色調の中で際立つ極彩色。やたらとクローズアップを多用した迫力の画面、顔のアップの後ろに極端なまでの遠近法で描く背景はまるでダリの絵のようなシュールさに溢れていて、アヤシイ雰囲気てんこもりだ。歴史モノは、最新技術のCGによって更に可能性が広がった。ヴィドックはフランスに実在した人物で、凶悪犯あがりながら、警察容認の人気探偵。世界で初めて私立探偵という商売を始めた人で、仏では知らない人がいないほどいうくらいの豪傑だ。稲妻で燃え上がる武器商人や伝記作家のエチエンヌ、警視総監に美貌の踊り子、はたまたヴィドックの相棒のニミエなどの登場人物が入り乱れ、みんな怪しい。おまけに、19世紀のヨーロッパらしく、錬金術や不老不死、処女の生き血などのそれらしいテイストを盛り込みながら、鏡の顔を持つ男の真意に迫る。

ラスト30分はまさにゲーム感覚!スピーディな展開とアクション、劇画タッチのカット割と目がくらみそうだ。凝りに凝った映像で、時にはワザに溺れるのもまた快感。世界初、全編デジタルカメラHD24pを使って撮影されたことでも話題。会話中心でシニカルな結末というイメージの仏映画を、今まで敬遠していた人には、認識を新たにする意味でお勧めだ。

□2001年 フランス映画 原題「Vidocq」
□監督:ピトフ(本名ジャン=クリストフ・コマー)
□出演:ジェラール・ドパルデュー、他

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