K-PAX 光の旅人 [DVD]K-PAX 光の旅人 [DVD]
◆プチレビュー◆
このキャストにして並以下の出来栄えは、ペナルティもの。正直言って眠かった。

地球から遠く離れたK-PAX星人だと主張するプロートを治療することになった医師パウエル。プロートは宇宙に関する驚くべき知識を披露しながら、次々に病院の患者たちの心を癒していく。彼はいったい何者なのか?本当に異星人ではないかと疑いはじめるパウエルとプロートの間にはいつしか不思議な交流が生まれるが、そんなとき、パウエルはK-PAXに帰ると言い出す…。

観終わって全身をスッポリ包む脱力感。批判する言葉にも弱気がにじみそう。豪華キャストと癒しのストーリーで感動できない私ってどこかヘン?と自問する瞬間もあったが、起伏の乏しいストーリー展開と、観客に自由に選択させるという名目の逃げの結末は、映画としてのケジメに欠ける。どうせおとぎ話なら、とことん夢を見させてほしいものだ。

オスカーを両手にもつ現代の名優ケビン・スペイシー。彼の実力に異論を挟む人は少ないはずだ。頭のキレる役が多いが、「アメリカン・ビューティ」でなんとも情けない中年男を演じて、演技の幅を感じさせてくれた。コミカルな演技も意外と上手い。デッドパン(無表情)が彼の個性で、ポーカーフェイスと淡々とした口調が謎めいた雰囲気をかもし出すけれど、実は彼の一番の魅力は、無表情な中での意味深なあの目だ。優しいのか鋭いのか判断しかねる独特の“雄弁な”瞳なくして、スペイシーは語れない。それなのに、この映画では、劇中の8割はその目を黒いサングラスで隠してしまっているではないか。しかし、どう見てもただのオッサンなのに“怪しさ”があまりにも堂々としてるので、逆に、こいつ実は宇宙人か?!と思わせるあたりは、さすがは実力者だ。特に特徴がないだけに演じるには難しい人物を、気負わずにさらりと演じるブリッジスも悪くない。

プロートって、いったい何者?この謎が121分のこの映画を引っ張る。パウエルが突き止めた男がプロートの正体なのか、それとも宇宙人の彼が、地球人の姿を借りているだけなのか。最後まで謎を残したまま物語は終わる。映画を観ている観客が、何を信じるかによって結末は変わってくるが、プロートを宇宙人だと信じるほどの気力がこの曖昧な映画を観たあとに残っているかどうかは、残念ながら疑問だ。

仏つくって魂いれず、とはこのことだ。光の旅人プロートと愚かしい地球人との絆をしっかり描くべきなのではないのか?!癒しという言葉には、心の傷や悩みを解消するという意味。癒しの意味を取り違えてないか、この監督は。

□2001年 アメリカ映画 原題「K-PAX」
□監督:イアン・ソフトリー
□出演:ケビン・スペイシー、ジェフ・ブリッジス、他

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