アザーズ [DVD]アザーズ [DVD]
◆プチレビュー◆
見開いた青い目がこぼれ落ちそうなニコールの美貌が印象的。「シックス・センス」より公開が先だったら…、と悔やまれる。

1945年の英国。孤島の古い屋敷に住むグレースは、出征した夫の帰りを待ちわび、極度の光アレルギーの二人の子供と、閉め切った室内で孤独に暮らしている。ある日、働き口を求めて訪ねてきた3人の男女を召使として雇うが、その日を境に屋敷内では怪現象が起き始める…。

本作は久しぶりのゴシック・ホラー。このスタイルでは映画史上この人の右に出るものはないという巨匠アルフレッド・ヒッチコックの影響が深く見て取れる。映画全体を包む上品さ。流血や死体、暴力などを使わずとも、恐怖を表現することは可能なのだ。但し、ラストに全てが明白となる現実主義者ヒッチコックとは、一味違うテイストがあるのがアメナバール流。

最初にその“存在(アザーズ)”に気付くのは子供達。彼らが感じる何者かの存在を絵に描いて見せるが母親には信じてもらえない。ここで母親と子供たちの溝が少し描かれるが、これはラストの伏線でもある。

「シックス・センス」ばりのおちがあると言ったら、ネタばれになってしまいそうだが、この映画はさらにひとひねりしている。あとから聞いた裏話では、アメナバール監督は「シックス・センス」よりも前にこのシナリオを書いていたとか。先をこされて、さぞがっかりしただろう。

この映画、ホラーであると同時に観客をだますトリッキーな作品でもある。子供たちだけが感じる恐怖や夫の帰還、3人の召使が隠す屋敷内の墓、屋根裏にあるなぜか死んだ人の寝姿だけを集めた写真などは、エンディングで全て納得。映画の終盤で明かされる母親グレースの行動が衝撃的だ。あえて厳しいことを言わせてもらえば、子供を心から愛する母親が、なぜそういう行動に至ったかというその部分を、もっときちんと描いてほしかった。

子供達を深く愛していながら、それをうまく表現することができないグレース。題名の「アザーズ」がシンプルでとてもいい。他の何か、別の世界、人間には判らないエネルギーなど、いろいろな含みを感じさせてくれるタイトルだ。

□2001年 アメリカ・スペイン・フランス合作映画 原題「The Others」
□監督:アレハンドロ・アメナーバル
□出演:ニコール・キッドマン、クリストファー・エクルストン、他

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