少林サッカー デラックス版 [DVD]少林サッカー デラックス版 [DVD]
◆プチレビュー◆
日韓W杯の年にぴったりの楽しい作品。おバカだが、おもしろい!

少林寺拳法を世界に広めることに情熱をかける青年シンは、かつての名サッカー選手ファンと出会い、その驚異的な脚力を生かして、サッカーを通じて少林拳を世に広めることを思いつく。シンは、かつて一緒に修行した仲間と共に、チームを結成し全国大会へ出場するが、そこには非情、かつ不死身のチームが待ち受けていた…。

少林寺拳法を世に広めるためにサッカーをするという不純な動機がまず、可笑しい。次に、少林拳とサッカーを組み合わせるという突飛な発想が斬新で、これまた笑える。この非現実を現実の映像にするのは、CGとワイヤーアクション。超人的なスピードで展開される非常識(!)なプレイの数々がスクリーン狭しと展開するのだ。そのくせ、冒頭のクレジットロールの部分は、高度なCGが当たり前のハイテク時代にいったいどこから探してきたのかと思うくらい平べったい稚拙なアニメで、それがまた妙に新鮮。映画を観る前から笑いがこみあげる。冒頭から、こんな形で観客をとりこにしてしまうとは。ブルース・リーを意識した音楽がまたイイ!

かつての名プレイヤーが罠により引退、不遇の日々を送るが、驚異的な脚力の青年とともに、少林拳法を取り入れた驚きのサッカーで、かつての仲間とともに、少林チームを結成。トーナメントを勝ち上がるが、サッカー界の黒幕率いる最強の敵デビルチームと対決する、というのが大筋。まんじゅう屋の女の子ムイは実は太極拳の使い手で、彼女とのほのかな恋のエピソードがちょっとしたスパイスとなってはいるものの、コテコテのギャグとともに進む話は、しろうとサンでも読める展開だ。何しろ試合の場面が凄いのと徹底した娯楽っぷりで、細かいことは無視して突き進む。

チャウ・シンチーが「ヘンな顔の人を集めるのに苦労した」というだけあって、登場人物のキャラクターがユニーク。どこからともなく流れるお経の中で、炎につつまれて覚醒し、瞳に燃えた炎のためか流れる雲がそうさせたのか、とんでもないプレーを次々に繰り広げる。彼らの荒唐無稽な技に思わず唖然。

今は、アイデアさえあればそれを全て形にできる時代。CGを駆使した妙技の数々は、有り得ないからこそ心底楽しい。ヴィッキー・チャオが披露する、太極拳式まんじゅう作りは抱腹絶倒だ。彼女が演じるムイは、最後は大変身するが、中国四千年のエステの技術に不可能はないようだ。

劇画チックな展開を思い切りデフォルメした映像の数々は、笑いを通り越して感動すら覚える。香港映画界の美人女優がなりふりかまわぬ姿で登場し、笑わせてくれた後はお待ちかねの少林チームとデビルチームの対決。子供でもわかる“悪いヤツ”役のデビルチームは、現代科学の粋を集めたトレーニングと筋肉増強剤で殆ど不死身。一人、また一人と倒れていく少林チームのメンバー。フィールドが血みどろの戦場と化し、少林チームが負けを覚悟したまさにそのとき、驚くべき人物がスタジアムに現れる。行けっ!少林チーム!ラストのカタルシスに向けて、炎のゴールを決めるのだぁ〜っ!

信じられないほどおバカなのに、胸のすくようなスポーツ・エンターティメント。香港映画ならではのベタな笑いも満載で、サッカーのルールなんか二の次三の次。ある意味、サッカーになってないおかげで、ルールを知らない人でも十分に楽しめるはずだ。熱いハートが勝利へ繋がる。夢と希望の超ド級エンターティメント。例え邪道といわれようと、お勧めしたい。こんなにハイレベルなコメディは、久しぶりだ。少林寺拳法とサッカーの融合?!香港発、空前絶後のスポーツ・コメディ。この痛快なサッカー映画で大いに笑おう!

□2001年 香港映画 原題「少林足球」
□監督:チャウ・シンチー
□出演:チャウ・シンチー、ヴィッキー・チャオ、カレン・モク、セシリア・チャン、他

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