アイス・エイジ 特別編 [DVD]アイス・エイジ 特別編 [DVD]
◆プチレビュー◆
キャラの顔があきれるほどかわいくない。スピード感と動きの良さで勝負。

氷河期到来寸前の地球。全ての動物が南へ向かう中、孤独を愛するマンモスのマニーは、一人北へ向かっている。仲間からも見捨てられた小心者のナマケモノのシドは、マンモスと一緒にいれば襲われることはないと無理やりマニーと行動を共にしていたが、ひょんなことから、瀕死の人間の母親から赤ん坊を預かってしまい、人間の元へ返すハメになる。しかし、人間に恨みを持つサーベルタイガーのディエゴが強引に仲間に加わり、事態は複雑に。生き方も考え方も目的も違う3匹の一触即発の旅が始まった…。

フルCGのアニメはいまや映画のりっぱなジャンル。技術も脚本もしっかりしてないと、観客は容赦しない。文部科学省選定で子供向の但し書きがあるこの作品も、1時間22分というコンパクトな時間の中にぎゅっと密度の濃い内容が詰まっている。子供だけに見せるのはもったいない、なかなか良くできたお話だ。ストーリーは典型的なバディ・ムービー、いわゆる相棒モノ。

一匹狼(?)のマンモスのマニーが、無理に道連れになった仲間と一緒に人間の赤ん坊を父親の元に届けるのが大筋。氷河期の地球を舞台に、豊かだが厳しい自然の中で、楽しく危険な冒険の旅が繰り広げられる。いっぱい笑って、最後にホロリもお約束どおり。なぜマニーが孤独を好んでいるのかも、劇中で効果的に明かされる。楽しい中にも、人間と動物の関係、異なる動物同士の関わり、狩るものと狩られるもの、過去の心の傷…などもさらりと描き込んであって、見終わってふと考えさせられる。

フルCGはなかなかの出来栄えで、顔つきがかわいくないキャラクターも物語が進むにつれて、かわいく見えてくるから不思議だ。細かい部分の質感より、大きな動きの躍動感が優れていて、アイデアもいい。氷のジェットコースターを3匹がすべりまくる場面はサイコーに楽しめるし、スノーボードの技も音楽にのって素直に笑える。

今では絶滅した動物たちをキャラにすえることで、さりげなく生態系の問題も投げかける。人間も動物も懸命に生きようとする。でないと氷河期(アイス・エイジ)は越えられない。たとえ種が違っても、支え合わねば乗り切れない非常事態は、現代にも通じるはずだ。運命共同体の旅が彼らを少しずつ変えていく。復讐や憎しみの感情が断ち切られるラストは、大人もきっと目頭が熱くなるはず。孤独だったものたちが仲間となることで、その繋がりは家族になるのだ。

アニメ技術の進歩はめざましいものがある。しかし、観客にとってCGの技術は二の次。やっぱり、勝負はお話のおもしろさだ。最後のオチもしゃれている本作は、直球のおもしろさがあって、万人向け。家族みんなで楽しめる。氷河期時代を舞台に、動物たちの冒険の旅を描いた3D・CGアニメ。“クール”な映像と“あったかい”物語を素直な気持ちで楽しもう。

□2002年 アメリカ映画 原題「Ice Age」
□監督:クリス・ウェッジ

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