ハリー・ポッターと秘密の部屋 [DVD]ハリー・ポッターと秘密の部屋 [DVD]
◆プチレビュー◆
原作の縛りのせいか、あれもこれもで目移り状態。楽しいけど何にも残らない。原作ファンを満足させ、未読者を楽しませつつ、映画として高い評価と興行成績をあげる…。これは、難事業だ!

ハリー・ポッターは、仲間たちと共にホグワーツ魔法学校の2年生に進級。彼のもとに屋敷しもべ妖精ドビーが現われ“学校に戻ってはいけない”と警告する。やがて新学期を迎えるが、ハリーの周囲で怪事件が続発。不気味なメッセージは、50年間封印されていた“秘密の部屋”の扉が開かれたと告げていた…。

世界的ベストセラー、ハリポタシリーズの第二弾のサブタイトルは「秘密の部屋」。前作同様、ワクワクするようなファンタジックな世界が展開、新しいキャラクターも登場し、楽しい魔法を次々に見せてくれるのだが、作品の出来としては少々残念なものになっていた。

前作は登場人物の紹介が主だったが、今回は、原作を読んでいるか、第1作を見ていることが前提となるような作りになっている。おかげで人物の描写は大幅に省かれた状態だが、だからといって、ストーリー展開がスムーズなわけではない。原作に忠実なあまり、全てのエピソードがおざなりで中途半端になってしまっているのだ。

魔法学校にまつわる秘密、すなわち封印された“秘密の部屋”の謎とともに、ハリー自身の謎もからめて描く構成になっているが、エピソードを盛り込みすぎて、せっかくの新キャラが殆ど生かされていない。とりあえず、登場させただけという印象では時間を割くだけ無駄というものだ。ロンの妹ジニーにいたっては、重要な役なのに、あの扱いはないだろう。原作既読者には不満、未読者にはワケがわからないという、最悪の描写になってしまうとは。

中でも、ハーマイオニーを筆頭に、女性陣に大人気の新任教師のロックハート先生。ハンサムでナルシストで目立ちたがり屋、いざとなったら弱腰の彼を名優のケネス・ブラナーが演じるが、やはりこの役はヒュー・グラントが適役だろうに。長い長いエンドロール・クレジットの最後に、ちょっと笑えるおまけのワンシーンがあるが、これが彼なのも逆に痛々しい。どうせならもっと盛大に“笑い”に徹してほしかった。

とはいえ、もちろん見所はある。ビジュアル面は第1作同様、すばらしく魅力的で、活字ではフォローできない、映像ならではの躍動感が満載だ。空飛ぶ車や、あばれ柳の場面は目をみはる。それからハリーを演じるラドクリフ少年も、役に慣れたのか、堂々とした演技だ。声変わりや顔つきの変化が危惧されたが、彼の演技面での成長は評価すべきだろう。アクションの要素が強いので、終盤、映画的に盛り上がるのも見逃せないポイントだ。

ハリポタシリーズは、巻が進むにつれて長尺化。このまま、全てを忠実に映像化するスタイルは再考せねばならない時期がきている。原作ファンにとってはどれも大切で大好きなエピソードには違いないけれど、活字と映像の違いをそろそろ認識してもよい頃では。1作、2作で、原作へは十分にスジを通した。今後は、映画作品として破綻することのない簡略化への道の模索が必須だ。

□2002年 アメリカ映画 原題「Harry Potter and the Chamber of Secrets」
□監督:クリス・コロンバス
□出演:ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、他

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