恋愛適齢期 [DVD]恋愛適齢期 [DVD]
◆プチレビュー◆
キートンのシンプルなファッションも見所のひとつ。終盤のご都合主義的まとめ方がちょっと惜しい。

若い女性としか付き合わない63歳の独身富豪ハリーは、ひょんなことから恋人の母親エリカに看病されることに。54歳でバツイチのエリカとハリーは反発しあうが、いつしか互いに惹かれていく。一方で30代の美貌の青年医師ジュリアンもエリカに想いを寄せていた。年配の男女と青年の三角関係の行方は…。

年齢を重ねた女性の美しさを表現するのは、欧州出身の女優に限ると今までは思っていたが、ここできっぱりと改めようと思う。いくつになっても持っている恋心のときめきを、嫌味にならずに表現するダイアン・キートンは、まさに大人の女性の鏡だ。熟年の素敵な女優のアメリカ代表は彼女しかいない。仮にこのコミカルな役を、欧州を代表するイイ女カトリーヌ・ドヌーブやシャーロット・ランプリングがやるとしたら…。冗談もほどほどにしよう。想像するのも恐ろしいから。

ハリーが若い女性としか付き合わないのは、ただ一人を愛する本当の恋が怖いから。自分勝手で、それでいて傷つきやすい男性を演じるニコルソンは、予想通りの上手さを発揮している。病院の場面では、お尻を出しての熱演で笑わせるが、対するキートンもチラリとオールヌードを披露するサービスぶり。これが中々美しかったりするので、さすがなのだ。セックスがらみの老人ネタもこの二人にかかると、悲壮さよりもコミカルな味わいに早変わり。二人で海辺を歩くシーンは、恋の喜びに満ちていて、思わず見惚れてしまった。

劇作家エリカの一ファンから彼女自身に惹かれていく青年医師を演じるキアヌは、20歳以上の歳の差をものともせず、積極的にアプローチ。問答無用の一目惚れなので怖いもの知らずだ。だが、オスカー俳優二人に挟まれてのキアヌは、なんと大根なことよ。あきれるほど鈍重な演技で目を覆いたくなるが、共演者の名前を見ただけでこうなることは予測できたはず。そこを敢えてこの大役(?)を引き受けたキアヌの鈍感さ…、いや懐の深さに敬意を表したい。

人生の酸いも甘いもかみ分ける年齢になって、同年代の男性と恋をし、更に年下の男性からも慕われる。女優冥利につきる役柄をこの上なくキュートに演じたキートンが何よりも魅力的だ。歳をとることを怖がる必要はないとエールを送られているようで勇気が出てくる。何だか女性にばかり都合がいい、フェミニスト映画のようだが、決してそうではない。老若男女を問わず楽しめるロマンティック・コメディの好編だ。

□2003年 アメリカ映画  原題「Something's Gotta Give」
□監督:ナンシー・メイヤーズ
□出演:ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートン、キアヌ・リーブス、他

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