カレンダー・ガールズ 特別版 [DVD]カレンダー・ガールズ 特別版 [DVD]
◆プチレビュー◆
「フル・モンティ」といい、“脱ぐ”ことを上手い物語にする英国映画。名女優ヘレン・ミレンは、実は脱ぎっぷりのいいお人で、「コックと泥棒、その妻と愛人」の時もすごいのだ。

英国のヨークシャーに住むクリスとアニーは婦人会に参加する大親友。平和だが退屈な毎日に二人ともうんざりしていた。そんな時、アニーの最愛の夫が白血病で帰らぬ人に。亡き夫のため病院への寄付を発案、資金集めのために思いついたのが婦人会のヌード・カレンダーを作ることだった。周囲の反対と家族のとまどいの中、メンバーたちが企画に参加しはじめる…。

ピッチピチの若い女の子ならいざ知らず、50〜60代のおば様たちが集団で脱ぐ?!これってある意味ホラーかもしれない…などと思っていたが、どっこい、フタを開けてみるとなんともチャーミングで楽しい映画だ。しかも実話だと言うではないか。世間体を誰よりも気にする厳格で保守的なイメージの英国婦人。そんな彼女たちが挑戦した“婦人会ヌード・カレンダー”は、全世界で実に30万部も売れたそうだ。

ジャム作り、ガーデニング、ピアノ演奏など、日常の何気なく当たり前の風景が、服を脱ぐ行為によって特別な瞬間となって記録されていく。最初はおずおずとしていた彼女たちがみるみる輝いていく様子は、可笑しいやら頼もしいやら。ヌードといっても小道具や構図を工夫して微妙な部分は上手く隠されている。おくゆかしくて、なかなかセクシーかも。教会のオルガン奏者コーラの言う一言が最高。「私はもう55歳。今脱がなくちゃいつ脱ぐの?!」。拍手してしまいそうだった。

大騒ぎになりながらもカレンダー作りは大成功。だがこの話には続きがある。マスコミから注目された彼女たちには“成功の甘き香り”が待っていた。ここで初めて気付く友情や家族の大切さを映画は丁寧に描いている。後日談を語ることで、物語は味わい深いヒューマン・ドラマとなった。ささやかだけど地に足がついた生活は、冒険の後でこそしみじみとありがたいものなのだ。彼女たちはもう、毎日を退屈だなんて思わないだろう。だって“やる時はやる!”を実行してみせたんだから。

ヌードというキワドイ素材を、明るく、かつ品良くまとめたこの映画。誰でもいくつになっても、人生の主役になれるのだ。女性にとって確実にやってくる“老い”とは実にやっかいなもの。けれど、恐れる必要などない。自分をさらけだすことで自由になった彼女たちが本当に脱いだのは服ではなく、心の殻だったのだ。

□2003年 イギリス映画  原題「CALENDAR GIRLS」
□監督:ナイジェル・コール
□出演:ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、シアラン・ハインズ、他

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