ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション [DVD]ウォルター少年と、夏の休日 コレクターズ・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
原題のセカンドハンド・ライオンズとは、映画の中でも登場する年老いた中古のライオンを意味する言葉。この原題のままでも味があったと思う。女性キャラの魅力が少々薄いが、登場人物の男気に免じて許そう。

自分勝手な母親の都合で、会ったこともなかった二人のおじさんとひと夏をすごすことになった少年ウォルター。何から何まで風変わりな二人の老人にとまどいを覚える彼だったが、屋根裏で古い写真をみつけ、若き二人の大冒険を知ることになる…。

マイケル・ケインとロバート・デュバルの二人のオスカー俳優が上手いことは言われなくても判る。しかし「シックス・センス」で天才子役ぶりをいかんなく発揮したハーレイ・ジョエル・オズメント君は、俳優として難しい年齢にさしかかり、はたして大丈夫だろうかと本当はちょっと心配した。しかし、彼の演技は実に堂々としたもので、ケインとデュバルに全くひけをとらない。声変わりこそしたけれど、やはりこのコは凄い役者だ。

お話は一種のファンタジー仕立てになっていて、偏屈な二人の老人と少年が、お互いに一緒に暮らすことで共鳴しあう姿を描く。しかし、ケインとデュバルのやんちゃなことといったらどうだろう。セールスマンに銃をぶっ放し、不良にケンカを教える。アメリカ映画界には生涯現役の“元気ジジイ”俳優が沢山いるので、うらやましい限りだ。歳はとっていても実にかっこいい。

砂漠の王女と恋に落ち、数々の危機を乗り越える大冒険はまるでアラビアン・ナイトのよう。現在の変人の姿と大きく隔たった老人二人の昔話は、母親の嘘に絶望していた少年の心に火を灯した。さらに“大金を隠し持っている”というウワサが謎めいていて、このことの真偽がウォルターと観客の注意を引き、物語を牽引する役目を果たす設定が上手い。映画に取り込む“ホラ話”は大きければ大きいほどいいもんだ。

少年は何かを信じることの大切さを、二人の老人は自分たちがまだ、誰かの役にたつ存在であることを知る。愛に飢えた少年のひと夏の成長物語という定番のスタイルを踏襲しているが、少年が老人たちに与えた影響も大きかった。強く正しい大人の男の物語は、それが全て真実ではなかったとしても魅力的なもの。こんな夜伽話をしてくれる大人が、今の世の中にどれだけいるだろうか。

□2003年 アメリカ映画  原題「Secondhand Lions」
□監督:ティム・マッキャンリーズ
□出演:ハーレイ・ジョエル・オズメント、マイケル・ケイン、ロバート・デュバル、他

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