ヴィレッジ [DVD]ヴィレッジ [DVD]
◆プチレビュー◆
ヒッチコックよろしくスクリーンに登場するのがシャマランの得意技。今回は映画の終盤にチラリと登場。後姿だがガラスに顔がうっすらと写る。盲目のアイヴィーを演じたB.D.ハワードは「ビューティフル・マインド」のロン・ハワード監督の娘だ。

1897年のペンシルヴァニア州。深い森に囲まれたその村では、外界とは完全に孤立した暮しが営まれ、数十人の村人はまるで大きな家族のように暮していた。村には厳密な掟が存在したが、瀕死の恋人ルシアスを助ける薬を手に入れるため、不思議な力を秘めた盲目の少女アイヴィーが、町に向かって遂に森へと足を踏み入れる…。

超自然現象やゴースト、異星人などに執着するシャマラン監督。そのこだわりを映画に盛り込むのはいいが、作品の質にバラツキがあるのがたまにキズだ。「シックス・センス」で世界中を熱狂させたかと思えば、「アンブレイカブル」「サイン」と、観客を連続してスベらせる。彼の新作に身構えてしまうのは仕方がない。でも、期待してしまうのもまた事実なのだ。

シャマラン流の仕掛けは二段構えになっていて、村人が守る3つの掟と森に住むという“彼ら”の正体が第一の謎である。最初の謎は正直言って肩すかしだが、最後の謎には驚かされる。楽園とも思える特殊なコミュニティの存在と、それが崩れる予感がテーマだ。“村”と“町”の真実が明らかになったとき、物語は深みを増す。謎解きの楽しみのため余計な解説は止めておこう。

映画の出来とは別のところで話題になっているのが、この映画のオチにまつわる盗作問題。秘密主義で知られた映画だけに波紋は大きいようだ。だが、映画に関して「このネタはあの小説やこの映画で見たことあるゾ!」と鬼の首でも取ったように騒ぐのは、ナンセンスだと私は思う。第一、殆どの映画の物語は、過去にどこかで使われているのだ。そんなことより大切なのは、映画としてどれだけ訴求力を持つかではないだろうか。最初であることより最良であることを目指すべきなのだ。

コケオドシもたっぷりの娯楽作でありながら、見終われば社会性も込められていたとは驚く。人間が築くユートピアを、神や自然は許すだろうか。そして、そのユートピアは真の幸福を生むのだろうか。この作品、シャマランに似合わず、案外深い映画なのかもしれない。もっとも彼のデビュー作はいたってヒューマンな「翼のない天使」だったことを思えば、“似合わない”と評するのは失礼かもしれないけれど。

□2004年 アメリカ映画 原題「The Village」
□監督:M.ナイト・シャマラン
□出演:ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ブライス・ダラス・ハワード、他

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