ボーン・スプレマシー [DVD]ボーン・スプレマシー [DVD]
◆プチレビュー◆
おっとりした知的な好青年のイメージのマット・デイモンだが、このシリーズでは肉体美も含めて、切れのあるアクションを披露。相棒のベン・アフレックとの決定的な差は作品選びの審美眼か。

記憶を失った元CIA諜報員ジェイソン・ボーンは、恋人とインドでひっそりと平和に暮していたが、謎の殺し屋の襲撃で恋人を失い、再び孤独の身に。なぜ自分が狙われるのか、事件の裏に何が関与しているのか。真相究明のため、欧州各国を舞台に再び戦いの場に身を投じるボーンだった…。

「ボーン・アイデンティティー」の続編に当たるが、続編はつまらないという定説を覆すおもしろさだ。再び事件に巻き込まれたボーンが、CIAの内部不正を探りながら、過去の自分の姿と向き合っていく物語。ハッピー・エンドで終わった前作から、再び孤独になる主人公には気の毒だが、このことにより精悍さが増したと思う。

前作同様、無駄なアクションや、無益な殺傷がなく、手近な小道具や情報を駆使して危機を乗り切る主人公の知的な言動が本シリーズのいいところだ。やたら銃声の威勢がいいだけのアクション映画と一線を画す作品なのである。

インドのゴア、ナポリ、ベルリン、モスクワなど、世界各都市を舞台に繰り広げられる物語のスケールの大きさが快感だ。やはりハリウッドはエンタメ映画を作らせれば世界一。スター俳優を配し、優れた脚本を練り、舞台を整えて作り上げられるアクション映画はいつの時代も世界の娯楽映画をリードしている。

恋愛部分はほとんどないので、やや物足りなく感じるかもしれないが、その中で本作で初登場する凄腕女性諜報員を演じるジョアン・アレンの知性が光った。この人、地味で損な役回りが多いが、実は知性と美貌を兼ね備えた演技派女優。彼女とボーンの間にうっすらと流れる“やり手”同士の同志愛が泣かせる。

ロバート・ラドラムの原作は3部作。ジェイソン・ボーンシリーズ最終章の映画化は必須だ。パワー、スピード、知性。上質のスパイ・アクションのスタンダートになるにふさわしい映画だと思う。

□2004年 アメリカ映画  原題「THE BOURNE SUPREMACY」
□監督:ポール・グリーングラス
□出演:マット・デイモン、ブライアン・コックス、フランカ・ポテンテ、他

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