マシニスト [DVD]マシニスト [DVD]
◆プチレビュー◆
クリスチャン・ベールは子役時代の「太陽の帝国」から見ているが、彼にこんなに役者根性があろうとは!サンダンス映画祭出品作らしく、低予算ながらアイデア勝負の1本だ。

トレバーは平凡な機械工。単調な毎日を送っているが、実は彼はある時から原因不明の不眠症に陥り、1年間眠っていない状態だった。生命を危険にさらすほどやせ細った体になった彼は、毎日をもうろうとした気分の中で過ごしていたが、ある日、彼の周囲で不気味な出来事が起こり始める。不審なメモ、同僚の事故、怪しい男。真相を探るトレバーだったが…。

映画は目で見て楽しむメディアだが、このクリクチャン・ベールの痩せ細った姿を見るのは、ちょっとしたショックだ。何しろ30キロ減量なのだから、ほとんど命がけ。ベイルの体は骸骨と化し、彼の異常な姿は観客の目に何よりも強く焼きつくだろう。

1年間眠らないという状況が可能かどうかはともかく、主人公トレバーの周囲で起こる出来事の不可解さは、後に彼がたどり着く真実に向かって少しずつ加速していく。同僚の機械工が腕を切断する大事故が起こり、その原因となった大男の存在をトレバーは主張するがは、同僚は誰も彼を認めない。そんな男は職場にはいないというセリフから、若干オチが透けて見えるが、それでも物語に引きこまれるのは、クリスチャン・ベールの骨と皮だけの体がスクリーンにあるからだ。

物語を導く役目で劇中に登場する文字当てゲーム“ハングマン・ゲーム”の意味が、日本人には少し解りにくいかもしれない。子供がアルファベットを覚える際にも使用されるというアメリカのゲームで、指定した単語のつづりを当てれば勝ち。首吊り人形がモチーフというのはブラックすぎる気がするが、映画の素材としておもしろい。

監督のB.アンダーソンは「ワンダーランド駅で」でニアミスですれ違う男女を描き、アンニュイな恋愛映画を作るかと思えば、心理ホラー「セッション9」のような怖い映画も撮っている。作風のふり幅が大きいので観客はとまどうが、案外器用な監督なのかもしれない。次回作に注目する監督がまた一人増えた。

□2004年 スペイン・アメリカ合作映画  原題「THE MACHINIST」
□監督:ブラッド・アンダーソン
□出演:クリスチャン・ベール、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジョン・シャリアン、他

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