サイドウェイ(特別編) [DVD]サイドウェイ(特別編) [DVD]
◆プチレビュー◆
ワイン好きに勧めたい映画だが、ワインに対する“暴力”描写も多いので要注意。カリフォルニア・ワインの価値は私には計りかねるが、この映画、ワイン大国のフランスやイタリアなどで作ってもおもしろいものになりそうだ。

離婚のショックから立ち直れずウツ状態の国語教師マイルスは、実は小説家志望。親友で俳優のジャックが結婚を前をして、とことん遊びたいというので、二人してカリフォルニアのワイナリーを巡るナンパ・ツアーの旅に出る。中年男二人の気ままな旅は魅力的な女性に出会うことでどう変化するのだろうか…。

売れない小説家と女好きの俳優という、見た目も中身も冴えない中年男達が主人公。非常に地味な題材の映画だと思う。でも実生活にかぶる人も多いんじゃなかろうか。大人になりきれない男たちの自分探しの物語だが、一般人の人生の折り返し地点なんて、輝かしいばかりじゃないはずだ。

何気ない物語を魅力的にしているのは、ロード・ムービーの清々しさと陽光溢れるカリフォルニアの自然。スクリーンはいつもおだやかな空気に包まれているので、見ている観客は心地良い。ワイナリーで出会った二人の女性と一緒に出かけたピクニックの場面は、幸福な時間を過ごす登場人物たちの気分がそのまま伝わってくる。

女性側から見ると、少々腹立たしい設定もあるのだが、ここはおおらかに見ようじゃないか。ヴァージニア・マドセン扮する女性マヤが輝いて見えるのは、愛すべきダメ男を優しく見守る母性を感じるから。マヤみたいな女性なら、旅の途中でも寄り道の価値はある。

オスカー・レースにこんな小品が割って入ったとは驚きだが、アメリカの平均的中年男女の心の内を丁寧に描いて、好感を得たのだろう。随所に笑いを散りばめた軽さもいい。人生のほろ苦さを知る大人向けの作品だ。

□2004年 アメリカ映画  原題「SIDEWAYS」
□監督:アレクサンダー・ペイン
□出演:ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、他

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