エターナルサンシャイン DTSスペシャル・エディション [DVD]エターナルサンシャイン DTSスペシャル・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
コロコロと変わるクレメンタインの髪の色がひとつのヒント。別れる前は赤、別れた後は青、とおおまかに覚えておくと混乱しないはず。真面目な映画では、賞狙いが見え見えだったジム・キャリーだが、今回は見直した!

ジョエルは喧嘩別れした恋人のクレメンタインとヨリを戻すつもりだったが、彼女が自分の記憶を消したと知ってショックを受ける。嫌な思い出を消去してくれるラクーナ社に依頼し、自分も彼女の記憶を消そうと決意。寝ている間に思い出を追体験する施術を受けるが…。

企業に依頼して特定の記憶を消去する。この設定から見ると、近未来が舞台のようだが、SFのような背景はいっさいない。記憶操作も何となくアナログだし、どうやらこれは心の旅がテーマのようだ。だが「マルコビッチの穴」の才人チャーリー・カウフマンの原案だけあって、切なくも摩訶不思議なラブストーリーに仕上がっている。

まずキャスティングに工夫が見られる。地味で暗めなジョエルをジム・キャリーが、エキセントリックで直情的なクレメンタインをケイト・ウィンスレットが演じるが、今までの役柄から見るとお互いの性格を交換したような形だ。これをミス・キャストと見るか、新鮮と見るか。私は後者だ。キャリーの過剰な演技は苦手だったが、この映画の彼はとても自然。イライジャ・ウッドがちょっぴり曲がった役をおもしろく演じている。

キャスティングをひねった以上、物語も普通には進まない。時間軸はバラバラ、とっぴな発想と大胆な映像が満載。かなりヘンな恋愛映画に、面食らう人も多いだろう。だが、一度流れにのれば、後は主人公と一緒に記憶を遡る旅に夢中になる。季節感を大事にしていたり、小道具の丁寧な描写など、映画好きを喜ばせる細かい仕掛けが嬉しい。近くにいるのに距離を感じる二人の表情が何度も出てくるのが印象的だ。

記憶がテーマの映画は、昨今の一大潮流。大掛かりな仕掛けやCGで大金をかけずとも、優秀な脚本があれば、立派に映画になる。記憶操作は、大概、悪事を働く方向に話が進むもの。恋愛映画では、二人の仲を修復するための美しい思い出と相場が決まっている。この映画では、そんな常套手段の“記憶”を抜群のアイデアで料理した。判りやすいラブストーリーとは決して言えないが、とびきり洒落た作品だと思う。

□2004年 アメリカ映画  原題「Eternal Sunshine of the Spotless Mind」
□監督:ミシェル・ゴンドリー
□出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、イライジャ・ウッド、他

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