コーラス メモリアル・エディション [DVD]コーラス メモリアル・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
監督のC.バラティエはジャック・ペランの甥で、ペピノ少年を演じるのはペランの息子のマクサンス・ペラン。ファミリーの力は強し!過去を振り返る設定が「ニュー・シネマ・パラダイス」風だ。

1949年、フランスの片田舎。親元を離れて暮す寄宿舎に赴任してきた音楽教師のマチューは、生徒を暴力で押さえつける校長の教育に疑問を感じる。彼は子供たちの合唱団を作り、歌うことですさんだ心をときほぐそうとする。少年たちの中に並外れて美しい声を持つ問題児ピエールもいた…。

教師と子供たちの絆を扱う映画は少なくない。音楽の喜びを描いた映画も、これまた多い。定番とも言えるこの映画の単純なストーリーが感動を呼ぶのは、泣かせようとするあざとさが全くないからだろう。映画の主役は何と言っても少年たちの美しすぎる歌声。物語の感動は、見終わった後からじんわりと染みてくる。

不良少年たちを導く音楽教師マチューが、さえない中年男という設定がまずいい。演じるのは「バティニョールおじさん」ことジェラール・ジュニョ。音楽家として名を成す夢に挫折した無名の教師の心理をユーモアと独特のあたたかさで演じている。歌に才能がない子供にもちゃんと役割を与える優しさがなんとも好ましい。

そんな音楽教師マチューと、歌うことの素晴らしさそのものに導かれて変化していく生徒たち。だが、学校で起こった悲しい事件のために生徒と教師は別れなければならなくなる。さよならを言うことさえ許されない場面で、無数の白い紙ヒコーキと小さな手が全てを語る。

良い子ばかりではないし、全てがハッピーに終わるわけではない。人生は悲しみや痛みとともに歩まねばならないことを、私たちは知っている。だからこそ、「土曜日に迎えに来る」両親を待ち続けた幼いペピノのエピソードが心の中にぬくもりとなって残るのだろう。教育というのは、支配や管理と紙一重の場所に存在しているが、“導く”ことの大切さを映画は静かに訴えている。

□2004年 フランス映画  仏語原題「Les Choristes」
□監督:クリストフ・バラティエ
□出演:ジェラール・ジュニョ、ジャン=バティスト・モニエ、フランソワ・ベルレアン、他

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