クローサー [DVD]クローサー [DVD]
◆プチレビュー◆
クローサー(接近)は原題通りで内容にも合っているが、香港映画で同名のものがあるので、せめて副題がほしかった。私が男性なら絶対にジュリア・ロバーツよりもナタリー・ポートマンを選ぶ。

ロンドン。小説家志望の新聞記者ダンは、交通事故でケガをしたアリスを助ける。NYでストリッパーをしていたいう彼女とダンはすぐさま恋に落ちた。1年後、処女小説の出版を控えたダンは、女性写真家のアンナに一目惚れ。アンナもまた、ダンに惹かれるが、彼女はダンの悪ふざけで出会った医師のラリーと結婚。それぞれの交錯した愛には、運命的な出会いと分かれが用意されていた…。

この話は、もともと舞台劇。舞台劇の映画化にあたっていつも感じるのは、時間の経過がわかりにくいということだ。この物語でも実は3〜4年の間の出来事が描かれているのだが、凝縮された演出のおかげか、ごく短い間のように感じてしまう。だが、さすがは元が舞台劇だけあって、練りに練ったセリフは鋭いものばかり。もっとも、凝ったセリフと複雑な人間関係の割には、物語そのものの抑揚は低めだ。

主な登場人物は4人。役者は皆上手い。J.ロウとJ.ロバーツが人気の点では格が上のように感じるが、ずば抜けて素晴らしいのは、ストリッパーという汚れ役を体当たりで演じたN.ポートマン。ヌードこそないが、かなり刺激的なポーズやきわどいセリフもあって「レオン」の子役や「スター・ウォーズ」のアミダラのイメージを完全に叩き壊す。この映画は彼女の女優人生のターニング・ポイントになりそうだ。

恋愛に関してかなり自由になったはずの現代においても、人は愛する者が自分以外の人間と関係するのを好まない。肉体的にも精神的にも、たとえどんな“正当な”理由があろうとも。登場人物は皆、お互いを騙しあい、傷つけあう。観客は、彼らの誰かに感情移入するのは難しいだろう。身勝手な言い分や、品性のなさを、おもしろがるか、軽蔑するかのどちらかだ。私の場合、後者だが、なぜか映画を見終わって嫌悪感はなかった。主人公を好きになることはないのに、作品は愛おしい。不思議な魅力の映画である。

□2004年 アメリカ映画  原題「Closer」
□監督:マイク・ニコルズ
□出演:ジュード・ロウ、クライブ・オーエン、ジュリア・ロバーツ、ナタリー・ポートマン、他

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