マラソン [DVD]マラソン [DVD]
◆プチレビュー◆
どこか「フォレスト・ガンプ」を思わせるキャラクターが魅力的だ。映画に盛り込まれた、自閉症についての正しい知識も貴重。

チョウォンは見た目は20歳の青年だが、子供の頃から抱える障害の自閉症のため、5歳の子供ほどの知能しか持っていない。シマウマとチョコパイが大好きな彼は、毎日せいいっぱい生きている。そんな彼の表情が、走っているときだけは、特別に明るくいきいきとしていることに気付いた母親は、彼に本格的なコーチをつけて、フル・マラソンに挑戦させようとするが…。

フル・マラソンを完走することは、精神的にも肉体的にも、簡単なことではない。ペース配分やコースの研究、他のランナーとのかけひきなど、健常者でも困難なことに知的障害を抱えながら挑戦し、見事にやり遂げた青年がいた。この物語は、韓国で実際に起こった出来事をもとに作られている。

自閉症の主人公と彼を支える母の愛。お涙ちょうだい風の話が見えたと思ったら大間違い。実はこの映画の一番の売りは、ユーモアなのだ。なまけモノのコーチととぼけた味のチョウォンのやりとりは、まるでボケとツッコミ漫才。韓国の母親らしい強気で情が深いおかあさんとチョウォンの、どこかズレた会話もいい。一方で、家庭に居場所がなくなった父親や、障害を持つ子につきっきりになる母親のせいで、寂しい思いをする弟の感情の揺れもさりげなく描いて、神経が細やかだ。そんな家族のさまざまな思いをにじませて、遂にマラソン大会のスタートを告げる笛が吹かれる。

チュンチョンの国際マラソン大会を実際に撮影した映像は、クライマックスにふさわしく素晴らしい出来栄え。握っていた母親の手をゆっくりと離れ、走り出すチョウォンの姿に、観客の誰もが彼の応援団になってしまう。勝ち負けよりも大事なものを教えてくれる主人公の走りっぷり。見終われば、まさに草原を走るシマウマの気分だ。

□2005年 韓国映画
□監督:チョン・ユンチョル
□出演:チョ・スンウ、キム・ミスク、イ・ギヨン、他

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