皇帝ペンギン プレミアム・エディション [DVD]皇帝ペンギン プレミアム・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
子ペンギンも本当に可愛いが、大人ペンギンの“天然”な姿もいい。過酷な地で撮影したスタッフの苦労は並たいていではなかっただろう。苦労のかいあって、すばらしい映画になった。

南極。強風の中、皇帝ペンギンたちは、子育てに安全な場所を求めて、不器用に行進していく。一組のカップルと彼らの間に生まれた子供を通じて、大自然の中で生きるペンギンたちの生態を記録した脅威のドキュメンタリーである。

生きる。ただそれだけが、皇帝ペンギンの願いだ。彼らは、南極というただでさえ過酷な土地で、産卵や食料のために何度も長く危険な旅を繰り返す。シンプルにして究極的な目標を持っている彼らは、人間よりずっと気高い存在にさえ思えた。

どこかユーモラスで愛らしいペンギンの姿そのものにも目を奪われる。モノトーンの生き物は他にもいるが、周囲の景色も無彩なので、現代絵画のようにシュールだ。グレーの産毛を持つ子ペンギンは、まるでぬいぐるみのよう。映画は、あるカップルと彼らの間に生まれた子供に声をつけ、物語を紡いでいる。この声の演出が、いかにもフランスらしく、ベタな感動とは無縁のさっぱりとしたもの。とてもいい。

「WATARIDORI」「ディープ・ブルー」と、フランス発の自然ドキュメンタリーは、とびきりの美意識と慈愛に満ちている。添い遂げるつがいのカップル、仲間同士の団結力、ラストに旅立つ子ペンギンの感動的な姿。皇帝ペンギンの存在そのものが、スペクタクルであり癒しだ。この映画を見て良かった。そう思える数少ない作品だった。

□2005年 フランス映画 仏語原題「La MARCHE de L'EMPEREUR」
□監督:リュック・ジャケ
□出演:(声)ロマーヌ・ボーランジェ、シャルル・ベルリング、ジュール・シトリュック、他

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