ウィスキー [DVD]ウィスキー [DVD]
◆プチレビュー◆
生まれて初めて見たウルグアイ映画(一応、合作)。しかも、世界中で受賞の嵐。こういう嬉しい出会いがあるから映画を見るのは止められない。

ウルグアイでさびれた靴下工場を経営する初老のハコボと、ブラジルでやはり靴下工場をやっている弟のエルマンは長い間、音信不通。しかしエルマンが久しぶりに帰国することになり、ハコボは工場で長く彼の助手として働く中年女性マルタに弟の前で妻のふりをしてくれと頼むが…。

主な登場人物はたったの3人。それも若くも美しくもない中年男女の物語なのだが、これがなんとも味がある。夫婦を装う2人のぎこちなさに思わずクスリ。ただし、なぜそんなことをしているかという説明など無論ない。ハコボとエルマンの兄弟は、ユダヤ系で、ウルグアイではマイノリティのようだが、そのあたりもサラリと流す。

会話は少ないが、見終われば、偽装夫婦、真実を隠しての旅となかなか劇的な設定なのだ。そして、最後に起こる静かな大事件。描きようによってはどれほどでもドラマチックになる素材を、オフ・ビートな感覚で料理している。それが、この映画を称して「南米のカウリスマキ」と呼ぶ理由だ。

題名の「ウィスキー」とは、ウルグアイで写真を撮るときの合言葉。写真には笑顔が焼き付けられる。作り笑いは、彼らに何をもたらすのだろうか。何気なく渡すハコボのお礼の品が、マルタを変えたのではない。カメラに向かって微笑んだ瞬間に、彼女は自分でも無意識に変わったのだ。このラスト、私はハッピー・エンドだと思う。

□2004年 ウルグアイ・アルゼンチン・ドイツ・スペイン合作映画 原題「Whisky」
□監督:ファン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール
□出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル、ホルヘ・ボラーニ、他

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