運命じゃない人 [DVD]運命じゃない人 [DVD]
◆プチレビュー◆
最高の脚本。ただ、便利屋やまちゃんにも、ラストのオチがあったら嬉しかった気も。エンドロールが始まってから、とびきりのシーンが用意されているので、最後まで見てほしい。

平凡で気弱な宮田は、他人を疑うことなど知らない、絶対的な“いい人”だ。親友で探偵の神田は、そんな彼が心配でたまらない。一見、何の係わりもなさそうな、レストランでナンパした女の子やヤクザの親分。彼等は、宮田の元恋人で女詐欺師のあゆみが大金を持ち逃げしたことで、運命の一夜を共有することになる…。

ひとつの出来事を、複数の人物の視点で描き分ける。別に新しい手法ではないが、この作品は、あまりにも上手い。コメディ、ラブ・ストーリー、サスペンスと様々な色を帯びるのは2000万円強奪の謎。軸になるのは男の純情だ。時間を巻き戻すたびに、パズルのピースがはまっていく。あっという間に、物語に引き込まれてしまった。

主人公の宮田のキャラが何といっても最高だ。周囲にとっては命がけの、怒涛のような時間も、彼には新しい恋がはじまるときめきの瞬間。最高に笑えるのは、彼の周りの人々、とりわけ、親友の神田はボロボロなのに、何も知らない宮田はニコニコしていること。複雑な時間軸のからまりと、メリハリの利いた人物描写が最大の魅力だ。

全てを知っているのは、他ならぬ私たち観客だけ。何気なく通る車や散らかしたファイル、ダンボールの箱の中身の意味を知る側としては、ハラハラ、ニヤニヤ。あぁ、快感。こんな洒落た脚本は久しぶりである。日本映画の未来は明るい。第14回PFFスカラシップ作品。

□2004年 日本映画
□監督:内田けんじ
□出演:中村靖日、霧島れいか、山中聡、他

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