ライフ・イズ・ミラクル [DVD]ライフ・イズ・ミラクル [DVD]
◆プチレビュー◆
クストリッツアの不思議ワールドに突入したら、154分の長さは感じない。サッカー場のエピソードがかなり笑える。音楽はノースモーキング・オーケストラ。

1992年のボスニア。ルカは国境近くの片田舎に住む鉄道技師だ。妻と息子と3人で暮らすのんびりした村での生活が大いに気に入っている。しかしそんなのどかな村にも内戦の嵐がやってきた。息子は戦争に駆り出され、妻は突然、男と家出。ルカは取り残されながらも、どこか開放感を味わう。そんな中、ムスリム人の看護婦のサバーハが捕虜として村にやってきた…。

多くの犠牲を生んだユーゴの激しい内戦も、最初はただのケンカ騒ぎのように思われていたのだろうか。だが、その後の悲劇は世界中が知っている。ムスリム人のサバーハは、戦争で敵の捕虜となったルカの息子と交換する、価値ある人質だ。彼女とルカはやがて恋に落ちるが、愛する女性か、愛する息子かの選択はあまりに酷だ。実際にセルビア人男性の身に起きた、同様の話があるというから、笑えない話である。

まるで二人の守り神のように、多くの動物たちが登場する。家の中で入浴中の熊。ケンカ友達の犬と猫。悲運に見舞われるニワトリ。中でも重要な役目を果たすのは、失恋して絶望しているロバだ。このロバの起こす行動が、ラストに奇跡を生む。

悲しくて、可笑しくて、現実的だが、おどぎ話のような映画。クストリッツアの作品は、常に不思議なおおらかさに満ちている。希望こそ、彼の作り出すミラクルだろうか。ボスニア紛争の地で生まれた彼だからこそ作れる、愛の奇跡の物語だ。

□2004年 フランス・セルビア=モンテネグロ合作映画 英語原題「Life is a miracle」
□監督:エミール・クストリッツア
□出演:スラブコ・スティマチ、ナターシャ・ソラック、ヴェスナ・トリヴァリッチ、他

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