RIZE [DVD]RIZE [DVD]
◆プチレビュー◆
顔にペイントするなど外観に特徴をもたせて自己主張。全ての物事を競争にしてしまうところに米国社会らしさが現れている。鍛え上げられた肉体に思わず絶句。

ロサンゼルス、サウス・セントラル地区は、暴力や銃による殺人が日常茶飯事という米国で最も危険な地域。麻薬や売春に走るのが当然のような若者たちに希望を与えるため、トミー・ザ・クラウンはピエロの服装で子どもたちにダンスを教え始める。その動きは瞬く間に広まったが、やがて新たなダンスの流れを目指す集団が現れる…。

冒頭に「この映画の中のダンスは早回しではありません」とのテロップが入るので、思わず笑ってしまったが、中身を見れば納得の但し書きだ。クランプ・ダンスは、体を激しく小刻みに動かし、まるで相手を挑発して喧嘩をしているかのような動きで踊るダンスのこと。痙攣したようなダンサーは、最後にはトランス状態に陥ってしまうという驚愕の踊りだ。映画はこのクランプ・ダンスのバトル大会を中心に、踊りの生まれたいきさつやパフォーマーたちへのインタビューで綴られる記録映画である。

犯罪が蔓延する街では生きているだけでもうけもの。だが、若者達は自分の内部のエネルギーをダンスに昇華することで「生」を実感していた。「RIZE」とは這い上がること。彼等の中にはアーティストとして成功したものいて、有名ミュージシャンのビデオクリップなどで目にすることができる。おもしろいのは、この最も最先端に見えるダンスと、アフリカの土着の儀式的舞踏との共通性を見出した箇所。この部分はもっと掘り下げてみても興味深い内容になっただろう。

ドキュメンタリー映画だが退屈とは無縁だ。映像の色彩感覚が刺激的で、ダンス、音楽ともに大興奮の作品といっていい。映画初監督のデヴィッド・ラシャペルは、一流の写真家として既に有名な人。激しい動きの一瞬を捉えた映像がすばらしい。

□2005年 アメリカ映画 原題「RIZE」
□監督:デヴィッド・ラシャペル
□出演:トミー・ザ・クラウン、ラリー、リル・シー、ドラゴン、他

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