力道山 デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]力道山 デラックス・コレクターズ・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
修行時代は本当はもっと差別されたはず。日本にやや遠慮した作りでは?力道山の得意技「空手チョップ」は日本と日本人に振り下ろされたものだろうか。試合の場面では多くのプロが出演しているので格闘技ファンの人は必見。

北朝鮮出身の金(キム)は、日本で横綱を目指して相撲にはげむ日々を送る。実力もありスポンサーにも恵まれて力道山という名前をもらうが、彼の前には常に激しい国籍差別が横たわっていた。相撲界での可能性に見切りをつけた彼は、新しいスポーツであるプロレスに転向して活躍してゆく…。

映画は力道山がクラブで刺されるという衝撃的な場面から始まり、彼の苦難の半生を回想するスタイルを取る。プロレスラーの力道山という名前は知っていても、本当の姿を知る機会はなかった。朝鮮人と侮蔑され、その出自を隠して生きていかねばならないつらさ。有名になればなるほど深まる孤独。映画は昭和のヒーローという輝かしい姿をことごとく打ち砕く。

実在の人物を描く場合、演じる役者のアプローチが何よりものを言うが、主演のソル・ギョングの役者根性は凄い。彼は本物の韓国実力派俳優だが、その人物が体重を28キロ増量し、プロレスの技を修得し、さらに映画の97パーセントのセリフを日本語でこなしている。外国人が話す日本語は概ねたどたどしいが、本作では、たくましい格闘家という役柄上、不器用な話し方がかえって効果的となった。そもそも力道山はいつのときも全身で闘ってきた人物。セリフはもともと重要ではないのかもしれない。

「自分は何人でもない。世界人なんだ」とは、力道山の有名な言葉だ。朝鮮人でありながら、日本にやってきて、アメリカへも修行に行き、敗戦後の昭和の日本人のヒーローとなった男。この前向きなセリフの裏側には、どこにも帰る場所がない、故郷を持たない深い悲しみが満ちあふれている。

□2005年 韓国・日本合作映画 英語原題「Rikidozan」
□監督:ソン・ヘソン
□出演:ソル・ギョング、中谷美紀、萩原聖人、他

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