エミリー・ローズ [DVD]エミリー・ローズ [DVD]
◆プチレビュー◆
信心深い弁護士が悪魔などいないと言い、無神論者の女性弁護士が神父を弁護する構図がおもしろい。新人のジェニファー・カーペンターの熱演は拍手もの。

平凡な女子大生エミリーが悪魔に取り憑かれ、神父は悪魔祓いの儀式を行う。だが結局、彼女は儀式の最中に命を落とした。エミリーの死は、神父の過失致死罪であるとして裁判が行われるが、それは悪魔の存在の真偽を問う前代未聞のものとなる…。

キリスト教徒ではない私には、悪魔の生理的な怖さがいまひとつつかめない。と同時に、神の存在の崇高さも。だが宗教的意義の理解度は低くても十分に楽しむことが可能な物語だ。この映画は悪魔の存在を裁判で立証する、極めてユニークでスリリングな法廷劇なのである。

悪魔や悪魔祓いに関する全てのことは、医学的に論破が可能だ。追い詰められながらも真実を語ろうとする神父。彼を助ける女性弁護士も、儀式で起こったことの真偽に疑いを持っているが、そこに全てを記録した1本のテープとエミリーが残した1通の手紙が出現する。神を信じる人には信念を、そうでない人には、人間の良心と勇気を見せてくれる終盤の展開は、実話ということも踏まえて感動的だ。

理屈に合わないものをどこかで信じる気持ちは、宗教とは別次元で心のどこかにあるはず。そんな目に見えない心情を法はどう裁くべきか。法律はどのようにも解釈できるが、使う人次第で毒にも薬にもなるということだ。その時こそ人間の本質が試される。神父を演じたトム・ウィルキンソンの風格のある演技と、物語をホラーと裁判という2本柱にした演出が見事だった。

□2005年 アメリカ映画 原題「Emily Rose」
□監督:スコット・デリクソン
□出演:トム・ウィルキンソン、ローラ・リニー、ジェニファー・カーペンター、他

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