ニュー・ワールド コレクターズ・エディション [DVD]ニュー・ワールド コレクターズ・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
しびれるほど美しい映像だけでも見る価値がある。コリン・ファレルは一見マリック映画にそぐわないように見えるが、意外にも似合っていた。

17世紀の新大陸アメリカ。イギリス人の冒険家ジョン・スミスは、ネイティブ・アメリカンの王の娘ポカホンタスと出会い、恋に落ちる。しかし、イギリス人開拓者と原住民たちの間に争いが起こり、二人は引き裂かれてしまう…。

ゆったりと流れるような音楽と神秘的に美しい映像。さらに瞑想のようなヴォイス・オーバーが静かにかぶる。心地よすぎて眠気さえ誘う映像美だが、描かれる物語は悲劇的なものだ。かつてディズニーでも描かれたポカホンタスの恋と冒険の物語とは、全く異なる映画になっている。

スミスとポカホンタスの恋は破れ、彼女はやがて英国人貴族のジョン・ロルフの穏やかな愛情を受け入れる。英国に招かれ国王に謁見するが、帰国途中で病に倒れる。自然の一部のようだったポカホンタスが、徐々に文明化する姿は、進歩というより喪失感の方が強い。のびやかに走る姿はコルセットで締め付けられた服に変わり、王に謁見する時の悲しげな表情は、全てをあきらめたかのようだ。

極端なロー・アングルでとらえた人物の向こうには、美しい樹木と木漏れ日の映像。水面を滑る船、蛇行しながら奥地へ消える川。自然は人間の行いや全ての物事を見守るように存在している。テレンス・マリックは寡作の監督だが、送り出す作品はどれも質が高い。開拓者たちは平和に暮らす原住民の穏やかな暮らしを奪った。現在のアメリカはポカホンタスの自由と命の犠牲の上に成り立っているというのがマリック監督の解釈だろう。

□2005年 アメリカ映画  原題「THE NEW WORLD」
□監督:テレンス・マリック
□出演:コリン・ファレル、クオリアンカ・キルヒャー、クリスチャン・ベール、他

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