フーリガン [DVD]フーリガン [DVD]
◆プチレビュー◆
現実的には、暴れて試合を台無しにするフーリガンが多い。大のサッカーファンの私としては暴力行為には賛成は出来ないが、映画として語り口の新しさを評価。

マットは名門大学でジャーナリズムを学ぶ米国人大学生。だが友人の罠で大学を退学になり、姉の住む英国にやってくる。そこで姉の義弟ピートと知り合うが、彼は熱狂的なサッカー・ファンだった。彼とのつきあいから、次第に危険だが陶酔的な暴力の世界に惹かれていくマット。変わり始めたマットだったがある日事件が起きる…。

サッカーとは呼ばない。フットボールなのだ。蹴球母国の英国から生まれたこの映画は、悪名高い熱狂的サポーター、フーリガンについて描くもの。チームをこよなく愛する気持ちと争いの瞬間に「生」を実感する彼らの生き様は熱い。時には死を招く暴力行為に共感するわけにはいかないが、そこだけが彼らの居場所。言い分を聞いてみる価値はある。

ウェストハム・ユナイテッドというチームの地位や尊敬の意味は分からなくても、チームを愛する者同士の連帯感は伝わってくる。彼らがなぜ戦うのかを知るうちに、主人公の中で眠っていた闘争本能がたぎり、暴力によって生きる意欲に目覚めていく。だが、敵対するサポーターとの間についに争いが起きたとき、そこには繰り返されてきた悲劇が待っていた。それまで戦うこともなく逃げてきたマット。だが彼の中で何かが変わった。ラストの行動では観客はカタルシスを味わうだろう。童顔のイライジャ・ウッドは、いつまでも“フロド”のままではなかった。

映画は全編を通して男らしくハードな空気が漂っているが、監督は意外なことに女性である。サッカーは映画になりにくいスポーツと言われているが、イングランドのプレミア・リーグは英語圏のプロ・リーグのせいか、映画にはよく登場する。試合シーンも大迫力だ。ピッチの外側を描きながら極めてフィールドに近いサッカー映画で、何より切り口が新しい。

□2005年 アメリカ・イギリス合作映画 原題「HOOLIGANS」
□監督:レキシー・アレキサンダー
□出演:イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ、他

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