パプリカ [DVD]パプリカ [DVD]
◆プチレビュー◆
気持ち悪くて気持ちイイ映像の洪水。夢ネタの映画は珍しくないけれど、アニメならではの刺激的なビジュアルが楽しめる。定番の映画ネタと、なにげにエロい場面も健在。 【80点】

若く美しいサイコ・セラピスト千葉敦子は、他人の夢に入り込み、心の秘密を探る治療に携わっていた。そんな時、極秘に開発されていた最新機器DCミニが何者かに奪われる事件が発生。それからというもの、研究者の意識が蝕まれ、夢とも現実ともつかない奇怪な事件が発生しはじめる…。

人間の脳は、人類に残された最後のフロンティアなのだろうか。「パプリカ」は脳に刻まれる「夢」を自由に操ることが善と悪の両方につながってしまうことを、無限のイマジネーションが溢れる映像で描く物語だ。アニメとは言えど、完全に大人向きの作品で、原作は筒井康隆の同名小説である。

主人公は、現実世界ではクールで知的な大人の女性敦子、夢の中では活動的で大胆な美少女パプリカになる。二面性を持たせたことが、映像的なメリハリにつながっていて楽しい。DCミニの開発者は、夢による精神治療を全て善ととらえているが、実際には人間は清らかな心の持ち主ばかりじゃない。従って、トンデモナイ悪夢が出現してしまう。この暴走する夢を、アニメーションという最も適した表現手段で、これでもか!とばかりに見せてくれる。全てがハイ・クオリティの映像で、これはほとんどドラッグ体験ではなかろうか。特に、人形や家電製品が狂ったようにパレードする場面は、強烈な毒気を放ち、この映画のハイライト。まさに、今敏(こんさとし)ワールド全開だ。

夢を操る。これが現実化するのはそんなに遠い世界の出来事ではないのかもしれない。だが、夢と現実とを比べたとき、戻るべき現実が魅力のないものになったときのことを考えると空恐ろしくなる。帰る場所を失った私たちは、どこへ行けばいいのか。そんなことまで考えてしまった。ところで、体を動かさずに視覚と聴覚だけで物語を追う映画は、どこか夢を見る行為に似ている。何だかちょっと怖い。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)キモい度:★★★☆☆

□2006年 日本映画 
□原題「Paprika」
□監督:今敏(こんさとし)
□出演:(声)林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、山寺宏一

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