ロバと王女 デジタルニューマスター版
大女優のカトリーヌ・ドヌーヴが最も美しい頃に出演した、幻の映画が「ロバと王女」で、デジタルニューマスター版として劇場公開もされたのだが、見逃していたのでDVDでチェックした。

噂には聞いていたが、この映画はスゴい。かなりの珍作だ。コメディなのか、ミュージカルなのか判別不能だが、一応ファンタジーということにしておく。

おとぎの国のように富んだ青の国で、最愛の王妃を病で亡くした王が、「私よりも美しい人と再婚を」と言い残した王妃の言葉で選んだのは実の娘。ここでかなり理性を失っている話だと判るが、困惑した娘の王女が相談を持ちかけた妖精が相当いいかげんなヤツで、王女に、高度な技で作るドレスを父王に次々と要求させる。だが、王はあっさりと望みをかなえてしまうので、では、国の宝である財宝を生むロバの皮が欲しいと言えと提言。「最初からそう言えよ!」とツッコみたくなる。

このロバの皮をかぶって醜い下女に変装(どこが?!)した王女は、隣国の赤の国へと逃げるのだが、映画の後半のほとんどがロバのかぶりものを付けた姿なのだから、見ている方はたまらない。さらに、ロバのお引きズリ姿のドヌーヴが歌ったりする姿が、楽しげに展開、強引に王子の花嫁探しへとなだれ込む。しまいには、数々のおかしな展開を経て、王子と結婚するその場に、ヘリコプター(アリなのか?)で父王とその妃に収まった妖精が仲良く登場して大団円ときた。

いくら昔から伝わる童話とはいえ、製作時、この脚本を誰も疑問に思わなかったのか?!話が強引すぎて、文句を言う気力も失せるのと、ムチャを補って余りあるきらびやかな映像に理性が吹っ飛んだのかもしれない。思い出しただけで頭が爆発しそうだ。だが、一時期のフランス映画のファンタジーの徴候を理解する上で、必見の作品だと思う。

(1970年/フランス/ジャック・ドゥミ監督/仏語原題「PEAU D'ANE」)

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