ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド スペシャル・エディション [DVD]ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド スペシャル・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
孤独な魂を、美形の双子俳優が熱演。70年代のパンクロック好きにはたまらないだろう。刺激的で哀しい映画だ。 【50点】

1975年のイギリスで異形のロック・バンドがデビューした。結合体双生児のトムとバリーが率いるバンド「ザ・バンバン」は、パンク・ムーブメントの嵐の中で、その美しさと熱狂的なパフォーマンスが支持され、時代の寵児となっていく。だが、美しい女性記者ローラがトムを愛したことにより、二人の運命は狂いだし…。

この物語が、フェイク(偽)ドキュメンタリーというスタイルを取っているのは、とても興味深い。ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド(体はひとつ、頭がふたつの兄弟)は、もともと異なる性質ながら、深い同一性を持つものの物語。好奇と嫌悪、希望と絶望、虚構と現実。全て、双子が体現している。映画は、見世物的要素と、双子が持つ神聖で妖しい力がパンク・ロックとなって収束し、はじけまくるようだ。

人里離れた岬で暮らしていた結合双生児は興行主に売られ、美しさを武器にロック・スターに作り上げられた。才能を発揮するが、内向的で温和なトムと繊細で攻撃的なバリーの間に、ローラという異分子が入り込むことで歪みが生じる。それは、最高の音楽を生み出す道であり、同時に酒とドラッグに溺れる破滅への道でもあった。ひとつの体の中で引き裂かれていく心が見ているものの胸を締め付け、二人の安息は死のみだと納得させられる。

双子が運命をからめとられるのが、破滅的音楽のパンク・ロックであったことも物語の大きな示唆となる。70年代のUKに突如現れた、異形の音楽ムーブメント、パンク。だが、歴史に刻まれる音は、誕生のその時はいつも“変わり者”なのだ。オープニングのケン・ラッセル監督本人が演出する「二通りのロミオ」が唐突にカットされるように、双子の運命もプッツリと終わりを迎える。悲しいがどこかほっとした。彼らはもう一度ひとつになって霧深い岬へ戻って行ったのだ。美しいレクイエムが聴こえるようである。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)切ない度:★★★☆☆

□2005年 イギリス映画 原題「BROTHERS OF THE HEAD」
□監督:キース・フルトン、ルイス・ペペ
□出演:ルーク・トレッダウェイ、ハリー・トレッダウェイ、ブライアン・ディック、他

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