13/ザメッティ [DVD]13/ザメッティ [DVD]
◆プチレビュー◆
ザメッティとはグルジア語で13の意味。集団ロシアン・ルーレットの緊張感とその後の展開の対比が上手い。ハリウッド・リメイクも決定した秀作。 【95点】

貧しい青年セバスチャンの雇い主が麻薬の過剰摂取で命を落とす。生前に漏らしていた“大金が手に入る仕事”の鍵を記した封筒を手に入れたセバスチャンは、中身を知らず雇い主になりすましパリへ。指示通りに向かった先は、暗い森の奥の妖しい屋敷で、そこでは、非合法の犯罪ゲームが行われていた…。

冒頭から異様な雰囲気を醸し出すモノクロの画面に魅せられた。ザラザラした質感と強いコントラスト。観客を物語に引きずり込むこの映画には、フィルム・ノワールの香りがする。金持ちたちが大金を賭けて熱狂する死のゲームとは、それぞれが自分の持ち駒の人間をゲームに送り、一斉に拳銃の引き金を引くという集団ロシアン・ルーレットだ。貧しい男たちが、銃に自らの命を賭けるのは、生き残った時に大金の分け前を得るため。残酷で堕落した人間たちの欲望を、こんな風にドライに描写した映画はめったにない。これを作ったのが、世界の映画界ではほとんど無名のグルジア人監督なのだから、恐れ入る。

映画に繰り返し登場する「13」という数字は、不吉なナンバーとして知られるが、幸運とみなす場合もある。主人公のセバスチャンはどん底の暮らしの中で大きなチャンスに恵まれるが、邪悪な世界に身を置いたため、正常な人間ではなくなった。闇社会では、人を人とも思わず、富めるものが貧しいものの生死をもてあそぶ。封筒を手にした瞬間に、彼はもう死んでいるのだ。

秀逸な脚本を効果的に盛り上げているのは、低予算を逆手にとった凝った映像作りと音響、無名の役者たちの不敵な面構えだ。口の中が乾くほど怖い。極度の緊張を強いられる。そんなおぞましい物語なのに、最高におもしろい。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)掘り出し物度:★★★★★

□2006年 フランス映画 原題「13 Tzameti」
□監督:ゲラ・バブルアニ
□出演:ギオルギ・バブルアニ、オーレリアン・ルコワン、パスカル・ボンガール、他

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