2007年05月09日

ストリート・オブ・クロコダイル

ストリート・オブ・クロコダイルイギリス出身のスティーブとティムのクエイ兄弟による、驚愕の人形アニメーション。細部にまで病的に作りこまれ、こだわったビジュアルはときにめまいさえする。

閉鎖された博物館に迷い込んだ男が見たのは、クロコダイル通りという名の街の模型。そこに置かれた機械仕掛けの人形たちが突然動き出す。まるで観客自身がキネトスコープ(覗き見式の映像投影装置)で悪夢を見ているかのよう。老人が垂らす唾で人形が動きはじめるという発想が、シュールにして天才的だ。

映像魔術師の呼び名にふさわしいクエイ兄弟は、双子で、制作のビジョンも息もピッタリなのだろう。不気味でエロティックなパペット・アニメは、その後の人形アニメーション制作作家たちに、今も大きな影響を与え続けている。

原作はブルーノ・シュルツの短編「大鰐通り」。シュルツは20世紀ポーランドを代表する作家・画家で、ユダヤ人。ナチスによって路上で撃ち殺されるという悲劇の最期を遂げている。

(1986年/イギリス/ブラザーズ・クエイ監督/原題「Street of Crocodiles」)

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