2007年07月05日
ベリッシマ
ベリッシマ
スペイン映画「ボルベール<帰郷>」の中で、カルメン・マウラ扮する母親イレネが、TVで見ている古い映画が、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ベリッシマ」だ。ヴィスコンティの長編映画では、唯一ハッピー・エンドのテイストを持つ作品である。
イタリアの大女優アンナ・マニャーニ扮する母親は、今で言うステージ・ママに近い。映画の子役のオーディションがあると聞き、幼い娘をスターにしようと、バレエや音楽を習わせ、映画関係者に賄賂を渡す。
娘の幸せだけを願って奔走していた彼女だったが、娘の泣き顔のカメラ・テストの映像を見て大笑いする関係者を見て、自分の愚かさに気付き、テストに合格して出演を依頼してきた映画関係者に対し、きっぱりと断ってみせる。最後に、優しい夫に自分のあやまちをわびて、明日から精一杯働いて生きていくことを誓う母の姿が感動的だ。
時には間違ってしまうこともあるけれど、無償の愛情を注ぐ母親の揺るぎないたくましさを描いたヴィスコンティの佳作。母の力強さと包容力を描いたスペイン映画「ボルベール」との共通点が見出せる。
貴族社会を描かせたら天下一品のヴィスコンティだが、ネオ・リアリズモの旗手だっただけあり、庶民の生活を活写しても、その演出力は際立っている。
(1951年/イタリア/ルキノ・ヴィスコンティ監督/原題「Bellissima」) ←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/
トラックバックURL
この記事にコメントする


メールはこちらから↓