2007年09月15日

映画レビュー「ミス・ポター」

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◆プチレビュー◆
ピーターラビットの作者の半生を描く伝記。湖水地方の美しい風景に癒される。CGで動く動物たちが最高に可愛い。70点】

20世紀初頭のロンドン。上流階級の女性ビアトリクス・ポターは母が勧める結婚より絵本作家として生きることを切望していた。新人編集者ノーマンの助けで、絵本を出版し、大成功を収めるビアトリクス。いつしかノーマンと愛し合うようになるが…。

いつの時代もどんな分野でも、先駆者という存在は偉大だ。上流階級の女性が働くなど論外だった時代に、ビアトリクスは、得意の絵で社会に進出した働く女性“キャリア・ウーマン”。同時に偉大なナチュラリストでもあり、自然保護を実行する行動力と先見性も持っていた。彼女の作品の可愛らしい絵柄とは対照的に、力強くて自立した女性というイメージが沸いてくる。だが、ポターという人物は、アーティストとしての誇り、夢見がちな性格、意外と長けた理財の才などが同居する、複雑な才能の持ち主だったようだ。世界一有名な青い上着を着たウサギ「ピーターラビット」は、そんな女性から生まれた魅力あふれる芸術品である。

この映画は良くも悪くも静かで控えめだ。ビアトリクスとノーマンとのビジネス上での二人三脚は、やがて恋へと発展するが、愛する人の病死によって、幸せは突然手からこぼれ落ちる。昨今の純愛メロドラマならどれほどでも劇的な演出をほどこせるこの悲劇を、さらりと描くのが印象的だ。人間の死も、大自然の大切な一部なのだと言い聞かせるように、喧騒のロンドンから一人田舎に移り住み、悲しみを癒すポター。傷ついた心を抱えながら、愛する自然の中で静かに暮らすたたずまいが、どこか素朴な印象のゼルウィガーにとても似合っていて、好感が持てる。一方、控えめな演出に物足りなさを感じるのは、ポターの持つ精神性の基礎となる部分だ。彼女は、私生活でも仕事の上でも、決して妥協しない。それはポターが、自然保護と歴史的建造物保全のナショナル・トラスト運動の基盤を作ったことにも現われるが、この意思の強さがどこから来たのかが分かりにくい。おそらくは理解のある父親、おそらくは湖水地方への特別な愛着。予想はできるが、彼女の傑出した芯の強さの源をより深く描けば、現代に生きる私たちは、ポターという女性にもっと近づけただろう。

目まぐるしく変化する時代のむなしさと、現実にあふれる悲しみを、ポターは本能的に知っていた。だからこそ、才能ある原作者の特権で、自作の中の世界に遊ぶ喜びを満喫していたのではなかろうか。映画は、ポターのそんな感情を、現代ならではのCG技術で絶妙に表現している。絵本の動物たちを生き生きと動かして、ゼルウィガーと“共演”させたのだ。ウサギ、ネコ、ガチョウ、キツネ。ポターの本の世界そのままに動き回るおなじみのキャラクターたちがほほえましい。動物たちとのデジタル共演の時間は短いが、この演出が映画を格段に魅力的にしている。何よりも、孤独な性格だったと伝えられることが多いビアトリクス・ポターを、ユーモラスで愛すべき女性としてイメージさせてくれたのが嬉しかった。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)キャリアウーマン度:★★★★☆

□2006年 アメリカ・イギリス合作映画 原題「MISS POTTER」
□監督:クリス・ヌーナン
□出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、他

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ピーターラビットの世界に魅せられた初心者向けふぁんサイト
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20. ミス・ポター  [ 大発狂!マッドシネマ-映画天国- ]   2007年10月18日 12:35
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 ご存知ピーター・ラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの生涯を描いた映画。  当時は女性が独身でいることなどあまりないことであった。その時代に独身でいることを選び、自らの絵と物語を出版するために出版社に出かける女性がいた。それがミス・ポター(レニー...
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私が絵を描いていて特にお手本にしている絵本画家は、「ムーミン」のトーベ・ヤンソンと、「ピーター・ラビット」の作者。どちらも特別に個性的なタッチではけれども、ほのぼのとし...
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原題:Miss Potter その物語の初版登場は今から100と5年も前のこと、第1作の「ピーターラビットのおはなし」だけでも4500万部を超えいまも世界中に親しまれているという・・ ビアトリクス・ポター(レニー・ゼルウィガー)は少女時代、両親に連れられロンドン...
9. ミス・ポター  [ シナリオ3人娘プラス1のシナリオ・センター大阪校日記 ]   2007年09月21日 11:35
 ピーター・ラビットの原作者、ビアトリクス・ポターのお話です。舞台は1902年のロンドン。ビアトリクス・ポターは自分が書き溜めた絵を絵本にして出版しようと、ウォーン兄弟が経営する出版社を訪れます。ウォーン兄弟は出版を承諾しますが、その理由は、今まで母親の面倒...
8. 映画vol.134 『ミス・ポター』*試写会07-13  [ Cold in Summer ]   2007年09月21日 10:43
*オリジナル・サウンドトラック 公開:2007年  公式HP 主演の「レニー・ゼルヴィガー」、活き活きしてました! 今までの彼女の役の中で1番好きでした。 ←よろしくです♪
7. ”ミス・ポター ”  [ 映画趣味 ]   2007年09月20日 22:55
”ミス・ポター ”を観た。 よかった。 ヴォルデモートとの闘いを陰で支えた、ポッター夫人の生涯...な、わきゃない。綴りは一緒なのに”ミス・ポッター”でないのはやはり、こういうくだらないことを言う人を一人でも少なくする為か... ピーターラビットの生みの親。ピー...
6. ミス・ポター  [ Akira's VOICE ]   2007年09月19日 17:01
こらピーター,魔法を使っちゃダメ!
5. ミス・ポター  [ Lovely Cinema ]   2007年09月18日 21:09
2006年/アメリカ 監督:クリス・ヌーナン 出演:レニー・ゼルウィガー(ビアトリクス・ポター)    ユアン・マクレガー(ノーマン・ウォーン)    エミリー・ワトソン(ミリー・ウォーン)    バーバラ・フリン(ヘレン・ポター)    ビル・パターソン(...
4. ミス・ポター  [ 小部屋日記 ]   2007年09月17日 20:59
Miss Potter(2006/アメリカ)【劇場公開】 監督:クリス・ヌーナン 出演:レニー・ゼルウィガー/ユアン・マクレガー/エミリー・ワトソン/ビル・パターソン/バーバラ・フリン/マッティエロック・ギブス ようこそ、 ピーターラビットが生まれた世界へ。 上品で暖か...
3. 「 ミス・ポター/ MISS POTTER (2007) 」  [ MoonDreamWorks★Fc2 ]   2007年09月16日 22:42
【ミス・ポター 】 9月 日(土) 公開 監督 : クリス・ヌーナン 出演 
2. 【劇場映画】 ミス・ポター  [ ナマケモノの穴 ]   2007年09月16日 19:26
≪ストーリー≫ ヴィクトリア朝の封建的な空気が残る1902年のロンドン。上流階級の家庭に育ったビアトリクスは、子供の頃からの夢であった絵本を出版しようとしていていた。主人公は、青い上着を着た愛らしいうさぎ、ピーター。新人編集者、ノーマンはビアトリクスの絵に魅...
1. ミス・ポター  [ しあわせ映画レシピ ]   2007年09月16日 09:54
今まであまり意識したことはなかったのですが、いざ探してみるとピーターラビッドを施してある小物が家のあちこちに。 お皿、サニタリーグッズ、3D、図書カード、タオル、etc・・。 こんなにも身近にあったなんて・・。 みなさんの家にも一つぐらいは青い上着をはおっ...
この記事へのコメント
1. Posted by スノーパンダ   2007年10月01日 19:05
こんにちは。 TBさせていただきありがとうございました。
レビューにうなずけるところが多かったです。
あのビアトリクス・ポターの半生をこんなにも優しくチャーミングに仕上げてくれたところが 嬉しかったです。ポチして帰ります♪ またお邪魔しますね
2. Posted by まちこ   2007年10月02日 00:28
スノーパンダさん、ようこそ当ブログへ。管理人のまちこです。
コメントとTBをありがとうございます。先ほどTB返しさせていただきました。

「ミス・ポター」、癒されますよね〜。
ビアトリクス・ポターは働く女性にとって尊敬できる人物であるにも係わらず、どこかおっとりした不思議ちゃんに描かれていて、そのあたりも映画の魅力になっていました。
動物たちが動く場面は少ないですが、さすがは21世紀の映画という感じで上手い使い方をしてましたよね。

ところで、スノーパンダさんのサイトを拝見しましたが、ポターに負けず素敵なイラストで驚きました〜!またぜひ遊びにきてください。待ってます!
3. Posted by kimion20002000   2008年04月23日 02:19
TBありがとう。
動物たちとのデジタル共演は、ちょうどいい塩梅でした。これ以上のシーンになると、ちょっとうざくなってくるような気がします。
4. Posted by まちこ   2008年04月23日 08:55
kimion20002000さん、コメントをありがとうございます。

動物たちとのほどほどのCG共演、私も気に入ってます。ファンタジーに走り過ぎないところが良かったですね。

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