2007年09月22日

映画レビュー「プラネット・テラーinグラインドハウス」

プラネット・テラー プレミアム・エディション
◆プチレビュー◆
グラインドハウス第2弾は、往年のB級映画を最新技術で再現したゾンビ映画。片足マシンガンのヒロインが最高!75点】

テキサスの田舎町の米軍基地で違法の生物化学兵器が開発されるが、破壊された装置から有毒ガスが噴射。町の人々は感染し、ゾンビと化す。ゴーゴーダンサーのチェリーは別れた恋人のレイと出会うが、ゾンビに片足を食いちぎられてしまい…。

タランティーノの「デス・プルーフinグラインドハウス」と対をなす2本立て風映画の第2弾がこちら。2本同時鑑賞は無理でも、出来るだけ前作を押さえておくことをお勧めする。物語は、ゾンビファンには垂涎もので、血みどろの残酷描写は映倫スレスレ。見ているこっちが心配になるほどだ。タランティーノ版が往年のB級映画の再現に全力を注いだのに対し、本作の特徴は、伝統的なゾンビもののラインを踏襲しながら、細かい設定に現代の息吹が感じられる点にある。ロドリゲスは、製作、監督、脚本、撮影、特殊効果や音楽にいたるまで、ほとんど全ての映画技術に精通するオールマイティな天才肌。その彼が、最新のデジタルとCGIを駆使して、バーチャルな世界を見せてくれるのだから、楽しくないはずがない。

往年の低予算映画らしさは、わざと入れたフィルムの傷やノイズ、「リール喪失」のテロップをベッド・シーンの真っ最中に出し、肝心の場面をスッ飛ばすという憎い遊び心で表現する。一方、ブルース・ウィリスのような大物スターを出演させて、ビンラディンをやっつけた英雄なのに悪に染まる悲しい運命を背負わせるなど、設定はあくまで現代風。軍事基地での極秘実験というのも、どこか現実味をおびている。むやみに派手なアクションとバイオレンスもてんこもりだ。爆炎を背に大ジャンプを決めるヒロインは、見事に21世紀の女戦士である。おそらくこの感覚は、B級映画専門の映画館グラインドハウスをリアル体験ではなく、盟友のタランティーノの“教育”で自分のものにしたロドリゲスならではの咀嚼(そしゃく)によるものだろう。

義足代わりにマシンガンを装着して戦うセクシーなヒロイン。監督ロドリゲスの頭の中には、何よりも先にこのビジュアルイメージが浮かんだに違いない。片足を食われたのになぜ感染しないのか?とか、マシンガンの弾切れはないの?などの突っ込みはさておき、異形の容姿に変わってからの展開は、ダンサーならではの決めポーズの連打だ。ヒロインのチェリーは愛するレイの励ましで、泣き虫の女の子から、力強い戦士へと変貌。ふっきれた女は、いつだって美しくてカッコいいのである。豪華でムチャクチャな脇役を配するのも忘れない。注射針を武器に戦う女医ダコタは、強いんだか弱いんだか判断不能で、どこかオトボケな美女。バーベキューソースに固執する兄弟のコアなやりとりや、狂気のレイプ魔をタランティーノに演じさせるなど、ロドリゲスのアイデアとおふざけは無尽蔵だ。チェリーとレイの純愛に涙し、ゾンビ相手のサバイバルに興奮する。なんでもアリのごった煮感が、最大の魅力と断言したい。フェイク(偽)予告編の映画「マチェーテ」もぜひ作ってほしいものだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)痛快度:★★★★☆

□2007年 アメリカ映画 原題「GRINDHOUSE/ PLANET TERROR」
□監督:ロバート・ロドリゲス
□出演:ローズ・マッゴーワン、フレディ・ロドリゲス、マイケル・ビーン、他

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単純明快、爽快拍手! ラストは立ち上がって両手を広げてバンザイしたいくらい。 このところ観た映画の中でも1位2位を争うくらいのすっきり感。勢いに任せておばかたちは突っ走る! カート・ラッセルがいかにも怪しい雰囲気をまとって、期待通りに悪事をはたらいてくれ...
15. プラネット・テラーinグラインドハウス  [ 大発狂!マッドシネマ-映画天国- ]   2007年12月08日 03:12
クエンティン・タランティーノとのタッグで60年代から70年代のアメリカに存在した
14. プラネット・テラーinグラインドハウス☆ロバート・ロドリゲス監督  [ 銅版画制作の日々 ]   2007年10月16日 22:56
  ゾンビがいっぱい〜   クエンティン・タランティーノ×ロバート・ロドリゲス、二人の最新作がデレクターズ・カットとして日本上陸   ということで、前回はタランティーノの「デス・プルーフinグラインドハウス」の鑑賞記事を紹介しました。遅くなりました...
13. 真・映画日記『プラネット・テラーinグラインドハウス』  [            ]   2007年10月11日 15:39
9月28日(金)◆577日目◆ 今週の「ひとこと塾」は土曜日。 なので、終業後は映画なのだ。 日比谷の「みゆき座」で『プラネット・テラーinグラインドハウス』を見る。 改めて単品で見るとこのB級ゾンビ映画はストレートに楽しめる。 伝説の男「エル・レイ」なんかエ...
12. プラネット・テラー in グラインドハウス  [ お萌えば遠くに来たもんだ! ]   2007年10月10日 00:25
ようやく観てきました。<日比谷みゆき座>監督:ロバート・ロドリゲス 脚本:ロバート・ロドリゲス テキサスの片田舎。米軍基地から生化学兵器のガスが漏れだした!そのガスを浴びた人々は凶暴化して・・・!!
11. ビンラディンの論理  [ お薦め本!! ]   2007年10月04日 20:56
イスラム世界ではイスラム法こそ唯一絶対の正義であり、その正義が遂行されない場合、ジハード(聖戦)で偽の統治者を打倒する義務があるとされていたものの、本来テロとは無縁だった。だがビンラディンは、民衆の圧倒的な支持を背景に、アメリカに対するジハードにテロを持...
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この記事へのコメント
1. Posted by やまたく   2007年09月22日 07:27
こんにちはー。
ムチャクチャぶりがスゴかったですが、
そこを楽しめる方にはツボな映画ですね。
ふっきりれた女性、カッコいいっす!
BBQ兄弟のくだりも妙に好きですが(笑
これだけごった煮にしときながら、
ちゃんと物語になってるところに感心しました★
2. Posted by まちこ   2007年09月22日 11:26
やまたくさん、コメントとTBをありがとうございます。
ウケましたねぇ、この映画。
本国アメリカでは2本立てですが、偽予告編が日本より多く、
3〜4本ついてたそうですよ。見たいわぁ〜!
DVDになったらきっと特典映像で収録されますよね。
「リール喪失しました」の場面では、
試写室でドッと笑いが起きました。
いつもは無表情な映画関係者も、この時ばかりは…(笑)。
また、そちらのブログへも遊びにいきますね。

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