2008年02月16日

映画レビュー「エリザベス:ゴールデン・エイジ」

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◆プチレビュー◆
エリザベス1世の心の葛藤を描く華麗な歴史劇。存在感のある演技を披露するブランシェットが魅力的だ。 【75点】

 16世紀末の英国。プロテスタントの女王エリザベス1世は、カトリックの強国スペインとの勢力争いの渦中にいた。国内外の陰謀が渦巻く中、エリザベスは新大陸から帰国した探検家ウォルター・ローリーに惹かれていく…。

 25歳で即位したエリザベスが、いかにして内憂外患を振り払いながら黄金時代(ゴールデン・エイジ)の礎を築いたか。前作から9年後の続編である本作は、本物の歴史建造物や華麗な衣装などで彩られた重厚な歴史劇だが、内容はラブストーリー寄りの人間ドラマの色合いが濃い。一人の人間としてのエリザベスの心の揺れをきめ細かく描いて、遠い中世英国の偉大な女王と、現代社会との共通項を探っている。

 時代は、カトリックVSプロテスタントの争いで大揺れだ。当時の弱小国英国のエリザベスは、女王に忠誠を誓うのなら信仰は自由という政教分離を謳う現代的な君主として描かれている。対するのはカトリック原理主義的なスペインのフェリペ2世。多くの観客が、スペイン王にイスラム原理主義の妄信を、エリザベスには寛容な自由の空気を感じるはずだ。欧州は、新大陸への野望にあふれ、勢力地図が流動的な大変革期である。命がけで生き抜くエリザベスは、大国スペイン相手にも大胆だった。

 フェリペ2世と対立した原因の一つに、英国がスペイン船への海賊行為を黙認したことがある。本作で女王の心をつかむのは、そんな海賊稼業も得意な冒険家ウォルター・ローリー卿だ。映画では、女王はストイックな姿で描かれるが、実際には何人かの愛人がいた。中でもローリーは豪放かつ知的で、実に魅力がある。詩人でもあった彼は、女王が歩く地面の水たまりに惜しげもなく自分のマントを置いてみせる、ちょっと粋な男だ。女はこういう行為に弱い。新世界を知る彼は、女王とは無縁の自由の香りがしたのだろう。それは彼女が“こうありたい”と願う姿だったに違いない。

 ローリーをめぐって侍女のベスと微妙な三角関係になるが、このときのケイト・ブランシェットの演技は必見だ。嫉妬や不安といった脆さを、気品を損なうことなく熱演。やっぱりこの女優は上手い。さらにブランシェット演じるエリザベスには、ローリーになりたいと憧れる反面、彼に素直に愛されるベスでもありたいと願う複雑な感情が透けて見えるのだ。女王の中には男女二人の人間がいて、それがどこか中性的なブランシェットの中でせめぎ合う。男の仕事である君主を務め、ジェンダーフリーの存在だったこと。これがエリザベスという名君を今も輝かせている理由ではないか。

 ままならぬ恋愛で小さくなりかけたドラマに物足りなさを感じる頃、絶妙なタイミングで無敵艦隊が攻めてくる。映画は、一気に壮大な歴史絵巻に突入し、中世の海原へ。世界史でお馴染みのアルマダの海戦が物語のクライマックスだ。絶対に不利だった英国艦隊の奇策には、まさしく歴史の風が吹く。私的な感情を封印し、君主の威厳を取り戻したエリザベス。勝負服である甲冑に身を包む女王に、もう迷いはない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)絢爛豪華度:★★★★★

□2007年 イギリス映画 原題「ELIZABETH:THE GOLDEN AGE」
□監督:シェカール・カプール
□出演:ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、クライヴ・オーウェン、他

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18. エリザベス:ゴールデン・エイジ  [ 空想俳人日記 ]   2008年02月24日 02:07
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17. エリザベスーゴールデン・エイジ  [ Art- Mill  あーとみる ]   2008年02月23日 14:58
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上映スクリーン数: 300 オープニング土日興収: 1.2億円『都心の劇場が好調
15. 『エリザベス:ゴールデン・エイジ』  [ purebreath★マリーの映画館 ]   2008年02月21日 21:47
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14. 「エリザベス ゴールデンエイジ(ELIZABETH:THE GOLDEN AGE)」映画感想  [ Wilderlandwandar ]   2008年02月20日 19:40
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12. 映画感想≪エリザベス:ゴールデン・エイジ≫  [ キネマ徒然草 ]   2008年02月20日 01:07
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監督:シェカール・カプール CAST:ケイト・ブランシェット、クライヴ・オーウェン、ジェフリー・ラッシュ 他 1585年、エリザベス1世...
9. エリザベス:ゴールデンエイジ  [ Akira's VOICE ]   2008年02月17日 17:03
二人のベスのファションショー。
8. エリザベス:ゴールデン・エイジ  [ パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ ]   2008年02月17日 15:53
5 強い信念で近世イギリスを黄金時代へと導く、エリザベス一世が辿った険しい道のり。恋や人情による葛藤、無敵艦隊との対決を描く。 1587年、イングランド。エリザベス1世としてイングランド女王の座を手にしてからも、彼女の奮闘は続いていた。というのも、宮中では依然....
7. エリザベス/ゴールデン・エイジ  [ ★YUKAの気ままな有閑日記★ ]   2008年02月17日 11:24
前作の『エリザベス』(1988年)は当時鑑賞している。10年経って制作された本作の予告編を観るだけで、ケイト・ブランシェットの迫力に圧倒され涙が滲むほどだったので・・・公開を楽しみにしていた―【story】1585年、エリザベス1世(ケイト・ブランシェット)は、プロテス...
6. 『エリザベス:ゴールデン・エイジ』  [ 唐揚げ大好き! ]   2008年02月17日 08:06
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』   敵は、外にも中にも――   そして私の心にも。   ■アメリカ大陸から帰還したばかりの航海士ローリーとの出会い。新世界の心躍る冒険談を熱く語る彼に惹かれていくエリザベス。身分の違いを超え、彼女に尊敬以上の感情を
5. 「エリザベス ゴールデン・エイジ」試写会   [ ノルウェー暮らし・イン・ジャパン ]   2008年02月17日 01:35
息を呑むような美しい衣装は、まるで肖像画そのもの。 王宮や教会の荘厳かつ厳粛な雰囲気 晩餐会の華麗でありながら、華美ではない装飾 それでいて、宮廷絵巻にとどまらない、数奇な運命をたどるイングランド女王1世の、心の内面を深く描いた作品は、胸にすごい迫力で迫...
4. エリザベス:ゴールデン・エイジ を観ました。  [ My Favorite Things ]   2008年02月17日 00:22
今日公開作品は観たいものがイロイロあり、悩んだ結果…
3. エリザベス ゴールデン・エイジ  [ Lovely Cinema ]   2008年02月16日 21:52
JUGEMテーマ:映画館でみました! 2007年/イギリス 監督:シェカール・カプール 出演:ケイト・ブランシェット(エジザベス1世)    ジェフリー・ラッシュ(フランシス・ウォルシンガム)    クライヴ・オーウェン(ウォルター・ローリー)    リス・エヴァ...
2. エリザベス ゴールデン・エイジ  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2008年02月16日 16:43
 『敵は、外にも中にも── そして私の心にも。』  コチラの「エリザベス ゴールデン・エイジ」は、2/16公開となった16世紀の英国を治めたヴァージン・クィーンことエリザベス女王1世の人生を描く歴史映画の10年ぶりの続編なんですが、早速観て来ちゃいましたぁ〜♪ ....
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「エリザベス:ゴールデン・エイジ」を鑑賞してきました主演のケイト・ブランシェットを一躍スターに押し上げた1998年の歴史ドラマ「エリザベス」。そのラストで戴冠式に臨んだエリザベスが、その後に迎える黄金時代の幕開けを描いた続編。本作では、イングランドが当...

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